走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

妊娠は責任が増える行為です

2019年08月18日 | 仕事
ツイッターでのやり取り。

妊娠糖尿病。食事療法でも改善せずインスリン導入を勧められるも自己責任を取るからと拒否する。

それに対する私の返答

インスリンを導入しない事による母体と胎児の成り行きの説明された内容、自己責任の具体的内容、インスリン療法を拒否する旨を一筆書いていただき、第3者にも署名してもらいカルテに添付する。

北米で働く私はそこまでします。あとで聞いていなかったと訴えられてはたまりませんから。

その上で、カルテにも説明した内容、説明にかけた時間、状況、患者に自己意思決定をするだけの精神状態の安定があった事も必ず記入。

ここまでしておけば、患者の治療を選択する自由を医療者として尊厳します。

しかし、この場合意思決定をする本人以外に胎児に影響を与える可能性があり、胎児の育成に問題が発生した場合は倫理委員会より法的処置に出れる可能性も(患者の意思決定能力の失効)。胎児を1人の人間とするかどうかは国ごとに異なります。

あと、胎児への影響を知りつつ、インスリン拒否の意思決定に出た態度は将来の乳児への安全性への疑問が出るため、日本で言う児童相談所のようなところへの報告にも繋がります。

どんな方向にしても1人で対応するよりチームで対応した方が良いケース。治療者としても私なら他の専門医にも紹介するでしょう。

患者には、そんな大ごとな!と驚かれるかもしれませんが、こうする事によって治療者としての自分を守り、胎児を守り、患者との関係性も守る。そんなところでしょうか?

意思決定は無限大でない一面もある事を両者が熟知しておくべきです。

おまけですがインスリンそ拒否された患者の中に敬虔なイスラム教の方で、インスリンが豚から製造されている理由で断られたケースがありました。薬剤師の方から詳しく説明してもらい受け入れてもらった、、、てなケースも



ツイッターはここまで。私の患者の中にはアルコール、タバコを含む薬物依存が胎児に影響を与えると知りつつ辞めない、治療を受けようとしない、ホームレスのままでいるのは妊娠中に自由として認められますが、出産後はその行動から子供を養育する事ができない(子の安全が保障されない)と判断される材料となります。子を取り上げられる!ひどい政府だと私の患者は詰りますが、子供の安全が第一優先だから、こうなるんです。妊娠中に胎児の安全よりも自分の嗜好を優先した貴方が子供の安全を第一として今後生活を送るとは思えないんですよ、、、、妊娠とは貴方1人ではない事を忘れずに




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