今は、行きたいと、思いながら、なかなか、行くことができないイギリス！！ロンドンに行ったのは、もう30年も、前になる。今と違って、当時は、海外へ行く人など、少なく、渡航手続きも、ややこしい事が多かった。日本赤軍が問題になっていた頃で、イギリスに、入国する時は、スーツ着用、短髪と厳しかった。今みたいに、Gパンで、気軽に！とは、いかなかった。日本の、カットの勉強では、もの足りなくなった、追求型の自分は、カットの勉強のため、どうしても、イギリスに行きたかったのだ。なぜなら、ビィダルサスーンは、初めて、はさみを使った、幾何学的な計算されたカットをあみだし、それまでのレザーを使ったカットから、カットの革命を起こしたのだ。そのサスーンの技を、掴みたかったのだ。貧乏な留学生だったので、いちばん安いアエロフロートで、大雪の２月に、友人のＤ君に、見送られ、羽田から、旅発った。 今はないソビエト航空で、いわゆる北回りだ。旅発って10時間くらい経った頃、暗い空に、かすかな灯りが見えてきた。あれが、モスクワの灯だ。ここで、乗換え、イギリスに向かった。長い空の旅だったが、夢と希望に、胸ふくらませていたので、気にならなかった。到着間際の、乱気流には、参ったが・・。日本から、17時間！ やっとヒースロー空港に、降り立ったのだ。【つづく】
