柴田よしきさんの作品です。
先日イジさんに頂いた本です。
楽しんで読ませてもらいました。
古い団地に住む人々のそれぞれのわけあり人生の物語です。
謝金地獄のキャバクラ嬢や子供に嫁との折り合いが悪く
息子に見捨てられた女性の物語等6篇の連作ミステリーです。
柴田さんは本当にうまい書き手だと思います。
重くなりがちなテーマを実にうまく読ませられる物語にしています。
彼女の作品にはどこかに人への信頼や希望が
あるのかもしれません。
この本の中でもたとえ借金があろうと、
子供に見捨てられて一人暮らしであろうと「人生すてたもんじゃない」
というメッセージがあるので読後感が悪くないのだと思います。
ただひとつ例外は人を殺めてしまったら、例え司法の手は逃れても
自分が自分を責めるという地獄からは逃げられません。
例えその殺人が子供の為だったとしても、許されることはないのです。
裁かれて罪を償うことが彼女にとって救いなのです。
ネタばれになるので多くは書けませんが、日常に潜むミステリーです。
人は心に闇を持っているとき、魔がさすということは
あるのだと思います。
久々に「本を読んだぞ~」という気分になりました。
忙しいからこそ活字に触れる日々は大切にしなくっちゃ、です。(笑)
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