シリーズ2日目
診療看護師だから、と絶対的医行為をしている診療看護師は意見交換会に参加されたり、昨日のブログを読んで驚いたと思います。やっても良いことだと思って仕事にしてきたことが「違法」と言われるのだから、そうだと思います。
今まで、どこをどうやってこの絶対的医行為である診断、治療、手術を適法化させていたのかは私の長年の疑問でもありました。こちらを読んでください。2020年9月に発行された3Mの知っておきたい医療現場のトピックスVol.2です。
ここにも書かれているように現在の法律では絶対的医行為は看護師の診療の補助業務には入っていません。
こちらは 2018年に最終更新されている日本医事新報社の看護師の法的業務責任についてのQ&A です。ここには
「看護師の業務としての投薬は,たとえ「簡易な疾患」としても,医師の指示等がなければ保助看法第37条に違反し,医師法にも抵触することになります。なお,自らの判断で処方せんを作成したりすれば医師法第17条に抵触し,医師からの処方せんで自ら調剤すれば,薬剤師法第19条に抵触することになります。」と書かれています。
こちらは知っておきたい医事法の基本の一部で、こちらにも
「医行為は,そのなかで危険性が高く医師以外の者が実施することを完全に禁 じている絶対的医行為(たとえば外科手術)と危険性がそれほど高くなく医師 の指示によって医師以外の医療従事者がなし得る相対的医行為とに分けられて います.両者の境界は不変ではなく,たとえば,静脈注射に関して,以前は医 師が自ら行うべき業務(絶対的医行為)であること(厚生省医務局長通知 昭和 26 年 9 月 15 日 医収第 517 号)とされていましたが平成 14 年 9 月 6 日に取 りまとめられた「新たな看護のあり方に関する検討会」中間まとめの趣旨を踏 まえ,医師の指示のもとに保健師,助産師,看護師および准看護師が行う静脈 注射は,保健師助産師看護師法 5 条に規定する診療の補助行為の範疇として取 り扱うものとする,と通知され相対的医行為に解釈変更をされています.」
昨日、早速ブログへ質問を頂きました。何がどこから絶対的医行為になるのかわかりにくい、と。法律は細かい分類が書かれないことが常です。そして法律というのは「解釈」によって左右される部分があります。解釈とは過去の判例や時代の変化、世相によるものです。だから上記のように変わることがあるのです。よって絶対的医行為を包括指示と言う傘の下に入れれば拡大解釈として適法化できていたのか???と私は思いました。
それでも、もし私が日本の診療看護師、もしくは診療看護師へ包括的指示を出す医師、もしくは診療看護師を雇う経営者や管理者の立場であれば、まず法律家へ相談すると思います。何故なら限りなく黒に近いグレーな業務を診療看護師が行うことになるからです。そして法対策として包括的指示の明確化とストリームライン化は避けられないと思います。そしてこれらが口約束や暗黙の了解ではなく、少なくとも言語化、書類化、常に医師の署名をもらう規約などがされていなければGoサインは出せないと思うし、しないと思います。何故ならリスクが高すぎるからです。
でも、もうすでに始めてしまっている人はどうしたら良いのでしょうか?
続く
冒頭写真: 週末は久しぶりにカウンターで一杯