走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

みんな同じ

2014年11月22日 | 仕事
昨日は嬉しいことがあった。

アイザックは元薬物依存。使用しなくなって8ヶ月ぐらいに出会った。社会復帰に向けて職業訓練に行っている。自分は健康で前の家庭医がリタイアしてからは誰にも診てもらっていないと。50歳のアイザック。これからは定期検診は大切ですよ、と診察を始めた。私が今の仕事を始めたばかりの頃だった。
慢性のC型肝炎に罹患していることがわかった。診断を伝え、これからの治療計画を話す。どれも私にとって初めての経験だった。専門医に紹介して1月からC型肝炎の治療が始まる。彼は私のケアにとても感謝していると、昨日の診察中に話してくれた。いつも前向きで、詳しく分かり易く説明をしてくれる。美加に会わなかったら今の自分はないとまで言う。

???特別なことはしていないけど、、、、次の患者にも同じようなことを言われた。薬物依存、ホームレス、精神病があってもきちんと人間として向き合ってくれるからと。

あーこの人たち社会の中で、医療の中でも特別扱いされていたのだ。社会のクズ、不要物、臭い、汚い、あげたらきりがない。

ジェシカを超音波に連れて行った時、彼女と並んで歩いて驚いたことがある。人の目だ。すれ違う人の目線が凄いのだ。どうしてこんな人が病院に来ているのよって顔だ。一般人には姿で差別され、医療者からは過去と現在の病歴や住所で差別される。でも私にとってはみんな私の大切な患者さん。どこに住んでいようと、何を着ていようと同じように医療へのアクセスを持っている。この仕事が本当に好きだ。




秋空の下散歩へ出かけます

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