Ｓ君がふらっと来たよ

お昼過ぎてＳ君が来た。
4年ぶりの再会だ。
元気そうだった。

出所する時うれしくなかった。
これからの生活を考えると出所したくなかった。
本音だろう。
一人で新幹線で帰ってきたそうだ。
今まで連れ合いが迎えに行ったこともあるが、甘えられなかったのだろう。

考え直してまっとうな生活をするといった。

どんな言葉が効果的なのか考えたが
聞くに徹した。
家族と一緒だから食事はいつでも食べに来るように言った。
それが私にできることだ。

骨董屋を続けるようだ
車は骨董でいっぱいで、世話になったから備前焼をくれるという。
いらないといったが、私に花瓶、連れ合いにぐい飲みをくれた。

二人で桜と桃の絵付けの茶碗で抹茶を飲んだ。
出所祝いに買うと言って支払うと

フーテンの寅さんの様にヴィトンの財布から少ないお金を出して、お釣りをくれるという。
お釣りはいらないというと
ウサギの楽焼の香合や九谷焼の秋の七草の絵付けの抹茶茶碗、備前焼のフクロウの置物などをくれた。

また、またものが増えた。

どんな支援をしてあげるのが良いのだろう。