東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

韓国の労組は法の上に君臨か。

2023-05-26 05:00:00 | 韓国物

「民主労総の争議行為は違法でも処罰できず、労組は法の
上に君臨している存在なんだ」という悟りを得た1年でした。

延世(ヨンセ)大学政治外交学科4年生の李ドンスさん(24)は
23日、朝鮮日報とのインタビューでこのように話した。全国民
主労働組合総連盟(民主労組)が授業時間に校内でアンプと
鉦(クェングァリ、韓国の伝統楽器で金属の盤のようなものを
金属のばちでたたく。ものすごい音が出る)を動員して汽車の
音に近い騒音を発生させ集会を開いたことに対して提起した
刑事告訴を、先週警察が最終「無罪」で処分したことに対す
る所感だ。

李氏がいきなり告訴したわけではない。告訴に先立ち民主労
総に直接7回も騒音自制をお願いし、学校と112(日本の110
番)に申告もしてみたが無駄だった。最後の選択が警察だっ
た。

李氏は2020年のコロナ事態当時、大学生になった。2年間非
対面授業を経て3年生になった昨年3月になって初めて対面
授業に参加した。ときめきもつかの間。3月末(以下、2022年)
から民主労総の校内集会が始まった。毎週月曜日、李氏の
英語講義がある時間帯に1時間ずつだった。校内集会は李
氏が授業を受ける白羊館近くの白羊路で開かれ、たびたび
白羊館前でも開かれた。

要求事項は清掃・警備労働者の賃金引き上げなどだった。
李氏は「集会騒音で教室で教授や発表者の発言が聞こえ
ないほどだった」と話した。

李氏が直接測定し、映像でも残したこの集会の騒音は最大
95dB。工場騒音(90))と汽車騒音(100))の中間水準だ。
集会デモ法施行令は、昼間でも住居地域、学校、総合病院
では騒音が65dBを超えてはならない。

李氏は4月に入って集会現場に5回訪ねて「スピーカーのボ
リュームを減らしてくれ」と要請した。その都度返ってきた答
えは、「拡声器の音を減らせば、我々の力(交渉力)を奪わ
れる。これ以上減らすことはできない」というものだった。

現場との対話に失敗した李氏は、民主労総公共運輸労組
ソウル支部代表メールアドレスに2回コメントを書いた。

「労働者の事情は理解しますが、学生の授業を妨害する
方式は正当ではありません。横断幕でも十分に生徒たち
に意思が伝わっています。」

返事はなかった。

その次に選択した方法は112番通報。4月下旬から3回に
わたって通報した。無駄だった。集会中に警察が来れば民
主労総はしばらく拡声器の音を減らす方式で対応した。
出動した警察官に「未申告集会なのになぜ解散措置をし
ないのか」と尋ねた。警察は「学校私有地で起きたことな
ので、学校の解散要請がなければならない」と話した。

それで李さんは学校を訪れた。総長室を訪れたが、総長
の代わりに職員が出てきた。総務チームにも訪れた。答
えは同じだった。「学校としてやってあげる方法がない。」
と話した。

結局、李氏は5月に警察署を訪ねて告訴状を提出した。
被告訴人は集会を主導した「民主労総延世大学分会長」
ただ1人であり、疑惑は業務妨害と集示法(集会と示威に
関する法律)違反だった。その翌月には損害賠償600万
ウォン余りを要求する民事訴訟も起こした。「私が何もし
なければ何も変わらないようだった。私が卒業した後も
後輩たちも同じ苦痛を受けてはならないと思った」と
李氏は話した。

しかし、ニュース報道が出ることによって李氏は一方的
な悪質コメントのターゲットになった。李氏は「民主労総
幹部を相手にした告訴をあたかも力のない一般清掃労
働者全体相手であるかのように放送が歪曲した」と話し
た。ある放送会社は損害賠償金600万ウォン余りを「清
掃労働者月給の4倍」と紹介し、記事に「ボリュームを
大幅に下げて集会した」という労組側の一方的主張を
盛り込んだ。

このような記事が出ると「のこぎりで顔を生きたまま切
ってしまいたい」「自殺させる」等の悪質コメントが次か
ら次にアップされた。李氏は、最もひどい悪質コメント
11人を告訴した。

警察はその全員を嫌疑なしまたは却下処分した。主な
理由は「単発性悪質コメントだから」だった。警察の主
張とは異なり、侮辱罪は一度の行為でも成立する犯罪
だ。捜査裁量権を逸脱乱用したという指摘が出ている。

李氏は「『6か月以内にイ・ドンスを自殺させる』というコ
メントもあるが、本当に私が自殺してしまわないと警察
が積極的に乗り出す気がないのではないかという気も
した」と話す。

民主労総相手の告訴も相次いで嫌疑なしの処分が出
た。昨年12月には業務妨害が、今月中旬には集示法
違反が嫌疑なしと処理された。「正当な争議行為なの
で民事・刑事上免責」という趣旨だった。不起訴理由
書には「ある程度騒音発生はやむを得ず」「比較的長
くない時間の間になされる」等の内容が書かれていた。

李氏は「一般国民が申告もなしに4か月間毎週1時間
ずつ汽車のような騒音を出して集会をしてもこのよう
に処理しただろうか」と話した。

彼はうつ病、不安障害、パニック障害の診断を受け
て先月まで1年近く薬を飲んでおり、今も不眠症に苦
しんでいると話した。いったいこの社会はどうなって
いるんだ。これがまともな警察で、正常な裁判所か。

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