みのる日記

サッカー観戦記のブログです。国内外で注目となる試合を主に取り扱い、勉強とその記録も兼ねて、試合内容をレポートしています。

インテル × フィオレンティーナ

2007年02月03日 | サッカー: セリエA
06/07 セリエA 第20節: インテル・ミラノ 3-1 フィオレンティーナ
(2007/1/21)

■ インテル13連勝 簡易レポート
記載は久々となるセリエAです。ご存知の通り、現在のイタリアの主役は何と言ってもインテルです。いやあ、本当に強いですね。このチームこそ「一体どこが止められるの?」という言葉がふさわしい独走気味の状態です。
勝ち点のペナルティがなければ4位の成績だった、好調のこのフィオレンティーナとの一戦は要注目でしたが、私は個人的な事情で観戦が今週にずれ込んでしまいました。よって今更なのですが、簡素にレポートを残しておきます。

インテルの布陣は4-3-1-2。
GKはトルド。DFは左からマクスウェル、マテラッツィ、ブルディッソ、マイコン。MFは左にサネッティ、中央にカンビアッソ、右にビエラ、トップ下にスタンコビッチ。FWはアドリアーノとイブラヒモビッチです。
正キーパーのジュリオ・セーザルが朝方に腰痛発症との公式発表。急遽、元イタリア代表のトルドが開幕戦(フィオレンティーナ戦)以来の先発となりました。何の因果なのか、今季のトルドは古巣のフィオレンティーナとの2試合だけに出場です。

フィオレンティーナは、この日は4-5-1。
GKはフレイ。DFは左からパスカル、ダイネッリ、ガンベリーニ、ポテンツァ。MFは左からヨルゲンセン、ゴッビ、リベラーニ、ドナデル、ブラージ。FWはトーニのワントップです。
この大事な試合で二人の主力選手が出場停止。軽率さの絶えない右サイドバックのウイファルシはまだしも、再びプランデッリ監督の下で輝きを放っているセカンドトップのムトゥの欠場は大きな痛手です。現在のフィオレンティーナの看板である、国内屈指の破壊力を誇るトーニとムトゥのコンビを残念ながら見れません。

その主力抜きのフィオレンティーナがあっさりと前半5分に先制してしまいました。セットプレーからです。左サイドの相手ペナルティエリア付近でフリーキックを獲得すると、これをリベラーニが中央へ放り込み。リベラーニのクロスがかなり高精度だったのは確かですが、マーキングで混乱したインテルにも責任があると思います。マイコンがあわてて対処に行きましたが、マークにつききれずにトーニのヘディングが炸裂。トーニが今季10得点の大台に乗せました。

当たり前のように支配しながらも失点、ミス続きと、いい流れを作れないインテルでしたが、その嫌な雰囲気を一人で吹き飛ばしたのがスタンコビッチでした。
前半19分、スタンコビッチが敵陣で猛然とカットする見事な守備を披露し、拾ったイブラヒモビッチが左のアドリアーノへ。アドリアーノは打開が難しいと見るや、ここで溜めに溜める好判断の末、中央へラストパスを送ります。その先には守備から即座に一転して爽快に駆け込んできたスタンコビッチがいて、フリーの状態から鮮やかに強烈なシュートを突き刺しました。同点となります。

さらに5分後の前半24分、今度はやられたフリーキックでフィオレンティーナにお返しをします。ビエラが深く攻め入るキープからファールをもらいました。このチャンスに三人のキッカーが並んだインテルはちょっとした工夫を見せたのです。
イブラヒモビッチが蹴ると見せかけてフェイントでボールの上を通り過ぎると、すぐさまスタンコビッチがちょこんとボールをずらします。これをフルパワーの左足で、アドリアーノがグラウンダーのシュートをゴール枠内隅に沈めました。壁の選手の横を過ぎる一直線の軌道で、防御側としてはどうしようもない失点でした。
開始直後の被リードなど、まるで意に介さないかのようなインテルの逆転劇です。

その後もインテルの優位は変わらず、お得意の淡々とした試合運びです。ほとんどフィオレンティーナにシュートを打たせませんでした。
そしてインテルは後半26分に、またもフリーキックから得点しました。スタンコビッチの上げたアーリークロスに、イブラヒモビッチがきちんとついていた相手DFのマークをもろともしない高い打点のヘッド。フレイは何とか横っ飛びのファインセーブでこれを防ぎましたが、こぼれ球が再度イブラヒモビッチへ渡ってしまいました。このイブラヒモビッチの押し込みもフレイは弾きましたが、ゴール内でのプレーであり、判定はゴールインです。インテルが駄目押しとなる追加点を挙げました。

このまま試合は終了。結局はインテルの危なげない勝利でした。

インテルは特に攻撃陣が冴え渡りました。
コンスタントに躍進を続けるイブラヒモビッチはもちろんのこと、相方のアドリアーノがこの日の紛れもないMVPです。1ゴール1アシストに、3得点目となるフリーキックも獲得しました。いずれも称賛されるべき質のプレーです。また、ただ直接得点に絡むだけではなく、随所で抜群のキープも見せました。あれほど「ワーストプレイヤー」として叩かれたことを見返しているかのように、力強いアドリアーノが戻ってきています。
チーム一の気分屋ゆえに、ここ最近の自身の好調に気をよくしているのか、驚くほどに守備でも貢献していました。問題児とまで評されたあのアドリアーノが、チームプレーに最後まで徹していたことが一番に印象に残った試合でした。

もう一人、スタンコビッチを殊勲者として選ばねばなりません。こちらは1ゴールに、実質2アシストです。
この試合のインテルは、唯一流れの中で取れた同点弾こそが全てだったと思います。これで相当に落ち着き、バタバタ感が一気に治ったためです。そして、この同点シーンでのスタンコビッチの一連のプレーは返す返すも素晴らしいものでした。

まるでフィオレンティーナに決定機を生じさせず、一見すると磐石だったインテル。フリーキックから2点を奪いましたが、自身も相手のセットプレーなどからのハイボールへの対処には難がありました。序盤の失点は言うに及ばず、後に訪れたフィオレンティーナの二度のフリーキックのいずれの場面でも、守備陣の慌しさは否めず満足にクリアができません。総合的に、クロスには脆さを見せ続けました。
さらに、マテラッツィが最終ラインのリーダーにあるまじき軽率なエラーをまたも連発。その申し分のない身体能力は誰もが認めるところなのですが、国内外で頂点を目指すチームの守備の柱として、これはいただけないものです。
攻守に全く隙が見られないとされるインテルですが、その評と比較すれば信じられないほどの甘さを覗かせる、ここ一番という守備面での最後尾の集中力に弱点が潜んでいる感じがします。

フィオレンティーナは全体的にかなり引き気味でカウンターを狙う、お手本のような4-5-1で挑んでいました。そこからセットプレーでの一発という理想的な展開に持ち込みましたが、不幸なことにそれが早すぎる時間帯での得点で、余裕を持って自力で勝るインテルにむなしくも即座に逆転されてしまいました。以降もしばらくは守備偏重、ロングボール頼みの傾向に変わりがなく、ゲームになっていませんでした。
その中でもただ一人、組み立て役としてヨルゲンセンは結構奮闘していたと思います。左サイドを効果的に攻略し、フィオレンティーナはここが起点となることが多かったものです。ただし、いかんせん核となるトーニとの距離が遠く、トーニの周りで衛星のように活動するムトゥの不在がやはり大きく影響していたのかな、とは思いました。
後半の途中からはようやくショートパスをメインとして、しっかりとした攻撃でもって逆襲を図りましたが、中盤はインテルの方が圧倒的に上手で、ことごとくカットされてはシュートチャンスさえろくに作ることができませんでした。全くもって、インテルの貫録勝ちです。

先週にセリエAで12連勝という新記録を打ち立てたインテルは、この日も勝利して13連勝とその記録を伸ばしました。フィオレンティーナでさえあっけなく一蹴された現在、あと彼らを止められるのはローマなのかパレルモなのか、あるいは復調してきたミランなのか。優勝争い自体よりも、誰がこのインテルに黒星をつけられるかに、より話題が集中されることになりました。


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2 コメント

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インテルの好きな選手 (インテル五郎)
2007-02-05 10:31:18
僕てきには、グロッソ アドリアーノだね!
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Re: インテルの好きな選手 (インテル五郎) (みのる)
2007-02-05 18:51:27
ふふふ、インテルには本当にいい選手がいっぱい揃っていますよね!
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