ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策2】

2010年04月13日 21時51分19秒 | 超速対策その他
ついに我が家のインターネット回線工事が終了しました。^-^

これでリアルタイムに皆様のコメントに返事を書く事が出来ます。^^

引越しをしてからはネットカフェを利用していたので、すぐに更新する事も返事をする事も
できませんでした。

これまですぐに返事を書けず申し訳ございませんでした。

これからも変わらぬご声援をよろしくお願い申し上げます。^-^


ところで、天下一将棋会というゲームを以前紹介したのを覚えていますでしょうか。

私もたまにゲームセンターでやっていたのですが、先日ついに極位に昇格する事が
出来ました。^-^

その時の将棋から次の一手を出題したいと思います。



ここで必殺の寄せがあるので考えてみて下さい。

部分図で簡単だと思いますのでノーヒントです。

解答は最後まで記事を見てからのお楽しみ。^-^

**********************************************************************

では、今回は予告通り▲3七銀急戦超速攻対策の続きを紹介します。(テーマ図21・22)



この対策は私が独自に考案したもので、まだプロの実戦にも登場していないはずです。

これを完成させたら私の名前を付けて「山木定跡」としたいと思っています。^-^

この新手を完成させるためにはまだまだ実戦例が不足しています。

この記事を見て面白いと思った方は、ぜひ実戦で試して下さい。

ここに載っていない変化を指されたらコメントを頂けるとありがたいです。^^

共にこの定跡を完成させませんか?^-^


さて、以前記事にしたゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策1】において
補足する点が2箇所ありました。

まず、前々回の途中図で▲4五銀の仕掛けは解説しましたが▲3五歩対策が抜けていました。



これも気になるところだと思いますので、早速見ていきましょう。

前々回途中図からの指し手
▲3五歩△同歩▲同銀△5六歩(i図)▲同歩△8八角成▲同銀△5六飛(ii図)
▲4六銀△同飛▲同歩△5五角▲6六飛△6五銀▲5七玉△6六銀▲同歩(iii図)



◇6八玉型の弊害

このタイミングであれば、▲3五歩に△同歩と取る手が成立しています。

つまり、▲同銀に△5六歩(i図)を手抜く事が出来ないので捌きを許してしまいます。

例えば、▲3三角成としようものなら、すかさず△5七歩成が王手の先手になります。

従って、▲5六同歩の一手ですが、角交換から△5六飛(ii図)の局面は
△5五角と△5七角の両狙いが厳しく、同時に受けるには▲4六銀の一手になります。

しかし、ばっさり△4六同飛~△5五角が、銀取りと△4六角の王手飛車となっており
ここも同時に受けるには▲6六飛のみとなります。

以下、△6五銀から飛車を取り返して(iii図)は駒が捌け、先手の陣形も大きく乱して
後手が指せるでしょう。


もう1つの補足は、前々回第3図からの指し手①の変化で、後手有利と書いたのですが
アマ高段者さんにコメント欄でご指摘頂いた変化でどうもゴキゲン側が苦しいようです。

つまり、前々回第3図から▲6六銀△4四銀▲3八飛△6二角▲3四歩(iv図)です。



普段居飛車は持たないので、この手は思い付きませんでした。
アマ高段者さん、ご指摘ありがとうございました。^-^

今回は代替案を考えてきましたので紹介しようと思います。

前々回第3図の指し手③
▲6六銀△4四歩(v図)▲1六歩△1四歩▲2六飛△5二金左▲3七桂△4三金(vi図)



◇がっちり受け止めて持久戦に

▲6六銀に△4四歩(v図)が改善点。

ここはしっかり受けて第2次駒組みに移るのが上策です。

△5三銀・△4三金型は鉄壁で、先手もこれでは仕掛けをあきらめざるを得ません。

お互い動きにくいので、必然と陣形は決まってきます。

vi図からの指し手
▲5八金右△9二香▲7七銀△9一玉▲6六歩△8二銀▲6七金△7四歩▲7九角
△6四銀▲8八玉△7五歩▲同歩△同銀▲9八香△7二飛▲7六歩△8四銀(vii図)
▲7八金△7一金▲9九玉△9四歩▲5六歩△9五歩▲8八角△2二飛(viii図)



◇端は受けられない

すぐに動くのは難しいので、相穴熊となる事は大いにありえるでしょう。

ここでのポイントは、穴熊のハッチを閉めたら△6四銀~△7五歩と仕掛ける事で、
一歩持てば動きやすくなります。

△7二飛の応援に▲9九玉ならすかさず△7六歩▲6八銀(ix図)
で玉頭制圧です。



後手の△9四歩に▲9六歩とは受けにくく、将来△9五歩▲同歩△同銀(参考図)の
仕掛けが生じます。



viii図で先手は指す手が無く、こちらは後手番なので千日手に持ち込んでも良いですし、
△7三角~△4五歩の要領で打開しても良いでしょう。

補足は以上になります。

それでは、本題のテーマ図22からの持久戦を解説しようと思います。



テーマ図22からの指し手
△5三銀(第1図)
▲3七桂△5四銀▲6六歩△4四歩(第2図)



◇銀のドリブル

第1図はゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策1】と同じ局面です。

まずは、力を蓄えて▲3七桂と活用する将棋から見て行きます。

この手は放置すると両取りなので△5四銀とドリブルします。

ここで▲3五歩が見えますが、桂馬を跳ねているので△同歩▲同銀△3六歩で失敗です。

しかし、ここから無条件に△5四銀~△6五銀のドリブル突破をされては苦しくなるので、
角道を二重に止める事になるものの、▲6六歩は仕方ありません。

△4四歩は角道を止めて冴えない様ですが、先手が不用意な手を指すと恐ろしい狙いを
秘めています。


第2図からの指し手①
▲9六歩△4五歩!(第3図)



◇いきなり開戦

ここは端歩の打診も考えられるところで、とても自然な手でしょう。

しかし、それには△4五歩!といきなり開戦します。

ここで先手には①▲4五同銀と②▲4五同桂の応手が考えられます。

果たしてこんな単純な仕掛けが成立するのか。

第3図からの指し手①
▲4五同銀△1五角▲2七飛△3七角成!▲同飛△4五銀▲2二角△5六歩(第4図)



◇角切りの強襲

①▲4五同銀には△1五角が好手。

ここで例えば▲3八金と受けるのは△4五銀▲同桂△3七銀(A図)があります。



▲2七飛は恐らく最善ですが、△3七角成!~△4五銀が強手で二枚換えに成功です。

以下、▲2二角には△5六歩と突き出す味が良く、

①▲5八金右は△5七歩成▲同金△4八銀(B図)ですし、
②▲5六同歩は△同銀▲5八金右△4五桂(C図)で攻めが切れません。



仮に▲2二角に代えて

①▲5八金右でも△5六歩▲同歩△同銀▲5七歩△4五桂(D図)ですし、
②▲3八飛も△5六歩(a)▲4八金△5五桂▲5八金左△5七歩成▲同金直△5六銀打
▲5八金引△5七歩(E図)または、
(b)▲5八金左も△5五桂▲4八金上で(a)に合流して後手優勢です。



E図以下は、▲5九金△6七銀成▲6九玉△5六銀(F図)の要領です。



①▲4五同銀は後手優勢ですので、次は②▲4五同桂の変化に移ります。

第3図からの指し手②
▲4五同桂△同銀!▲同銀△5三桂!(第5図)



◇新手法!「△5三桂」

▲4五同桂には△同銀!~△5三桂!が私の考案した新手法です。

脱線しますが、以前書いたゴキゲン中飛車▲3七銀急戦(郷田流)対策【新構想!?】
記事にて下図(途中図)の△5五同飛!の強手を紹介しましたが、
その時はあまり評価されませんでしたね。

しかし、NHK杯テレビ将棋トーナメント準決勝の舞台で、後手番の羽生善治三冠が
丸山忠久九段の▲3七銀急戦・超速攻を相手に指していました。(参考図2)



羽生名人がこの記事を存じていたとは思いませんが、現名人の将棋でこの仕掛けが
出現したのはうれしかったです。

この△4五同銀!~△5三桂!の新手法もすぐには評価されないかも知れませんが、
いつかプロの実戦に出現する事を願っています。^-^

さて、あまり脱線しすぎると新手法の印象が薄れてしまいそうなので話を戻します。

第5図では①▲4四銀打と②▲7五銀の候補手が挙げられます。

順を追って見て行きましょう。

第5図からの指し手①
▲4四銀打△同角▲同銀△同飛▲5八金右△3二金(第6図)



◇角との二枚換えは後手良し

①▲4四銀打は△5三桂を狙った手ですが、△同角から二枚換えで後手良しは明らか。

しかし、これは先手が▲5八金右型でないから成立するので注意が必要です。

本譜▲5八金右で▲2二角は、△4七飛成▲3八金△5七龍▲6八銀△4六龍(G図)
として、次に盤上の桂を活用する△4五桂の味が良く後手良しでしょう。



第6図からは一例で、▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2七飛△4五桂(H図)とすれば、
次の△3八銀が厳しく後手が指しやすい展開だと思います。



第5図からの指し手②
▲7五銀△4五桂▲7四銀△3七桂成▲4三飛△5二金左▲4一飛成△7四歩▲6八飛
△5六歩▲同歩△5七銀▲6七飛△4八銀成(第7図)



◇飛車との二枚換えも後手良し

②▲7五銀は先程の端歩が活きて後手の飛車が死んでいますが、
恐れず△4五桂~△3七桂成と突破するのが肝心。

△3七桂成で△7四歩と手を戻しては▲4三飛(I図)の金桂両取りでおかしくなります。



桂を抜かれない為にも先に△3七桂成を決めるのです。

ここで▲4三飛が先手待望の反撃ですが、△5二金左が落ち着いた受けです。

△5二銀と打てば飛車成も防げそうですが、▲6三銀成(J図)でまずい事になります。



以下、△同銀▲4一飛成△2八成桂▲2一龍(K図)は駒得も無くなり成桂がそっぽに
行ってしまっているので損していると言えます。



本譜▲6八飛で▲1八飛は△2七銀▲6八飛△3六銀成(L図)と手順に攻め駒が増えて
後手の歓迎するところでしょう。



細かく手を繋いだ第7図は後手持ちの形勢だと思います。

内容が盛り沢山になってきたので、今回はここまでとします。

続きは次回以降に解説します。^-^

**********************************************************************

では、冒頭の次の一手の解答です。

正解手:▲1二香(解答図)



正解手の▲1二香は▲1一龍までの詰めろとなっており、

①△同玉は▲2一銀△2二玉▲3二銀成から尻金で詰み。
②△同香は▲1一銀で詰み。

従って、自玉に即詰みが無い先手の勝ちとなります。

皆様わかりましたか?^-^

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5 コメント

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v図 (アキ・アキ(前アマ高段者でコメントしました))
2010-04-16 17:12:08
厳密には先手が歩得しているので
先手がよさそうですね
v図以下
▲3八飛
△5二金左
▲3四歩
△4三金
▲3五銀
△9二香
▲5八金右
△9一玉
▲7九角
△8二銀
▲8八玉
△7四歩
▲4六歩
・・・・・・みたいな感じで
これは先手だけに指したい手が多いのでは??
返信する
コメントありがとう。^^ (mmusculus(管理人))
2010-04-16 23:22:40
アキ・アキさん、コメントありがとうございます。

私の感覚は違いまして、ご指摘の順でも歩損ながら後手番なので、
悠長に穴熊に囲っても打開の義務は先手にあり
無理な動きをする必要の無い後手を持ちたいです。

また、ご指摘の手順で△9二香ではなく△6四銀と活用してみたいです。

隙があれば袖飛車から仕掛けたり、穴熊に囲うときにも銀を玉に近付けやすいと思います。

先手は飛車と右銀が釘付けで苦しい気がしますね。

ただ、最近は前々回第3図で▲5四同銀と取られて苦しい気がしています。

もう少し前で変化して、▲3五歩と突かれた時に
△同歩▲同銀△5四銀などを掘下げてみようと思っています。
返信する
こんにちは ()
2010-10-03 16:26:17
また投稿させてもらいます。研究の為局面検討をしてます。第1図から▲3七桂△5四銀▲6六歩△4四歩▲9六歩△4五歩▲4五同桂△同銀▲同銀△5三桂第5図の局面です。候補にはないんですが、ここから先手が激しく行かず75歩や46歩とするとどう対処していけばいい展開ですかね
例えば先手の75歩は取ると54銀で、53桂打が空振りなので飛車を寄ると思うんですが、54銀打とされると45桂と銀を取っても同銀と取られはっきりしない感じがします。後手は桂馬を渡すと76桂馬で飛車を狙われて苦戦してます。ここでかなり捌けないとまずそうです
返信する
先ほどの ()
2010-10-03 17:33:27
変化ですが45同桂にも15角を出て後手は勝負ですかね、なるほど飛車を取られても打ち込みが少ないので響きがそこまでない気がしますね。53桂第5図から75歩84飛54銀打45桂同銀15角と出て確かに角成が受けにくい感じです。それで76桂なら85飛86銀37角成18飛86飛同歩でどうかですが、43銀から馬引きで後手も勝負ですかね。こうなると先手も飛車角桂を捌くのが難しい展開ですね。
返信する
コメントありがとう^^ (mmusculus (管理人))
2010-10-03 18:37:46
優さん、こんにちは。

さて、第5図で①▲7五歩には、△同飛▲5四銀
△6二銀▲9七角△7七飛成▲同桂△5二金右
と進めてみたいです。
次に△1五角や、△5六歩~△6六角で
食いつけるかの勝負ですね。^^;
もし、▲9七角と出られなければ、銀バサミで
後手良しなので、実は何気ない▲9六歩が好手
だったのでしょう。

②▲4六歩には、一度△6二銀と緩めてどうでしょう。
次に△4五桂▲同歩△3七銀~△4六銀成~
△4五成銀となっては手厚いので、▲3八金と
してみます。
以下、△4五桂▲同歩△4六銀▲5八金△1五角
▲2七飛△3五歩▲1六歩△5一角となれば、
左辺がほぐれて指しやすくなったように感じます。

正直に申し上げますが、私は最近この定跡を指していません。
と言うのも、飛車を浮く事でとりあえず速攻は
受け止められるものの、その後、飛車の処遇に
困るからです。
あまり良い対策ではなかったと思っています。
他にも探せば欠陥はあるでしょう。

しかし、記事中の途中図&参考図2の様に
定跡としては使えなくても、新手筋として
第5図の手筋を発見できた事は意義があると
おもっています。

定跡としては使う事を勧められませんが、
手筋を学習するくらいの気持ちで読んで
頂ければ幸いです。
返信する

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