
再びNさんより兵庫県三田にて1月31日に開催された新国立劇場バレエ団 クラシックバレエハイライトの寄稿頂きました。東京では開催されないガラコンサートですが是非今後 各地で開催してほしいものです。
小作品やパ・ド・ドゥ集によるガラ・コンサートと
『くるみ割り人形』第2幕からなる
クラシックバレエハイライト公演を鑑賞するべく
兵庫県三田(さんだ)市へ足を運んだ。
第1部 ガラ・コンサート
1.グラン・パ・ド・フィアンセ
さいとう美帆・本島美和・伊東真央(まちか)・寺田亜沙子・長田佳世・小野絢子
白鳥の湖の、現在では大概カットされている
花嫁候補達のプロローグ、それぞれのソロ、コーダからなる作品である。
美人揃いのダンサーが6人並び、
また衣装が濃い赤や青などはっきりとした色調で
派手なこともあって幕が開いたときは拍手が沸き起こる。
しかし、振付が盛り上がりに欠け、
ニューイヤー・オペラパレスガラのときと同様
幕開けに相応しい大喝采までには至らなかった。
この演目よりも、
例えばコール・ド付きで『眠れる森の美女』プロローグの
妖精達によるパ・ド・シスを上演した方が、
均整のとれたコール・ドの美しさや個々のダンサーの持ち味が伝わり、
またテクニックの見せ場も多いので盛り上がったのではないかと思う。
2.『白鳥の湖』よりアダージオ
川村真樹 貝川鐵夫
先日全幕でも魅せてくれた川村さんのたおやかで優美なオデットを堪能できた。
貝川さんはほとんどサポートのみだったが、
オデットに対する真っ直ぐな思いが伝わってきた。
コール・ド付きならば尚良かった。
3.『椿姫』より田園のパ・ド・ドゥ
堀口 純 山本隆之
社交界の女王マルグリットが純粋な詩人のアルマンと
郊外でゆったりと過ごす、心和む場面である。
流石、モスクワの観客を唸らせただけあり、
2人の優しく切ない感情が溢れていた。
昨秋のボリショイ公演を思い出させてくれた。
だが残念だったのは、プログラムに作品解説が無く、
観客が世界に入り込みづらかったことである。
始まった途端これは何の作品だろうかと
大勢の観客がプログラムに目をやっていたが、
どんな場面であるか分かった人はごく僅かだったであろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます