走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

子宮頸癌ワクチンの有効性

2021年10月04日 | 仕事

先週の勉強会の講師はがんセンターの専門家でした。お題は子宮頸癌ワクチンについて。BC州は数年前男性への投与も無料化された。その効果の高さを統計を使って説明していた。


で、本題はコロナ禍で子宮頸癌ワクチンの接種率の急激な低下。ショッキングなグラフだった。接種率が例年の半分以下に落ち込んでいるからだ。この理由はなんだと思いますか?


子宮頸癌のワクチンは小学6年生対象に保健師が学校へ出向き一斉接種をしていました。コロナ禍で学校はオンライン化となり、保健師はコロナに借り出され、一般業務ができない状態だったから。通常のワクチン業務が出来ず接種率が著しく低下したわけです。もちろん保健所に連絡したり家庭医やNPに連絡して接種している子供たちもいるわけですが少数派と言うわけです。


コロナワクチンの開発接種により保健師たちは通常業務に戻りつつあると聞きます。この9月から学校も対面に戻りました。今年度はできなかった分も合わせて大忙しの年になるでしょう。


BC州のこのワクチンに関する情報はこちら


誰が無料の対象であるか、何に有効性があるのか書かれています。無料ではありませんが45歳までの年齢に有効性の研究結果が出ています。興味のある方は是非先程のページを読んで接種してくださいませ。


そして日本の方へ。未だにワクチン接種が遅れたままになっていますが、専門家へ相談されれば最新のEBPのガイダンスがいただけるはず。日本以外の先進国では予防できる癌で治療を受けたり死亡する患者が確実に減少しています。日本に住んでいるからその恩恵を受けられないのって不公平ですよね。非科学的な報道でとん挫している状況は承知しています。よって政府の決断を待つのではなく自分から情報収集をする意気込みぐらいで子供達の将来を守ってくださいませ。



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