走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

Be Kind

2020年11月30日 | 仕事
BC州で公共の場でマスクをすることが義務付けられてしばらく経つ。医療的な理由でマスクを装着できない人もいる。その他にはアンチマスクと言われる人達。マスクをするしないは自由の権利の侵害と言う人。マスクをする方が病気になると根もはもない意見で反対する人も。

で、最近ではマスクをしていないと入店できない場所が殆どになった。そして増えるのが店員に対する暴力。SNSを賑わせたビデオはマスクをしてくださいと店員に言われ、カッとした客が店員に馬乗りになりパンチをしているもの。この客は既に逮捕されマスクをしていなかった罰金を請求され、傷害罪で法廷へ行かなければなりません。

10ヶ月目になるこの長丁場。仕事を失ったり、それに伴い家を失ったり、ギリギリの生活をしている人たち。結婚などの人間関係が上手くいかなくなったり、ティーンの素行が悪くなったりと言う事も増えています。アルコールの売り上げはうなぎ上りで飲酒量が増えているのも明らか。薬物依存も増え、オーバードースで亡くなる数も全く減らない。自殺の数も。

私も診察をしていて、イライラしている人や、ちょっとしたことでかーっとなる人が多いなと感じるようになった。カナダにやってくる長い冬でムードが低くなる人は例年多い。その上今年はコロナが拍車をかけているのを感じる。しかし店員に殴りかかったり、医療者に向かって罵声を浴びさせることは許されない(金曜日の診察中に1件ありました。毎日1〜2人に怒鳴られているような気がする)。

ボニー博士は言う。
Be calm
Be safe
Be kind
落ち着いて
安全で
人に優しく
と言う。

本当に今がこの3つが大事な時だ。混沌としているかこそ他人に優しく。簡単な事ではないけれどできないことはない。だから人間としてやる努力をしなければならない時だと思う。

冒頭写真: 凍ったレイクルイーズ湖を歩く人達



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。