Moritarei2000の美術探訪

美術(絵画、工芸品)と美術館に関する探訪を主体に、
芸術に関する個人的な考えも発信する。

ベルギー ブルージュ グルーニング美術館

2017年03月27日 | ベルギー・オランダの美術館

グルーニング美術館は北方ルネサンスの巨匠ヤン・ファン・エイクの作品を中心とした美術館である。

ファン・エイク兄弟は油彩画の技術を完成させたとしても有名である。油彩とキャンバスがなければ

15世紀以降の西洋絵画は存在しないといても過言ではない。技術があって、初めて傑作が生まれるのである。

グルーニング美術館には2つの入り口があり、本来の入り口は少しわかりずらい。

運河に面した入り口

展示作品は大型の絵画、小型の絵画とうまくアレンジしてある。

 

有名なヤン・ファン・エイクの絵はすべてアクリル板で保護されていて光が反射して少し見ずらい。

しかし、北方ルネサンスの特色である、衣服の細かい書き込み、質感、金属への光の反射など、

写真のなった時代の写実主義を堪能できる。

また、入り口にこの絵が飾ってあったが、同じものが自由ブルージュ博物館にも展示されていた。

 

この美術館は観客も少なく、ゆっくりと鑑賞できぜひとも行くべき美術館である。

 


ベルギー ブルージュ メムリンク美術館 ヨハネ施病院

2017年03月26日 | ベルギー・オランダの美術館

ブルージュの駅には朝早くついた。近代的な駅で、古都ブルージュには少し不似合いである。

ここから、聖ヨハネ施病院までは、約2Kmで、十分に歩ける距離である。ブルージュは何回か訪ねていて、

地理が分かっているので、歩くこととした。スマートフォーンに入っているOfflineの地図が役に立つ。

 

聖ヨハネ施病院には、丁度開館時間に到着した。周りには美術館を訪れる人はほとんどいなかった。

私は、当日の一番の観客となった。

 

美術館は昔の病院をそのままに、内部を改装して作品を展示している。

窓を通して入って来る青い光が、当時を思い起こさせる。当時はここに置くのベッドを置いていたのだろう。

 

 

有名なハンス・メムリンクの作品「聖女ウルスラの聖遺物箱」が飾られている。北方ルネサンスの作品として

よく取り上げられるが、実物はかなり小さいものであった。服などの質感は、他の画家に比べると

中世的な印象を受ける。

病院付属の礼拝堂にある「聖ヨハネ祭壇画(聖カタリナの神秘の結婚)」も見逃せない三連祭壇画で、

メムリンクの特色をよく示している。

その他、メムリンク以外の画家の作品もある。

小さな美術館であるが、ぜひ訪問すべき美術館である。

 


北方ルネッサンスを訪ねて(1)

2017年03月25日 | ベルギー・オランダの美術館

今回から北方ルネッサンス、バロックの美術館を巡ります。

北方ルネッサンスはイタリアのルネッサンスとほぼ同時期に現れたもので、

その後の、ルーベンス、レンブラント、フェルメールに続く絵画の黄金期を築いたものです。

北方とは、フランドル地方、低地地方と呼ばれる現在のオランダ、ベルギー地方を指します。

具体的に今回、訪ねたところは、ブルッセル、ブルージュ、ゲント、アントワープ、アムステルダムの美術館です。

更に英国のナショナル・ギャラリーも参考にします。

詳細は次回以降に述べさせていただきます。

 ブルッセル : 王立美術館、マグリット美術館、他

 ブルージュ : ヨハネ施病院、グルーニング美術館

 ゲント  : 大聖堂、ゲント美術館

 アントワルペン : 大聖堂

 アムステルダム ; 国立美術館 レンブラントハウス