走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

やめた方が良いと思う変な言い回し

2018年09月04日 | 仕事
最近日本の医療系の話題を読んでいてよく出てくる言葉。

ケア とキュア

いったい誰が始めたのですか?と聞きたい。
日本には多くの和製英語が存在し、英語だと思って使用しても英語圏では???となるものが多い。私はこの「ケアとキュア」もその1つではないか?と思う。

直訳すればキュアは治療ですが、英語圏では回復可能な治療に限定されます。以前、医療は疾患からの回復を目標にしていましたが、予防学を含む公衆衛生学も医学の一部として発展しました。緩和ケアは死という成り行きは避けれなくても症状緩和により命の質を向上させる医学です。緩和ケアの症状コントロールだって立派な治療計画です。そして病気を診るだけが医学ではない観念から全人的ケアも医学の一部となりました。今現在、治癒の可能性がない病気は大変多くあります。それらも治療していきます。だから看護師はケアで医師はキュア的な事を言われると、全くしっくりきません。さらに高度実践看護師が目指すものにケアとキュアを包括した、、、、なんて言われると????看護学や医学をなんだと思っているの?と言いたくなります。

ちなみに治療はtreatment と言います。日本人はきっとトリートメントと言うと整髪剤と思うでしょうね。ちなみにそちらはConditioner と呼びますから。

悪い事は言いません。「ケアとキュア」を使うのは今すぐやめた方が良いですよ!



末娘が3週間通ったプロのバレエ強化合宿のスタジオ。

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