宮城の作家希望

作品など

黒井 アカネ

2020-08-14 14:35:00 | 小説
『やあ』
『あっディヴェスト様』
昼過ぎに図書室に現れた黒井アカネさんに挨拶するとそう返ってきたので心さんを見ると
『受験生の邪魔をしない』と怒られた。

彼女は中学三年生で来年が受験らしく刺激するなと釘を刺された、両親とも共働きで授業が終わるとここで夜遅くまで勉強している。
大変だなあと思いジュースの差し入れをしたら
『ありがとうございます、でもお気遣い無く』と断られた。
『あら私には無いの?』
心さんは心さんで仕事中にこれだし。私以外の人には愛想がよい。

まあ、それにしても魔力がだだ漏れだけど誰も注意しないのかな?両親は気付かないのか知らないのか、と考えてると心さんに手伝いを頼まれ図書室を後にした。
しばらくして戻ると彼女は帰った後だった様だ。

『残念でした』
『肩でも揉みましょうか?』
と答えると嬉しいそうに『うん』と頷いた。
心さんの対応にも慣れて来た今日この頃。