刑務所に入っても医療ケアを受ける権利がある。私の患者が収容されたのは数ヶ月前。病態的にとても複雑な患者だった彼女。刑務所の医療チームからはひつこいぐらい電話がきた。カルテのコピーを至急全部送って欲しいと。そう、言われても彼女のカルテはでかい。どれぐらいの期間収容されるのかにより、どれぐらいの情報を提供するか決めたいと言ったが、収容期間は言えないので、とにかく全部送ってくれと。
で、彼女が出所した。何の知らせもなく診療所に現れた彼女。ケアマネがいてくれるので入所前に比べれば計画も立てやすい。しかしケアマネと言っても医療系のケアマネではないし専門医の次の予約日もどの内服薬を飲んでいたのか知らない。
薬がなくなった、と彼女は言うが薬剤名は知っていても量まで知らない私の患者。
ああああああああ、どうするんだ!もう一度刑務所の医療チームへ電話を入れる。散々電話のたらい回しにあい、最後はファーマネット(個人に処方された薬を管理しているサイト)で閲覧できますからと。
はああ?そのためには患者から承諾書をもらい、何枚ものファイヤーウオールを超え、チマチマ閲覧となる。そっちが紙一枚コピーでも送ってくれればそれで済むのに!!!!
結局そのチマチマした作業を行って処方しました。
全くもって腹ただしい。このように施設から施設への情報伝達がどれだけスムーズに行えるか?そんな知識量や技術力とは全く関係ない事で人の健康が左右されると言う事です。ああああ!
冒頭写真:トゲトゲイモムシ、、、みたいな植物