垣根涼介さんの作品です。
ジャンルから言えばハードボイルドなのだと思います。
でも彼の作品は何か他の人の書く物とは違うのです。
たしかに暴力シーンや虐殺のむごいシーンもあるのですが、
そうなるのにはそうなるだけの必然があり、そしてそれを否定はしない。
生きることへの賛嘆の想いと絶望の深さが思いやられます。
主人公のリキはコロンビアの日系移民でした。
７歳の時両親を銃弾によって殺されてしまいます。
それから彼は生きるためにコロンビアマフィアのボスとなっていきます。
日本の悪徳刑事や元刑事の女性や、リキが偶然関わってしまったが故に幼い兄を失うことになってしまった少女が登場して物語は進んでいきます。
読み出すと止まらなくてこの物語はどう展開するのか早く知りたくて、でも読む時間がなくて焦ってしまいました。
自分を罠に嵌めようとした敵方の組織の為に日本の警察に囚われてしまった部下がいます。
彼もまた「殺し屋」。
部下をを救出する為に行動を起こすリキ。
たった一人の部下を救出する為に何故そこまでの大掛かりな襲撃をするのか、そのことも興味深いです。
そして彼が部下を救出できるかどうか、何故か悪人でもある彼の側から読んでいる自分がいました。
彼の壮絶で潔い生き様に惹かれます。
結末は言わないでおきましょう。
この結末だから余計心に残る物語になるのでしょう。
二週間ほど主婦版ハードボイルドしてました。(笑)
なんと闘争的！！
ゆったり、まったりも、そして闘争的な私も自分なのだと改めて実感しています。
