小さな宿屋の狭い部屋に3人の若者が1つのベットを挟んで立っている。『どうぞベッドは2人で使って』そう言うと部屋の隅に座り込み眠ってしまったエレガ。
『寝よ寝よ』
女の子ははしゃいでベッドに飛び乗りアカネを手招きした。
まだ呆然と立ち尽くす彼女をベッドに誘い一緒眠る女の子。
女の子とエレガを交互に見てため息が漏れた。
アカネはこの女の子の名前はどうしようか考えたが途中からエレガの魔法について考えていた。
ここまでの道中も何度も魔物に襲われたが全てエレガが無意識に倒していた。
その倒し方は例え小物でも切り裂き最後は火炎で焼き尽くしている。
一度だけ意識した戦いがあった。
魔導師に襲われた時だった、彼等は魔法を封じようとしたがエレガが先に封じていた。あの時はエレガは敵を意識して戦かっていた。相手が魔導師だったからか、
『私に杖が有ってもあんな戦いは出来ない』
改めて卵顔を見ても笑いしか出てこない。
魔術師として尊敬はするがあの顔では。
何処かにぶつかって破れないか心配で仕方がない。そう考えるとブレザーとスカートを脱ぎベッドに潜り込んだ。