ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

モーリス・ベジャール-Keisuke Nasunoさん出演-

2006年11月07日 | Weblog

今晩はボリショイのプリセツカヤなど多数のダンサーに振付をしている世界的巨匠のモーリス・ベジャールのバレエ団のチャイコフスキーコンサートホールでの公演に行ってきました。

写真はその中で最初と最後の演目で重要な役を演じたKeisuke Nasunoさんです。海外にいるとこのような公演で思いがけず邦人ががんばっているのを見ると嬉しくなります。

一幕目 :

*L'Art D'etre Grand-Per 音楽:Hugues le Bars

スポットライトが当ると舞台に平均台、覆面に黒マントの男La Grand-Pere (Denis Vasquez)、実は後ろ向き。その後男達がサーフィンをしたり、フランス語での指示に基づいてオレンジ色に黒の縞服の男女ダンサーが集団で踊ったり、あん馬の上でカップルがじゃれたり、男性がオペラのようにフランス語の歌を歌ったり。そこにNasunoさんが木刀を持って剣舞を見せる。最後にトーヤーとの気合を掛けて消える。小柄の褐色の男性ダンサーが跳躍力あり喝采を浴びる。相手役の女性La Grand Mere役はKarline Marion

*アダージェット 音楽:マーラー交響曲『第5番』 第4楽章「アダージェット」

踊り:Gil Roman

上半身裸で黒ズボンのGilが最後は何か(蝶とのこと)を最後につかんで椅子の上にのって最後はそれを開放。Gilは汗だらけになりながら熱演。

2幕目:

*Seraot-ce la mort ? (It would be death?)

音楽:Richard Strauss

Octavio Stanleyを取り巻く4人の女性ダンサー(Catherine Zuasnabar, Luisa Diaz Gonzales, Ruth Miro, Karline Marion)。 薄青のタイツ姿の男1人を4人の女性が取り合うという男にとっては幸せな設定。白、ごく薄いピンク、ピンク、濃いピンクの4色の女性と順番にOctavioは踊る。踊りそのものはクラッシックダンスの部分多くて判り易い。最後は白服の女性と結ばれる。

*Wien, Wien, Nur Du Allein

音楽:Arnold Schoenberg, Alban  Berg& Johann Strauss

Angel Lulu : Ruth Miro, La comtesse: Elisabert Ros, Ludwig : Victor Jimenez, L's assasin :Neel Jansen, Und so weiter : Keisuke Nasuno

ワルツを踊る正装のカップルとそれと平行してタイツ姿で踊るカップル。突然レコードが傷で繰り返しとなり場面暗転。そこから多数の男女が出てきて最後はカップルに横恋慕した男がナイフでヒロインの首をかき切るという悲劇。

この悲劇の場面から一転明るい音楽で体操系の踊りを元気良く披露するのがNasunoさん。この役は5日と7日はWilliam Pedroで今日だけがNasunoさんなのでラッキーでした。元気良くジャンプ、回転など今までの暗い場面を忘れさせるダンスを1人で演じきって拍手喝采。Nasunoさんが消えると殺されたはずのヒロインが復活し先ほど止まったレコードが再び聞こえ始め今までのことは夢だったと思わせる。

その後カップル最後には全員登場でワルツを踊ってHappy End.

カテコ動画 1  

全般的感想としてはモダンダンスは今一という当方でしたがそれなりには楽しめました。特に邦人のNasunoさんががんばって踊っているのは好感。

 

 

 



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アダージェットは (さとみっち)
2006-11-07 12:56:51
はじめまして。ベジャールバレエ団が大好きでOctavioファンのさとみっちです。ロシアの公演がどうだったのか凄く気になってたので嬉しかったです。
アダージェットはドンに振付けられた作品ですが、今回はジル・ロマンが踊ったのではないでしょうか?
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失礼しました (管理人)
2006-11-07 19:20:46
さとみっちさん
大変失礼しました。
昨日のパンフを見直して修正します。

因みにNasunoさんのことは下記バレエ団のサイトに大阪出身との記載ありますがさとみっちさんはもっと詳しくご存知ですか?

http://bejart.ch/fr/danseurs/nasuno.htm
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Unknown (さとみっち)
2006-11-08 15:12:00
こちらこそすみません。ドンさんはもう亡くなってるので・・・。

那須野圭右君のことは入団当初から見てます。
大分の情報誌にインタビューが載ったのでこちらに
結構経歴とか書かれてますのでURLを入れておきますね。

あの、初日と最終日のSeraot-ce la mort ?のキャストはお判りになりますか?

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情報深謝 (管理人)
2006-11-09 06:19:12
さとみっちさん
「那須野圭右」の漢字で検索出来ましたので大分の記事を読めました。ありがとうございました。初日と最終日のSeraot-ce la mort ?のキャストはパンフに記載あり両日とも同じで

Julien Favreau
Karline Marion
Kateryna Shalkina
Ruth Miro
Elisabet Ros

でした。



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那須野くん頑張ってますね。 (やわかつま)
2006-11-09 22:54:04
6月にベジャールバレエとして来日した時も、ソロを踊っていましたし、世界バレエフェスティバルでも、賛助出演していました。
海外で頑張っているダンサーの一人ですね。
那須野さんは、大阪出身だけに、たこ焼きを焼くのが上手いとの話もあります。
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そうでしたか (管理人)
2006-11-10 04:54:49
わかやつまさん
なるほど。
当方彼のこと何も知らずに失礼しました。
有名人だったのですね。
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Unknown (さとみっち)
2006-11-10 14:29:40
初日最終日のキャストをありがとうございました。
ルトちゃんがそのまま同じ位置に入ったのですね。
那須野君は十市さん、万里子ちゃんが退団したので
唯一の日本人ダンサーになってしまいました。
彼はとても明るい性格の子なので、踊りにも出てますね。
このままどんどん成長していって欲しいです。
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なるほど (管理人)
2006-11-11 03:04:43
さとみっちさん
那須野君以外に十市さん、万里子さんなどがいらしたのですね。なるほど。
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ベジャールバレエ団の日本人 (Nana)
2006-11-11 20:00:31
入団当初から那須野さんのファンだなんて凄い方からコメント入って盛り上がってますね!

モーリス・ベジャールのバレエ団には、昔、広田レオナさんだったか、その後タレントに転身したかたなども在籍されていたような。この方も、小林十市さんも怪我リタイヤで、タレントなど他の道に転身されています。

もしかしたらベジャールのバレエ団は一般のお客様向けには、モスクワより日本で見る方が良いバレエ団なのかも知れません。(日本では多すぎるバレエ公演量があるのですが、先ごろ行われたベジャールバレエ団日本公演は、その中で特に評判が良かったみたいです。モダン好きな人向けの話ですが。)でも特にバレエ団のファンの方には、細かい情報が役に立つようでup分キャッチされて良かったですね。

昨今、海外で活躍されている日本人ダンサーはとても多いのです。ただ、岩田守弘さんのように一線でハードな踊りで息長く活躍されている方、というと、あまり多くはない気がします。私が岩田さんを特に凄いと思うのはそこです。踊っていく環境が違いすぎるから比較できることではありませんが。
「人にも花にもそれぞれの咲き方がある」とアナニアシヴィリがいってましたが、ベジャールの世界でひとり異星からやってきたようだった透明感の十市さんが去った後、那須野さんはどんな世界を見せてくれるのか。早くから咲く花を見てくれるファンがいるのは心強いことでしょう。(私ジル・ロマンより那須野さんの方が好みなんですけど。舞台でのふーらかとした在り方とか。)
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なるほど (管理人)
2006-11-17 06:28:34
Nanaさん
以前から継続的に日本人が踊っていたのですね。なるほど
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