宮城の作家希望

作品など

魔法のない世界

2020-08-31 04:24:00 | 小説
『私は願った今までの事は忘れたいと都合の良い事を願った。そして生まれたのが今の世界。と私事、唯乃原心なのよ。この幼い姿も、己の過ちを隠す為に作られた物』
『違います。少なくとも、この世界は心さんだけの責任ではありません。恐らく私も願った事です。
貴女と暮らせる世界を願ったあの時、私達はこの世界を作ってしまった。それが、共振魔法の生まれた訳だと思います。』

これは私達の罪。償いもまた私達でやらなければならない。
『そうね二人で償いましょう』
『二人で盛り上がってる所悪いが、こちらにもピンチを救われた借りがある私にも手伝わせてくれ』
こうして私達はここから旅立つ事にした。生み出された、全ての世界を守る責任が私達にはあるのだから。時空の監視者のなろう。そう私達は誓った。


今までお付き合いありがとうございます。『恋の心』は終わりとなります。
今後は後日談をお送りします。
これからも宜しくお願いします。

女神の書

2020-08-30 09:48:00 | 小説
あの戦いの後、心さんは夢の中で語った。
『あの時、私は力を失い分裂するしか命を維持できないと感じた。けれど何をどうするかは考えが無かった、その時一冊の魔導書を感じた、そこには私の求めていたーー安らぎーーを感じた。しばらくはその本の中で暮らしていました。ある日、本は一人の魔導師に渡り魔法を行使する世界が生まれ、当時に魔界との接点が広がり魔物が闊歩する世界に近づき神とも身近な世界でもあった。そんな時代に生まれたのがーー祖神魔法ーーと、後に呼ばれるもの、つまり私の本を介して行使された魔法全般になります。

例えそれが私の意思では無くてもその原因は私にある。私が何もせず本の中で眠っていたからです、安らぎを求めたあまり人々に迷惑をかけました。魔導師は恐れました、余の力に

その時現れたのが豊穣の女神(神の姿で光に満ちている)女神は言ったーー書を預かるーーと魔導師には手に余るもので、その言葉に頷いた。
こうして私は、あの女神の元に渡った。そこでお前達に会った。そして未来に出会う、あの図書室に私は旅立った。
確信していた私の安らぎは、そこにあると。

迷いはないディヴェスト貴方に会ったから』


心さん濃度

2020-08-29 05:49:00 | 小説
そこには14歳の金色に輝く心さんが立っていた。やがてその姿は光と成って世界に飛び散った。
『心さん濃度が違う』
思わず叫んだ私の言葉に二人はキョトンとしていたが、心さんは私に抱きついてきた。
『だって、頭から足までがそれぞれの世界に飛んだのですよ濃度の違いはあるでしょう』
『確かに、色の違いは、あった』
ララも認めて抱きよった。
『こうして出会った一つなのね私達は』
『いそごう、』

私達は再び飛んだ元いた私達の地下室に
相変わらずガランとした空間にベッドがあって私達は相変わらず抱き合っていた。
何だか地上が騒がしい。そこはまるで地獄の様な姿だった。有らゆる物が原型を留めぬ姿に破壊されていた。空には暗雲が立ち込め闇が全てを覆うかの様だった。

向こうに大人の姿をした心さんと黒井アカネさんが黒い影と戦っていた。
心さんが体術で影を捉え黒井さんが魔法で対応している。
『この世界にも魔法が発生している、』
黒井さんはセーラー服にリボンやレースを多用した衣装で花の様なステッキから何か光を放っている、それらはやがて火や水と変わり影に襲いかかった。

だが影は強い。彼等の攻撃をものともせず立ちはだかっている。周りには忍野先生や神田先生と館長や子供達が倒れている。
隣に立つ心さんの体が金色に輝き出した。次の瞬間には明るい陽射しが降り注ぐ柔らかな光に包まれていた。

『やはりこの世界は心さん濃度が高い』
『フッ全くだ』珍しくララが同意した。
怒ったララが私に襲いかかるが心さんが抱きついた。
周りの皆はヤレヤレと言う顔をしている。

大人の心さんは闇天使ジャマランジャの変身
『この姿が一番だと思った』と、ぬけぬけと
倒れた人々に回復魔法をかけると皆元気に成った。
この世界も魔法を使える世界に、

『疲れた』そう言って心さんは嬉しそうに寄りかかるのを人々が見守る。