ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

新国立劇場バレエ団 『くるみ割り人形』 2011年12月17日(土)

2011年12月18日 | Weblog

Nさんより昨日の新国立劇場バレエ団のくるみ割り人形の寄稿頂きました。

クリスマスにぴったりの演目ですよね。

コールドに注目の方がいらしたそうです。

新国立劇場バレエ団 『くるみ割り人形』 2011年12月17日(土)

金平糖の精:小野絢子
王子:山本隆之
雪の女王:寺田亜沙子

クララ:加藤朋子
ドロッセルマイヤー:冨川祐樹

シュタルバウム:貝川鐵夫 
シュタルバウム夫人:楠元郁子
フリッツ:八幡顕光

ハレーキン:江本 拓
コロンビーヌ:高橋有里
トロル:福田圭吾

ねずみの王様:小笠原一真
くるみ割り人形:福田圭吾  

スペイン:湯川麻美子 マイレン・トレウバエフ
アラビア:厚木三杏 貝川鐵夫
中国:寺島まゆみ 江本 拓 
トレパック:八幡顕光 福田圭吾 奥村康祐
葦の精:さいとう美帆 長田佳世 細田千晶

花のワルツ:
堀口 純 丸尾孝子 川口 藍 小村美沙
菅野英男 古川和則 輪島拓也 原 健太

今年の新国立劇場バレエ団によるクリスマス演目・
くるみ割り人形初日を鑑賞した。

小野さんの金平糖は
愛らしい容姿に貫禄が益々加わり、
女王に相応しい艶やかさや優しさに溢れていた。
2幕で登場し、色とりどりの衣装をまとったダンサー達に囲まれても
存在感があり、出番が多くはないにも関わらず
軽やかで精緻な踊りは深い印象を残した。

山本さんは気品、包容力、愛情深さ、頼もしさがあり、
少女の夢に現れる理想の王子そのものであった。
王子に持つべき要素をここまで兼ね備えた方は
海外を渡り歩いても滅多にお目にかかれないであろう。
脚の治療に専念するため今年11月のパゴダの王子を降板され、
新国立復帰舞台を首を長くして待ち侘びていたのだが、
今回も惚れ惚れとさせられた。
新国立劇場の真の王子様であることを
再確認した次第である。

復帰は楽しみであると同時に
治療後で怪我をしないか心配もあったが、
跳躍や着地も綺麗に決まり、安心した。
これからも長く踊り続けていただきたいと願うばかりである。

クララの加藤さんは初主役のためか相当緊張なさっていたようだが、
素直で淑やかな少女を好演していた。
今年5月のアラジンでプリンセスのお付きを踊った際
ポーズ1つ1つの群を抜いた美しさ、優雅は鮮烈な印象を残し、
もう一度クララを踊る22日は
更に伸びやかになっているであろう。

それから、コール・ドの中で特に目を惹いた
ダンサーがいたので紹介したい。
小村美沙さんである。
2007年に入団した、長身で凛とした和風美人である。
第1幕の舞踏会での客人役では、
黄金色に輝くベルベット地の衣装と大きな帽子を身に着けていたのだが、
古い絵画から抜け出してきたかのような着こなしぶりであった。
マイムや身体の動かし方は雄弁且つ優雅で隙が無く、
実に堂に入っていた。

4人のソリストに抜擢された花のワルツでは
黄色い衣装に負けぬ輝かしい笑顔と伸び伸びとした美しい踊りで
舞台に華やぎを与え、
要注目のダンサーであると改めて思わせた。

明日は新国立劇場のくるみ割り人形には初出演の
米沢唯さん、厚地康雄さんペアの登場である。
米沢さんは高い技術、身体能力が発揮されたパゴダの王子でのさくら姫で、
厚地さんはロメオとジュリエットでの弾けるベンヴォーリオや
パゴダの王子での野性味ある南の王の記憶が新しい。
クララ役の五月花遥(そうとめはるか)さんはアーティストからの抜擢である。
フレッシュな舞台に期待したい。



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