4月29日(水・祝)、大潮、晴れ
2週間前の伊勢湾が空振り三振に終わったので、何とかリベンジを果たすべくアキヒロとジギングを計画。そろそろシーズンも終盤で、思ったほどの釣果に恵まれなかった今シーズン、大物で一気に挽回を狙うにはここしかない、ということで以前から気になっていた福井新港の
K‘sを予約。高速道路の割引千円を利用して、福井に乗り込んだ。
釣り座はミヨシ右舷をキープ。K‘sはミヨシが高くなっていて、トップゲームがやりやすい構造になっている。バカほど高いところに昇りたがるというが、そこは気持ちの良い高さでトップでもジギングでも何でも来いという気分になる。
出港して15分ほどで、釣り場へ到着。昨日福井ではめったに出ない大物のマダイが出たということで、船中が「あわよくばマダイも…」という雰囲気が漂っていたが、船長が「マダイはめったに釣れないよ」といっているので、難しいのであろう。とりあえず青物の活性を上げるためにジグを落としては巻き、落としては巻き…。
途中で気がついたが、船にBGMが流れていた。しかも流れているのはT-スクエア。しかも少し前のスクエア。船でBGMが流れるのは初めてである。おそらく、船長は私と同じ年代であろう。BGMを聞きながらリールを巻いていると、なんだかスキー場でBGMを聞きながら滑っているような不思議な感じもするが、ノリの良い音楽を聴きながら体を動かすと、よく動くような気がする。K‘sの船長、なかなか良いです。
ところが、気分は乗ってくるのだが、肝心の釣果はいまだ無く、船中でもポツポツとあがっただけで魚の活性は今ひとつ。魚探を見てもあまりいい反応は無い。またもや…まとばやの悪夢がよみがえる(別にまとばやが悪かったわけではありません。あまりにも活性が無かっただけです)。こんなとき、船長はあまり1か所で粘るのは好みではないらしく、結構見切りが早い。3つくらいのポイントをたたいて、魚の活性が上がらないと見ると、越前岬まで遠征することになった。
30分くらい走った越前岬の直前で魚探に反応が出たので、船を止めジグを落とすといきなりヒット!久しぶりの青物は重い。おやっ、もしかして、いきなりワラサ?とドキドキしながら巻き上げると、なんとツインヒット。どうりで重いわけだ。その後も入れ食いではないが、ハマチがぼちぼち上がってくる。暖かくなってきたからか、青物のサイズの割りに引きが強い気がする。狙いはワラサ、ブリなのだが、我々のジグにはハマチしか食いついてくれない。と、ミヨシ左舷でワラサゲット。「ハマチの中にワラサがいるから釣り続けるしかない」との船長の言葉を信じ、巻き方に変化をつけながら、ジグを落としては巻くのを繰り返す。
途中で少し鳥が集まりだしたので、新調したキャスティングロッドで攻めてみるが、反応なし。テレビ「釣りロマンを求めて」では、永浜いりあがいかにも素人っぽく引いていたフローティングミノーにカンパチがチェイスしていたが、そう簡単にはあのような状況にはならないようだ。
昼を過ぎると魚の活性が落ちてはじめ、ポツポツは釣れるが、波には乗り切れない状況が続く。クーラーにはアキヒロと2人で20本位のハマチが入っているが、ワラサを狙うために、ハマチを釣るしかない。しかも、ハマチが釣れればもったいないからキープするという、あまりうまくない循環が続く。
午後3時ごろ、青物の活性が完全に下がったので、福井新港の近くのポイントに戻ることにした。残り1時間、ハマチ狙いでうまくいけばマダイも…という狙いに切り替えた。マダイといえば伊勢湾の方がメッカである。(まだマダイを釣ったことは無いけど…)マダイの愛知県から来ている以上、他の乗船者に負けるわけにはいかないと意気込んで、ベイトリールを巻き続けた。と、右隣の釣り人にシーバスがヒット。お、シーバスもいるのね。
あー、今日はハマチで終わりかぁ。それなりに本数は釣れたけど、大物は夢におわったなぁと思いながら巻いていると、残り15mでヒット。お、待望のマダイか?と思いながら巻き上げてくると、60センチくらいの背中が黒い魚が上がってきた。シーバスか、でもロッドが細いから抜きあげられないなぁということで、先ほどシーバスを釣った隣の人にラインを持って抜きあげてもらったら、デッキにウロコが飛び散っている。あれ、シーバスってうろこ飛ばすっけ?と思っていたら誰かが叫んだ「サクラマスだ!」。60センチ弱のカラフトマスのような魚がデッキで暴れていた。
と、その声を聞きつけ、船長が飛んできた。今日はそれまで船中あまり釣れていないので、船長の表情も今ひとつだったが、サクラマスを見ると、突然テンションが急上昇。船長は神経締めをし、写真も撮ってもらったら、電話かけたり、ブログ更新したり、なんだか忙しそうだった。ジギング船を9年やっていて3本目のサクラマスだそうだ。そりゃあ、ブリより珍しい。そして納竿して港に戻ってγのキャスティングまでさせてもらった。
帰宅して念のためルイベにして翌々日に食べたサクラマスは、予想をはるかに上回り、これまでに食べた中で最高の刺身だった。身全体に脂が均一に回ってるが、脂の強さをまったく感じず、口の中でとろけるような刺身だった。船長の興奮を改めて実感。いやあ、舐めてましたね。また、魚はメスだったのだが、長さ5センチほどの未発達の筋子が2本入っていたので、妻に煮てもらったら、プチプチ感はまったく無く、白子のような歯ごたえだが、後味はいくらという珍味になった。
いやあ、本当にいい経験させてもらいました。これまでも、いろいろ外道を釣ってきたが、これにかなう外道はいないでしょう。南の海の魚であるブリを狙って、北の海の魚を釣ってきたのも予想外の展開でした。あとはブリ、せめてワラサが釣りたい。切り身にしておすそ分けできるくらいの魚を釣ってみたいというのは贅沢な悩みなのか…。次こそは、トップで釣って見せますよ、杉本船長!