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内科・循環器内科のクリニックです。その日閃いた、その日出会った、健康情報をお届けします。

エンテロウイルスD68

2016-04-09 06:40:20 | 医学/医療

『東京五輪パラ公式エンブレム最終候補4点公表』
https://tokyo2020.jp/jp/games/emblem/evaluation/
 A・・市松模様と藍色を使った「組市松紋」
 B・・輪を描いた「つなぐ輪、広がる和」
 C・・風神雷神をモチーフにした「超える人」
 D・・朝顔をモチーフにした「晴れやかな顔、花咲く」
さて、どれになることでしょう!?(4月17日までネットとはがきで意見募集、25日に最終審査の予定だそうです)

昨夜のNHKニュースで、
「感覚はあるけど動かない・・・、原因不明の小児“急性弛緩性麻痺”」が取り上げられていました。エンテロウイルスD68が病因かもしれないということが、昨年来知られていますが、まだよくわかっていない部分も多いようです。

エンテロウイルス族は、夏から秋にかけて流行するいわゆる“夏かぜ”の原因ウイルスの1グループであり、手足口病やヘルパンギーナの原因ウイルスとしてよく知られております。症状の出ない不顕性感染であることも多く、鼻かぜ程度からインフルエンザ様のやや強めの症状まで軽重様々で、まれに髄膜炎を起こします。

ところで、ポリオ(小児麻痺)の病原体(=ポリオウイルス)も同じエンテロウイルス族だというのがとても気になります。ポリオウイルスは、ノドや腸管内で増殖した後、付近の豊富なリンパ組織へと侵入、そして血液の流れに乗って中枢神経にたどり着いて、中枢神経を侵すことがあります。脊髄の前角や脳幹の運動神経細胞でのポリオウイルスの増殖が、その部位の運動神経細胞を減らし、麻痺の症状を起こします。

ポリオウイルスと同じグループに属するエンテロウイルスD68ですから、弛緩性麻痺を起こしてもおかしくはないと考えられます。

さてニュースでは、腕が麻痺したケースについて、体のほかの場所にある神経を移植する手術を行い、症状を改善させようという治療が一部で始まっているとの由、ただしこの治療法は発症から1年を過ぎると効果が出にくくなるということです。早期治療が必要だと、頭の片隅に情報を格納しておくと宜しいでしょう。

AM5:30のW富士

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