走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

備えあれば憂いなし

2016年09月22日 | 仕事
今の仕事をしていて危険じゃない?と聞かれることはよくあります。
危険な目にあったことは?と聞かれ、ないと言うと嘘になります。しかし、暴力とは無縁のホスピスで働いていた時でさえ、とんでもない目にあったのですから、危険は何処にも潜んでいると思っています。確かに対象者がメンタルヘルスであったり薬物依存となると、健常者を対象に働いている人に比べれば可能性は高くなることは事実です。

シェルターの診療室で、やばい!と危険を始めて感じた時は冷や汗をかきました。BC州には労働局が決めた職場の安全基準があり、私の働いている組織でも似たようなものがあります。それを読み返し、状況を振り返り、シェルター側と職場の上司に変更を求めました。要望が通り安全がかなり確保出来ました(まだ完全ではないのです)。

アウトリーチは2人で出かけ、どんな時にも1人にならないように努めているので危険を感じた事はありませんが草むらを歩いている時にうさぎが飛び跳ねて、お化け屋敷で叫ぶように叫んだことは数回あります。新顔のホームレスの人と道端で話していて、その後すれ違う時大きな石を手の中に隠していた事に気づき驚きました。それはもしもの時に武器として使えるように殴りつけられるポジションでした。ベテランのアウトリーチワーカーはもちろんそんな事はお見通しでした。

職場では1年に1度、暴力についての研修を受ける事が義務付けられています。怒っている相手を助長させないテクとか、セルフディフェンスも含まれています。これは私の職場だけでなく、病院で働く人、地域で働く人、患者と接する職に就いている人全員が対象です。危険度が高い救急室職員、精神科入院病棟は追加の項目も足されています。

危険は避ける事ができない職業ということなんでしょう。しかしケアは続けなければなりません。だから準備するのです。備えあれば憂いなしです。


ダウンタウンへ向かう電車の中から

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