ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

▲3七銀急戦超速攻【超力戦 part 2】

2010年11月12日 00時02分10秒 | 超速対策その他
先日記事にした▲3七銀急戦超速攻【超力戦】が、某有名掲示板で取り上げられていました。

関心を持って頂ける事はとてもうれしく思います。^-^

その中で、第1図から△1四歩に▲5八金右(第2図)にはどうするかとありました。



今回は、▲5八金右に対する私なりの研究を述べたいと思います。

第2図からの指し手
△5七歩成▲同銀△5六歩▲4六銀△4四歩(第3図)



◇歩越し銀には歩で対抗

このタイミングで△5七歩成と▲5七同銀を限定しておき、△5六歩と利かせておきます。
(▲5七同金は△5六歩▲4六金△1三角▲2一飛成△4六角▲同歩△5七金▲同銀
△同歩成▲7八玉△2二飛=A図で後手十分。)



王手飛車を避けるには▲4六銀しかないのですが、ここで△4四歩が格言に忠実な
習いある一手です。

第3図からの指し手
▲2三飛成△4五歩▲同銀△1三角▲2四歩△2二飛▲3四銀△7二玉(第4図)



◇心の余裕△7二玉

第3図からの▲2三飛成では▲2八飛も有力で、△4五歩▲同銀(B図)なら
2010.9.21 C級2組順位戦 ▲上野裕和五段vs△村田顕弘四段に合流します。



以下、△1三角とすると、▲2四歩△2二飛▲7八玉△2四角▲2三歩△同飛▲4六歩(C図)
で切らされてしまいます。



実戦例を踏襲して△3三桂と跳ねて▲5三歩に、△同飛と変化します。

▲5四歩の連打に、ここで△5七歩成を利かすのがポイント。

どうせ取られるのであれば、依然銀取りですし金を吊り上げた方が得ですよね。

▲5七同金に△5二飛▲5六銀△5四飛(D図)で歩の損得無し。



ここからうまく捌けるかが勝負の分かれ目でしょう。

▲6五歩や、▲2四歩などの手がパッと見えます。

後手は、△8四飛や、△2五歩~△3五歩などを狙って行きたい所です。

変化は難解で結論を出すのは難しそうです。

捌きのアーティスト久保利明棋王王将であればどう捌くのか見てみたいものです。^-^

本譜▲2三飛成であれば、△4五歩▲同銀と銀をどかして△1三角が厳しい一手。

▲2四歩に△2二飛▲3四銀に、△2三飛は▲同銀成(E図)で角が死んでしまうのでご用心。

また、△2四角も▲同龍△同飛▲3五角(F図)で飛び上がる事に…。



ここは△7二玉(再掲第4図)が冷静な好手で、F図の王手飛車の筋を無くして
△2四角の実現を目指しています。



先手は△2四角を防ぐ上手い手が無く、後手に技を掛けられていると言えるでしょう。

以上になります。

▲5八金右(第2図)は△4四歩から歩越し銀を狙えば十分と考えていましたが、
D図は難解で互角と言えるかもしれません。






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▲3七銀急戦超速攻【超力戦】

2010年11月08日 23時59分17秒 | 超速対策その他
久々にブックマーク欄をいじってみました。^^

一番上の81-Dojoは、最近できた将棋の国際対局サイト。
英語はほとんど話せないのですが、私も時々指しています。^^
管理人はHIDETCHIさんと言う方で、YouTube上で英語の自作将棋ビデオを多数公開している
有名な方の様です。

そのHIDETCHIさんのブログがこちら

そして、3番目が将棋を世界に広める会です。

こちらは週刊将棋の記事を読んで知りました。

将棋を世界各国に普及する為に活動している方々がいる事を知り、驚きと感銘を受けました。

こうして見ると、私にも何か出来る事はあるのではないかと考えさせられます。

今現在で考えると81-Dojoで指して外国の方の練習相手になるくらいでしょうか。

いずれは英語をもっと理解して、ゴキゲン中飛車の普及が出来たらな…と思います。^^;

********************************************************************************

さて、今回は▲3七銀急戦の超速攻型(いわゆる超速)を取り上げたいと思います。

最近、戸辺誠六段や菅井竜也四段と言った若手振り飛車党が
2手目△3二飛戦法に手を出し始め、
鈴木大介八段が一手損角換わり杉本昌隆七段が横歩取り△8五飛戦法を指し、
ゴキゲン中飛車の支持者が減少し始めている様に思います。

一時期ゴキゲン中飛車を多用して活躍していた豊島将之五段も指していません。

その最大の原因は、▲3七銀急戦の超速攻型に苦戦している事にあると思います。

振り飛車側が工夫を重ねている割に、互角以上になる変化が少ない様に指していて感じます。

私はそろそろ発想の転換期にあるのではないかと思います。

つまり、「▲6八玉型のまま右銀を繰り出す事自体を封じられないか。」
を真剣に考えるべき時だと考えています。

まずは、テーマ図1から。



普通であれば、テーマ図1の△6二玉では△3三角が自然ですが、
▲3六歩から超速攻型に組まれてしまいます。

そこで、△6二玉の出番です。

以前であれば乱戦を避けて▲7八玉が自然でした。

しかし、この△6二玉は超速攻型を封じている意味があります。

つまり、テーマ図1から▲3六歩ならば直ちに△5六歩と開戦します。

①▲2二角成は、△5七歩成(王手)▲同銀△2二銀▲4六銀△7二玉(A図)で
早くも後手捌け形。
②▲5六同歩は、△同飛▲2二角成△同銀▲6五角△5三飛▲8三角成△8八歩!(B図)
が一例で後手十分。
③▲6六歩は、△5五角▲1八飛△5七歩成▲同銀△5六歩▲4六銀△同角▲同歩
△5七歩成(C図)で分岐し、
 (a)▲7八玉△2七銀(C-a図)で飛車捕獲。
 (b)▲7七玉△5六飛▲6五角△4六飛▲4七歩△4五飛(C-b図)が巧妙で、
 歩切れの為△2五飛に対する受けが無いので後手良し。




これらが一例で、テーマ図1の△6二玉を通して▲7八玉では△3三角と受けられて
通常の▲3七銀急戦になってしまいます。

これでは超速攻型が成立しなくなるので、必然と▲2四歩から仕掛ける事になります。

この流れは▲5八金右超急戦と似ていますよね。^^

ここでは、テーマ図1から▲2四歩の進行を「超力戦」と呼びたいと思います。^-^

さて、この超力戦ですが現在実戦例は4局あるそうで、私の把握しているのは

①2010.2.2 C級2組順位戦 ▲中村太地四段vs△阪口悟五段
②2010.9.21 C級2組順位戦 ▲上野裕和五段vs△村田顕弘四段
③2010.11.2 C級1組順位戦 ▲佐々木慎五段vs△中田功七段

初登場の①が私の誕生日であるのが個人的に縁を感じています。^^

それでは早速、最新の攻防を追って行きたいと思います。

テーマ図1からの指し手
▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩▲6六歩(第1図)



◇角交換を拒否

▲2四歩と仕掛ければ、後手も△5六歩から反発するのは当然の事。

△5六歩の一手で飛角が躍動する事が、こういった激しい変化の引き金となっていそうです。

▲6六歩は大事なところで、▲5六同歩は△8八角成から△3五角や△3三角で後手優勢
ですし、▲2三飛成も△8八角成~△2二飛の総交換になってしまいます。

第1図からの指し手
△1四歩▲4六歩△5七歩成▲同銀△5六歩▲4八銀△1三角▲2一飛成△4六角
▲7八玉△5七歩成(第2図)



◇一方的に見えるが…

第1図から先に△5七歩成を決める指し方もありますが、▲同銀△5六歩▲4六銀(D図)
という余計な選択肢を先手に与える事になるのでオススメしません。



興味のある方は実戦例②を参考にして下さい。

本譜の進行は変化を最小限に抑えた進行で、
第2図は後手が一方的に見えますがそうではありません。

ここで先手に狙いの反撃があります。

第2図からの指し手
▲4二歩(第3図)



◇軽手▲4二歩

この▲4二歩が先手期待の反撃で、金銀どちらで取る事も出来ないのを確認してください。

△4二同飛は▲5四桂でジ・エンド。

さて、後手困ったようですが、実戦例③で後手に新手が出ます。

第3図からの指し手
△3二銀▲2六龍5六飛!(第4図=新手)



◇華麗なる新手△5六飛

実戦例①では、△3二銀▲2六龍△3五角▲同龍△同歩▲4一歩成△同銀▲6五歩(E図)
となり、先手玉が一気に安泰となってしまいした。



しかし、△3五角に代えて△5六飛(第4図)が中田功七段考案の新手で後手がやれそうです。

実戦は以下、▲3八桂に△3五角がまずく後手が負けてしまいましたが、
控え室の棋士による検討では、△4八と(F図)として

(a)▲4八同金は、△7九角成▲同角△2六飛(F-a図)
(b)▲4六龍は、△同飛▲同桂△4七飛(F-b図)で、後手がやれると言われていた様です。



今後はこの中田(功)新手をもっと掘下げて後手有利になれば、
テーマ図1の△6二玉が成立するので超速攻型を根底から覆す事ができます。

今後の新研究に期待しましょう。^-^

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さて、これとは別に私は別の構想を模索しています。

居玉型であれば第3図の▲4二歩自体が無いと言う考えです。

それがテーマ図2です。



この山木流が成立するかは現在研究中なので、まとまり次第記事にしたいと思います。^-^




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ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策4】

2010年05月15日 23時27分41秒 | 超速対策その他
久々の更新になりますね。^-^

しばらく仕事が忙しく、研究に時間を割く余裕がありませんでした。

その間、名人戦も3局を消化し、羽生善治名人が3連勝で防衛を濃厚にしていますね。

第4局は羽生名人の先手なので、ゴキゲン中飛車は出現しなさそうですが、
ここで三浦弘行八段が持ち堪えて第5局まで行けば見られるのではないかと期待しています。^-^

さて、振り飛車党の話題としては、室田伊緒女流初段が絶好調のようですね。

今年度の勝敗を表にまとめてみました。

対局日棋戦後手勝敗
4/23女流名人戦B級井道千尋勝ち
4/29岡崎将棋まつり鈴木環那勝ち
矢内理絵子勝ち
5/7女流名人戦B級貞升南勝ち
5/12女流王将戦野田澤彩乃勝ち


岡崎将棋まつり女流棋士トーナメントでは、矢内前女王を四間飛車で倒して優勝したそうです。^-^

この時の活躍は、週間将棋5/12号に載っているので興味がある方はこちらを参照して下さい。

最近は角道を止める振り飛車は居飛穴に劣勢なだけに、この活躍は大きいですね。

永瀬拓矢四段も三間飛車で頑張っていますし、この調子で行ってもらいたいです。^-^

ついでに、ここ最近活躍の著しい純粋振り飛車党の愛用戦法をまとめてみました。

棋士名先手後手主な活躍
久保利明石田流・先手中飛車ゴキゲン中飛車王将奪取・棋王防衛
戸辺誠石田流・先手中飛車ゴキゲン中飛車王位戦挑決リーグ入り、現在3勝1敗(羽生撃破!!)&B級2組昇級
高崎一生石田流・向かい飛車ゴキゲン中飛車王位戦挑決リーグ入り&C級1組昇級
阪口悟石田流・先手中飛車ゴキゲン中飛車王座戦挑決トーナメント入出場&森内撃破!!
遠山雄亮石田流・先手中飛車ゴキゲン中飛車棋聖戦本線出場
里見香奈石田流・先手中飛車ゴキゲン中飛車女流名人・倉敷藤花
甲斐智美先手中飛車ゴキゲン中飛車女王奪取・女流王位戦挑戦&先勝
室田伊緒四間飛車四間飛車岡崎将棋まつり女流棋士トーナメント優勝


やはり、先手では▲7六歩△3四歩▲7五歩の石田流と、▲7六歩△8四歩▲5六歩の
先手中飛車(向かい飛車)、後手ではゴキゲン中飛車を採用する棋士が多いですね。

特に、女流は5つのタイトルのうち3つを振り飛車党が占めています。

後手番はやはり、ゴキゲン中飛車の恩恵が大きいですね。^^

始祖・近藤正和六段は神様です。^-^

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さて、前回に引き続きゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦・超速攻の攻防を見ていきます。

今回も、テーマ図22の浮き飛車から銀を足止めする「山木定跡」の研究を載せたいと思います。

テーマ図22から△5三銀の第1図に、▲3七桂は新手筋で後手が良くなる事は解説しましたね。



ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策2】参照)

そこで、▲5八金右から上部を厚くして対抗する構想できた場合の対処法を紹介します。

ここでもやはり、右銀をいじめるのが急所になります。

第1図からの指し手
▲5八金右△5四銀▲6六歩△4四歩(第2図)



◇玉頭目指して進撃

▲5八金右には△5四銀とドリブルして、▲6六歩を強要するのが良いでしょう。

ここで、▲3五歩と攻めて来るのは△同歩▲同銀△6五銀(A図)が、飛車の横利きを通しながら
玉頭攻めを見て味が良過ぎるので無理でしょう。



▲6六歩と止められては、玉頭攻めは無理なので、銀頭へと目標を切り替えます。

第2図では

①▲3五歩の仕掛け
②玉頭を守る▲6七金

の2通りの指し手が考えられます。

まずは、①▲3五歩の仕掛けの成否を探りましょう。

第2図からの指し手①
▲3五歩△4五歩▲3四歩△4二角▲3五銀△4三銀(第3図)
▲3八飛△8二玉▲6七金△7二銀▲6五歩△5三角▲6六銀
△3五角▲同飛△3四飛▲同飛△同銀(第4図)



◇先手の攻めが軽い

▲3五歩は取らずに△4五歩と突き返すのが良い。

▲3四歩と取り込まれて苦しい様ですがそうではありません。

△4二角と引いて▲3五銀に△4三銀(第3図)が柔らかい手で飛車が働いてきます。

△6四角も良さそうですが、▲2六飛と浮かれてあまり成果は上がりません。

△5六歩に▲4六歩の受けが用意されているのが大きいのです。

また、▲3五銀では▲3七銀が最善かもしれません。

以下、△4三銀▲3六銀△3四飛▲3五歩△4四飛(B図)は、互角に思います。



第3図からは▲3八飛以下、上手く行き過ぎかもしれませんが他に良い手がある様に思えません。

次は②▲6七金を掘り下げます。

第2図からの指し手②
▲6七金△4五歩▲3七銀△8二玉▲7九角△7二銀▲8八玉△6四歩(途中図)
▲7八金△6五歩▲同歩△同銀▲6六歩△5四銀▲9八香(第5図)



◇角筋を活かす

▲6七金の持久戦には、△4五歩と右銀を追い払うのが良いでしょう。

これで2手損させる事ができたので、浮き飛車に構える為に2手掛けたのが相殺されます。

そうしてから後手は玉を美濃囲いに収めます。

相穴熊を志向するのは少し危険で、△7二銀に替えて△9二香だと▲8六銀△4三銀▲7五銀
△5四飛▲6五歩△5六歩▲6六銀△5七歩成▲同角(C図)となり、不満です。



先手の▲8八玉を見届けたら、△6四歩(途中図)と突くのがタイミングです。

ここでは流石に▲8六銀とは上がれません。

つまり、角道が直射している為△6五歩~△5六歩が激痛です。

△4五歩と位を取ったのが活きています。

△6五歩は放置されても△6四飛と寄れば▲6五歩△同銀▲6六歩以下、
本譜の進行に合流するでしょう。

▲9八香で穴熊への組替えが見えてきました。

第5図らの指し手
△6四飛▲9九玉△7四歩▲8八角△7三桂▲2六銀△4四角▲3五歩△5二金左▲3七銀
△5六歩▲同歩△8五桂▲8六銀△6五歩▲8五銀△6六歩▲7七金寄△6五銀(第6図)



◇模様が良く振り飛車良し

後手は右四間の構えから仕掛けを伺いつつ、自陣を整備します。

これ以上先手は堅くならないのに対し、後手は銀冠への組替えや端歩を突く等やりたい事が多い。

そこで、先手は▲2六銀から棒銀を目指してきます。

ここで焦りは禁物。

△4四角と一度受けるのが良いでしょう。

▲1五銀は△3三角ともう一度引いて千日手にしてもいいですし、焦土戦術で△5二金左と
2筋放棄から△8五桂の総攻撃で後手が良いでしょう。

これは攻めている場所が違いすぎます。

▲3五歩に△同歩なら▲3八飛で攻めに勢いが付きますが、ここは手抜くのが振り飛車らしい。

△5二金左で将来の▲5三桂が無くなり、一安心。

▲3七銀は飛車先を軽くする手筋ですが、もう後手の攻撃陣は理想形。

あとは溜めに溜めた力を解放するだけです。

手始めに単騎の△8五桂。

以下は一例ですが、△5六歩から角筋を通すのを忘れずに。

あとは6六の地点を目標に攻め倒すだけです。

今回は以上です。

これにて山木定跡の▲7七銀型(テーマ図22)は一応の完結となります。

実戦や研究で面白い変化が出たらまた取り上げたいと思います。

次からは▲7七金型(テーマ図23)を研究していきます。



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次回の更新内容はまだ決めていませんが、丸山ワクチンはまだ一度も扱っていませんし、
二枚銀急戦も中途半端ですね。

最近は相穴熊が研究対象ですが、どれにするかは気分次第です。^^;

要望などありましたら、気軽にコメント下さい。^-^


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ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策3】

2010年04月27日 00時36分46秒 | 超速対策その他
変わりゆく現代将棋は素晴らしいですね。^-^

変わりゆく現代将棋 上
変わりゆく現代将棋 下



まだ、読み始めたばかりなのですが、序盤の駆け引きが良く伝わってきます。

藤井猛九段の矢倉早囲いに現れる工夫や、渡辺明竜王が3連敗4連勝のシリーズで見せた
5筋交換型急戦矢倉の新手が、どの様な歴史を辿って結び付いたのかわかります。

この本は、プロの思考に触れる良い教材だと私は感じました。

居飛車党、振り飛車党問わず一読の価値がある良書です。^-^

また、この本は急戦矢倉の分野で右に出でるものが無い出来です。

私は、今では絶版となり中古で高く売られている現代矢倉の思想を以前購入したのですが、
この変わりゆく現代将棋上下と矢倉の急所で事足りたなと感じています。



これから矢倉を指す人は、変わりゆく現代将棋で急戦矢倉を、
矢倉の急所で▲4六銀・▲3七桂型を学ぶと良いと思います。^-^

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さて、今回は▲3七銀急戦超速攻の研究を載せたいと思います。

以前、ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策】の記事において、
下図で▲5四同銀は△同銀▲1一角成△3三角▲同馬△同桂以下、後手が良いと書いたのですが、
BONANZA 3.0 Commercial Editionを相手に指すと、どうも分が悪い様です。



そこで、今回はもっと前で変化する順を研究したので披露したいと思います。

いつもの様に、おかしいと思う変化があれば指摘頂けると幸いです。^-^



テーマ図22からの指し手
△5三銀(第1図)
▲3五歩△同歩▲同銀△4二角(テーマ図28)



◇角を事前に退避

相手の▲3五歩を△同歩と取ると、先手の銀に勢いが付きますがこの勢いを利用して
カウンターを狙います。

△4二角と事前に当たりを避けるのが第一歩で、これが今回のテーマ。

次に△4四銀とぶつけた時に▲3四銀と潜り込まれるのを防いでいます。

先手もゆっくりしていると、△3二金や△4四銀で攻めが頓挫してしまうので
ここから激しく攻め立てます。

テーマ図28からの指し手
▲2四歩△4四銀▲4六銀△2四角▲2二歩△3三桂▲2一歩成△4五銀
▲5五銀(第2図)



◇手に乗って駒を前進させる

先手は勢い▲2四歩として突破を図ります。

ここで△4四銀が狙いの反撃で、5段目に進出してきた銀と交換を迫ります。

もし、▲4四同銀ならば△同飛(A図)で後手が一方的に捌ける展開になるでしょう。



したがって、▲4六銀と引くのは仕方の無いところです。

ここで、△2四角に代えて△2四歩も考えられますが、後の展開を見てもらえばわかる様に
角で取って攻め味を見せないと香車を取られてジリ貧になります。

相手の▲2二歩に乗じて△3三桂~△4五銀と活用して第2図。

香車をとられる前に一働きしたいところですが色々な手が考えられますね。

①△5七角成
②△5六歩
③△3六歩

を順番に見て行こうと思います。

第2図からの指し手①
△5七角成▲2三飛成△5六銀▲5八金右△4五桂▲1一と△2四飛▲同龍△同馬
▲2二飛△4二馬(第3図)



◇激しい攻め合い

△5七角成は▲2三飛成を許すので激しい展開になりますが、△5六銀~△4五桂と
中央に殺到して圧力を掛ける事が出来ます。

馬取りを無視した△4五桂が好手で、桂馬が捌けた事により△2四飛から飛車交換を
迫った時に、▲2二飛の王手馬取りに△4二馬の受けを用意しています。

第2図以下は、▲6六銀上△3八飛▲2七飛成△3七歩▲5四銀△2六歩▲3八龍
△同歩成(B図)の展開が考えられますが、後手が十分と言えるでしょう。



第2図からの指し手②
△5六歩▲同歩△同銀▲1一と△4五桂▲5八歩△3六歩▲4六銀△3七歩成▲同桂
△同桂成▲同銀△5五桂▲6八銀△3六歩▲4八銀(第4図)



◇好んで選ぶ変化では無い

△5七角成は飛車成を許すので怖い変化ではあります。

そこで、角は動かさずに飛車の動きを制限し、攻めは△5六歩~△同銀~△4五桂と
中央へ集結するのも有力そうに思えます。

しかし、▲5八歩と控えて打たれてみると後続が難しい。

飛車が窮屈なのを突いて△3六歩と切り替えますが、▲4六銀が良く受けに利いています。

3筋から清算して△5五桂~△3六歩は勝負手で、▲同銀だと△7六飛▲7七歩△6七桂成
▲同銀△同銀成▲同玉△3六飛(C図)で捌けますが、▲4八銀で攻めが切れています。



②△5六歩は、後に▲5八歩と控えて打つ手が生じる為、後手が好んで選ぶ変化では
無いようです。

第2図からの指し手③
△3六歩▲1一と△3七歩成▲同桂△3六歩▲4五桂△同桂▲4六銀△3七歩成▲2五飛
△3三桂▲2六飛△4七と(第5図)



◇曲線的な変化

△3六歩は一見ぼんやりとした手ですが、▲3八歩と受けると①△5七角成と同じ進行を
辿ったときに、(D図)▲6六銀上△5七歩▲6八金寄△4七銀成(E図)となり、
今度は▲3八歩が壁となり▲2八飛成と受ける手が無く、後手が一方的に得をしています。



また、▲6八金寄に代えて▲4八金は△3九飛(F図)が厳しく後手良しでしょう。



以下、▲5九歩△2四歩で桂香を拾う展開となって分がある戦いでしょう。

そこで、▲3八歩は利かないので▲1一とですが、△3七歩成~△3六歩と
執拗に飛車のコビンを攻めます。

▲4五桂で銀は取られますが、損はすぐに取り返せるので大丈夫。

△同桂となると左桂が捌けて好調です。

▲4六銀△3七歩成▲2五飛に、△3三桂はもったいない様ですが、この局面では
△4七とを何とか実現させれば後手が良くなるので投資するべきです。

第5図はと金が大きく後手が良いでしょう。

以上が、修正案になります。

以前よりもしっかりとした対策になっていると思いますがどうでしょうか。^-^

次回も▲3七銀急戦超速攻の研究を載せたいと思います。



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ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策2】

2010年04月13日 21時51分19秒 | 超速対策その他
ついに我が家のインターネット回線工事が終了しました。^-^

これでリアルタイムに皆様のコメントに返事を書く事が出来ます。^^

引越しをしてからはネットカフェを利用していたので、すぐに更新する事も返事をする事も
できませんでした。

これまですぐに返事を書けず申し訳ございませんでした。

これからも変わらぬご声援をよろしくお願い申し上げます。^-^


ところで、天下一将棋会というゲームを以前紹介したのを覚えていますでしょうか。

私もたまにゲームセンターでやっていたのですが、先日ついに極位に昇格する事が
出来ました。^-^

その時の将棋から次の一手を出題したいと思います。



ここで必殺の寄せがあるので考えてみて下さい。

部分図で簡単だと思いますのでノーヒントです。

解答は最後まで記事を見てからのお楽しみ。^-^

**********************************************************************

では、今回は予告通り▲3七銀急戦超速攻対策の続きを紹介します。(テーマ図21・22)



この対策は私が独自に考案したもので、まだプロの実戦にも登場していないはずです。

これを完成させたら私の名前を付けて「山木定跡」としたいと思っています。^-^

この新手を完成させるためにはまだまだ実戦例が不足しています。

この記事を見て面白いと思った方は、ぜひ実戦で試して下さい。

ここに載っていない変化を指されたらコメントを頂けるとありがたいです。^^

共にこの定跡を完成させませんか?^-^


さて、以前記事にしたゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策1】において
補足する点が2箇所ありました。

まず、前々回の途中図で▲4五銀の仕掛けは解説しましたが▲3五歩対策が抜けていました。



これも気になるところだと思いますので、早速見ていきましょう。

前々回途中図からの指し手
▲3五歩△同歩▲同銀△5六歩(i図)▲同歩△8八角成▲同銀△5六飛(ii図)
▲4六銀△同飛▲同歩△5五角▲6六飛△6五銀▲5七玉△6六銀▲同歩(iii図)



◇6八玉型の弊害

このタイミングであれば、▲3五歩に△同歩と取る手が成立しています。

つまり、▲同銀に△5六歩(i図)を手抜く事が出来ないので捌きを許してしまいます。

例えば、▲3三角成としようものなら、すかさず△5七歩成が王手の先手になります。

従って、▲5六同歩の一手ですが、角交換から△5六飛(ii図)の局面は
△5五角と△5七角の両狙いが厳しく、同時に受けるには▲4六銀の一手になります。

しかし、ばっさり△4六同飛~△5五角が、銀取りと△4六角の王手飛車となっており
ここも同時に受けるには▲6六飛のみとなります。

以下、△6五銀から飛車を取り返して(iii図)は駒が捌け、先手の陣形も大きく乱して
後手が指せるでしょう。


もう1つの補足は、前々回第3図からの指し手①の変化で、後手有利と書いたのですが
アマ高段者さんにコメント欄でご指摘頂いた変化でどうもゴキゲン側が苦しいようです。

つまり、前々回第3図から▲6六銀△4四銀▲3八飛△6二角▲3四歩(iv図)です。



普段居飛車は持たないので、この手は思い付きませんでした。
アマ高段者さん、ご指摘ありがとうございました。^-^

今回は代替案を考えてきましたので紹介しようと思います。

前々回第3図の指し手③
▲6六銀△4四歩(v図)▲1六歩△1四歩▲2六飛△5二金左▲3七桂△4三金(vi図)



◇がっちり受け止めて持久戦に

▲6六銀に△4四歩(v図)が改善点。

ここはしっかり受けて第2次駒組みに移るのが上策です。

△5三銀・△4三金型は鉄壁で、先手もこれでは仕掛けをあきらめざるを得ません。

お互い動きにくいので、必然と陣形は決まってきます。

vi図からの指し手
▲5八金右△9二香▲7七銀△9一玉▲6六歩△8二銀▲6七金△7四歩▲7九角
△6四銀▲8八玉△7五歩▲同歩△同銀▲9八香△7二飛▲7六歩△8四銀(vii図)
▲7八金△7一金▲9九玉△9四歩▲5六歩△9五歩▲8八角△2二飛(viii図)



◇端は受けられない

すぐに動くのは難しいので、相穴熊となる事は大いにありえるでしょう。

ここでのポイントは、穴熊のハッチを閉めたら△6四銀~△7五歩と仕掛ける事で、
一歩持てば動きやすくなります。

△7二飛の応援に▲9九玉ならすかさず△7六歩▲6八銀(ix図)
で玉頭制圧です。



後手の△9四歩に▲9六歩とは受けにくく、将来△9五歩▲同歩△同銀(参考図)の
仕掛けが生じます。



viii図で先手は指す手が無く、こちらは後手番なので千日手に持ち込んでも良いですし、
△7三角~△4五歩の要領で打開しても良いでしょう。

補足は以上になります。

それでは、本題のテーマ図22からの持久戦を解説しようと思います。



テーマ図22からの指し手
△5三銀(第1図)
▲3七桂△5四銀▲6六歩△4四歩(第2図)



◇銀のドリブル

第1図はゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策1】と同じ局面です。

まずは、力を蓄えて▲3七桂と活用する将棋から見て行きます。

この手は放置すると両取りなので△5四銀とドリブルします。

ここで▲3五歩が見えますが、桂馬を跳ねているので△同歩▲同銀△3六歩で失敗です。

しかし、ここから無条件に△5四銀~△6五銀のドリブル突破をされては苦しくなるので、
角道を二重に止める事になるものの、▲6六歩は仕方ありません。

△4四歩は角道を止めて冴えない様ですが、先手が不用意な手を指すと恐ろしい狙いを
秘めています。


第2図からの指し手①
▲9六歩△4五歩!(第3図)



◇いきなり開戦

ここは端歩の打診も考えられるところで、とても自然な手でしょう。

しかし、それには△4五歩!といきなり開戦します。

ここで先手には①▲4五同銀と②▲4五同桂の応手が考えられます。

果たしてこんな単純な仕掛けが成立するのか。

第3図からの指し手①
▲4五同銀△1五角▲2七飛△3七角成!▲同飛△4五銀▲2二角△5六歩(第4図)



◇角切りの強襲

①▲4五同銀には△1五角が好手。

ここで例えば▲3八金と受けるのは△4五銀▲同桂△3七銀(A図)があります。



▲2七飛は恐らく最善ですが、△3七角成!~△4五銀が強手で二枚換えに成功です。

以下、▲2二角には△5六歩と突き出す味が良く、

①▲5八金右は△5七歩成▲同金△4八銀(B図)ですし、
②▲5六同歩は△同銀▲5八金右△4五桂(C図)で攻めが切れません。



仮に▲2二角に代えて

①▲5八金右でも△5六歩▲同歩△同銀▲5七歩△4五桂(D図)ですし、
②▲3八飛も△5六歩(a)▲4八金△5五桂▲5八金左△5七歩成▲同金直△5六銀打
▲5八金引△5七歩(E図)または、
(b)▲5八金左も△5五桂▲4八金上で(a)に合流して後手優勢です。



E図以下は、▲5九金△6七銀成▲6九玉△5六銀(F図)の要領です。



①▲4五同銀は後手優勢ですので、次は②▲4五同桂の変化に移ります。

第3図からの指し手②
▲4五同桂△同銀!▲同銀△5三桂!(第5図)



◇新手法!「△5三桂」

▲4五同桂には△同銀!~△5三桂!が私の考案した新手法です。

脱線しますが、以前書いたゴキゲン中飛車▲3七銀急戦(郷田流)対策【新構想!?】
記事にて下図(途中図)の△5五同飛!の強手を紹介しましたが、
その時はあまり評価されませんでしたね。

しかし、NHK杯テレビ将棋トーナメント準決勝の舞台で、後手番の羽生善治三冠が
丸山忠久九段の▲3七銀急戦・超速攻を相手に指していました。(参考図2)



羽生名人がこの記事を存じていたとは思いませんが、現名人の将棋でこの仕掛けが
出現したのはうれしかったです。

この△4五同銀!~△5三桂!の新手法もすぐには評価されないかも知れませんが、
いつかプロの実戦に出現する事を願っています。^-^

さて、あまり脱線しすぎると新手法の印象が薄れてしまいそうなので話を戻します。

第5図では①▲4四銀打と②▲7五銀の候補手が挙げられます。

順を追って見て行きましょう。

第5図からの指し手①
▲4四銀打△同角▲同銀△同飛▲5八金右△3二金(第6図)



◇角との二枚換えは後手良し

①▲4四銀打は△5三桂を狙った手ですが、△同角から二枚換えで後手良しは明らか。

しかし、これは先手が▲5八金右型でないから成立するので注意が必要です。

本譜▲5八金右で▲2二角は、△4七飛成▲3八金△5七龍▲6八銀△4六龍(G図)
として、次に盤上の桂を活用する△4五桂の味が良く後手良しでしょう。



第6図からは一例で、▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2七飛△4五桂(H図)とすれば、
次の△3八銀が厳しく後手が指しやすい展開だと思います。



第5図からの指し手②
▲7五銀△4五桂▲7四銀△3七桂成▲4三飛△5二金左▲4一飛成△7四歩▲6八飛
△5六歩▲同歩△5七銀▲6七飛△4八銀成(第7図)



◇飛車との二枚換えも後手良し

②▲7五銀は先程の端歩が活きて後手の飛車が死んでいますが、
恐れず△4五桂~△3七桂成と突破するのが肝心。

△3七桂成で△7四歩と手を戻しては▲4三飛(I図)の金桂両取りでおかしくなります。



桂を抜かれない為にも先に△3七桂成を決めるのです。

ここで▲4三飛が先手待望の反撃ですが、△5二金左が落ち着いた受けです。

△5二銀と打てば飛車成も防げそうですが、▲6三銀成(J図)でまずい事になります。



以下、△同銀▲4一飛成△2八成桂▲2一龍(K図)は駒得も無くなり成桂がそっぽに
行ってしまっているので損していると言えます。



本譜▲6八飛で▲1八飛は△2七銀▲6八飛△3六銀成(L図)と手順に攻め駒が増えて
後手の歓迎するところでしょう。



細かく手を繋いだ第7図は後手持ちの形勢だと思います。

内容が盛り沢山になってきたので、今回はここまでとします。

続きは次回以降に解説します。^-^

**********************************************************************

では、冒頭の次の一手の解答です。

正解手:▲1二香(解答図)



正解手の▲1二香は▲1一龍までの詰めろとなっており、

①△同玉は▲2一銀△2二玉▲3二銀成から尻金で詰み。
②△同香は▲1一銀で詰み。

従って、自玉に即詰みが無い先手の勝ちとなります。

皆様わかりましたか?^-^

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