ブルージュの駅には朝早くついた。近代的な駅で、古都ブルージュには少し不似合いである。
ここから、聖ヨハネ施病院までは、約2Kmで、十分に歩ける距離である。ブルージュは何回か訪ねていて、
地理が分かっているので、歩くこととした。スマートフォーンに入っているOfflineの地図が役に立つ。
聖ヨハネ施病院には、丁度開館時間に到着した。周りには美術館を訪れる人はほとんどいなかった。
私は、当日の一番の観客となった。
美術館は昔の病院をそのままに、内部を改装して作品を展示している。
窓を通して入って来る青い光が、当時を思い起こさせる。当時はここに置くのベッドを置いていたのだろう。
有名なハンス・メムリンクの作品「聖女ウルスラの聖遺物箱」が飾られている。北方ルネサンスの作品として
よく取り上げられるが、実物はかなり小さいものであった。服などの質感は、他の画家に比べると
中世的な印象を受ける。
病院付属の礼拝堂にある「聖ヨハネ祭壇画(聖カタリナの神秘の結婚)」も見逃せない三連祭壇画で、
メムリンクの特色をよく示している。
その他、メムリンク以外の画家の作品もある。
小さな美術館であるが、ぜひ訪問すべき美術館である。