「野沢尚」の本は何冊か読んでおり、ドラマも何作品も見ていた。
この作者の本は、何か淋しげな感じを受け、胸にずしりと響くのです。
この「龍時」という本は、たまたま本屋で新刊として置いてあったので
“01-02”“03-04”の2冊を購入しました。
サッカーの話なので、サッカーに全く興味のない人には訳のわからない本だと思う。
そういう私も、サッカーには興味があリテレビで見たりもしますが
用語や詳しいルールは良くわかりません。(^_^;)
<読後感想>
スペインサッカーに旅立ったリュウジ。
スペインサッカーでもどこでもやはり差別などがあり、日本人選手との感覚も違う。
多国籍が集まっている人々の理由は、生活、家族の為に切羽詰っている状態で、
レギュラー獲りに向かって例え同じチームの選手でも蹴落として上を目指したい、
レギュラーを獲りたい!との情熱がヒシヒシと本から伝わってきました。
本当に野沢さんは後半の「謝辞」にもあるように、かなり熱心に取材をされたようで
サッカー好きの方、そうでない方にもお薦めしたい作品です。
私はとても入り込んで読んでいます。
そして主人公リュウジは・・・
「あと二十年、サッカー選手として輝く事、その二十年が終れば
自ら命を絶っても構わないと思う・・・自殺願望」(本書抜粋)
リュウジの生き急ぎと、この本の著者だった“野沢尚”は
自分を重ねていたのではないかとさえ思う。
“野沢尚”が亡くなった時誰かが、自殺をする本を書いた場合あまり良くない傾向だと
話していたのを思い出した。
「砦なき者」をテレビ放送した後だったからこの本に対してなのかもしれない。