宮城の作家希望

作品など

母娘の攻防

2020-08-06 08:21:00 | 小説
ナーガに戻ったエレは真っ赤なドレスを着込んで庭のテラスで白いドレス姿の母ナーガと紅茶を楽しみながら旅の話しをしていた。
二人はまるで同級生の様な姿だった、ナーガは遙かな時を生きて居るが魔法で娘と同じ姿を保って居る。それだからエレはタメ口に
『彼は今もあの傷を気にしていたわよ』
意味が分かるのだろう体がピクリと震えた。
エレは気づかぬ風に笑っている。

エレが何を考えているか分かる訳ではないが父を憎みしも母を思っているのだろう。目が潤んでいた。それでも
『あの死に損ないまだ頑張ってたわ』と笑い飛ばした。
『そう』と短く答えたがエレは一瞬爆発しかけたが目だけで牽制したが目で押し返された。
そこは年季の違いかエレには武が悪かった。

傍目には仲の良い姉妹程度に見えただろうか?