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CubとSRと

ただの日記

剣山スーパー林道

2019年01月18日 | バイク 車 ツーリング
 セローで剣山スーパー林道へ行った。(二十数年前のことですよ)
 四国山地の一方の頂点、剣山。
 その周辺に展開する、全長90キロ近い日本一の林道。
 路面のほとんどは固く締まった土の道だが、半ば砕石に覆われた砂利道もある。
 締まった道の上に砕石が散らばり、タイヤを取られて一発転倒、みたいな刺激的すぎる所も多くある。いや、それがほとんどかもしれない。
 「スーパー林道」、というぐらいだから、そこらの林道と違って道幅も広い。
 そこにバイクは勿論のこと、四駆やランドクルーザーなんかが
 「オレのために作られた道だぜえ~っ!」
 みたいに嬉々として西日本周辺から集まってくる。
 けど、そんな中には、ただ観光にやって来ただけ、みたいなごく普通の乗用車もたくさん混じっている。
 
 乾燥した土の道だから、みんな土煙を巻き起こして走っている。
 ・・・言い過ぎ?じゃ、土埃を巻き上げて走っている。
 バイクなら大したことはないが、前をランクルなんかが走っていると大変なことになる。土埃で前方が霞んでしまう。これはホント。誇張じゃない。
 乾燥していてこれなんだから、雨の続いた時なんかはきっと後ろを走ってたらバイクはライダーもろとも、泥人形になる。(信州に行った時、泥人形になった経験がある)
 土埃で前が見えなくなる、ってのは、足元も怪しくなるってことで、バイクはスピードを落とし、土埃がおさまる距離、クルマから離れなければならない。
 ところが、離れると今度は後続車(勿論、クルマ)が、
 「何、モタモタ走ってんだ」
 とばかりに接近してくる。
 「セローで来て良かった。GBだったら目も当てられないことになったかも」
 そんなことを思いながら、それでもちょっとでも走り易そうなところを選んで走り続ける。
 「林道だから周りは木々に囲まれて・・・」
 、と思ったのと正反対。
 尾根や山の中腹を走るせいで、見通しの良いことは呆れるくらい。
 何だかあっけらかんとしていて、肩透かしを食らわされた感じ。こっちが勝手に思い入れで想像してただけなんだけど。
 「う~ん。何だかなぁ~。こんなに四駆や乗用車が走り回って、開けた景色の道だったのかぁ~。面白くはないなぁ」
 「まあ、とにかくは予定通り走れたんだから、良しとするか」
 そう思って、何気なしに着ているジャケットを見て、ぎょっとした。
 紺色のジャンパーだったのだが、全体に何とも気味の悪い模様が入っている。蛇がのたうち回ったような、と言えばいいか。
 服を着た時にできる襞(ひだ)。その襞の形に添ってジャンパー全体に土埃が付着している。
 一見、乱暴に黄土色に染めたみたいに見える。本来の紺色は染め残し。
 紺色と黄土色のまだら模様のジャンパー。
 遮光器土偶の身体の部分に一番気味の悪い配色で描いた縞模様。
 何とも趣味の悪い、夢に出てきそうな気持の悪い色と模様。
 もう、ただただびっくりして
 「うわっ!何これ!」
 と声を上げ、反射的に服をはたいた。
 それから、これがクルマから浴びせられ続けた土埃だったんだ、と気付いた。
 気付いたけど、これ、あんまりおどろおどろしい模様で、何だか夢に出てきてうなされそうだった。
 でも、反射的にはたいてしまって、この気味の悪い模様をツーリングの証拠写真として残さなかったことをかなり後悔した。
 「走りにくかったなあ」「気持ち悪い模様だったなあ」
 これが剣山スーパー林道ツーリングの収穫。
 「何でわざわざ走りにくい道を、土埃を浴び続けながら、転倒するかもしれないのに、バイクで行こう、なんてことをするのか」?
 「楽して美味しい物食べて帰ってくりゃいいじゃん」?
 そりゃもう答えは分かっている。
 バイク乗りはガキ、いや、子供だから。
 子供は「楽」よりも「楽しい」方を選ぶ。

・・・
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