10月6日(日)
クリーニングから返ってきた麻のベスト。
全くと言っていいほど、いや「全く」と言い切ろう、「汗染みが『全く』落ちてない」。
クリーニングに出した時と同じ染みが「ん?どうした?」ってな顔して居座っている。
これ、「染み抜きしてもらった」と言える?
御丁寧に付けられた紙には「あまり落ちていません」、って。
何、他人ごとみたいな論評してんだ!評論じゃなくって、クリーニングは結果だ(政治家か)!
就職して、自分でクリーニングに出すようになって半世紀近いが、初めて「これじゃ意味がないな」、と思わされた。
これまではただの一度もこんなこと思わなかった。逆に「よくこんなにきれいにできるよね」とプロの技に感心しきり、ということの方が多かった。
それなのに。ああそれなのに!だ。
そりゃ、汗をかく奴が悪いんだよ?そりゃそうなんだけど。
とてもじゃないけど、現実問題、「これじゃもう着て出られないよな」、と嘆息。そして、今から洗濯石鹸で洗ってやろうかと、本気で思い始めた。
10月7日(月)
さて、昨晩の決断。汗染みの全く落ちていなかった麻のベスト。
汗染みを作った自分が悪いのだけれど、だからこそ敢えて汗染み抜きの割増料金を払ってクリーニングを、と染みのできた翌日に依頼したのだ。
そして普段なら一週間のところ、二週間近く待っていたのに。何、この仕上がり!?アイロンだけ掛けたのか???
そう思うくらいに出したときと変わらない染み。
で、
「こんなんじゃ着て出られない、どうせ着て出られないんなら、もう駄目になってもいいから洗濯石鹸で洗ってやろう」。
昨晩、そう考え、日記の最後に書いた。
そして実際、洗濯石鹸を汗染みの箇所(長さ20センチ。幅5センチ、が計三箇所)に擦りつけ、その部分ごとに手洗い。三度ほど濯ぎ、脱水機に掛け、一分ほどの脱水の後、アイロンをかけてみた。
すると、なんということでしょう。汗染みは全く目立たなくなった。
どういうことだ、これは。
いいことを考えた。
これからは自分で洗う。そして型崩れしないよう、ほどほどにアイロンをかける。それを改めてクリーニングに出す。
ばっちりアイロンが掛かって、返って来る。