唸るキース・ジャレット

　「知らずに通り過ぎると人生に悔いを残す。」（『ジャズCDの名盤』ｐ267）とまでいわれるキース・ジャレット。確かに『ケルン・コンサート』は凄い。これがジャズかどうかは解らないけれど、即興であんな演奏ができるということ自体に感激してしまいます。
　　

ザ・ケルン・コンサート
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　それで買ったのが『スタンダーズ　Vol.1、Vol.2』。ところが聴いてびっくり！キース・ジャレットの唸り声で美しいピアノの音が耳に残らない。
　ジャズの世界では、ピアノを弾きながら唸る場合が時々あるようです。手元にあるバド・パウエルやオスカー・ピーターソンも唸っています。でも彼らの唸りは不快じゃない。オスカー・ピーターソンは楽しくてしょうがないという風に唸っているし、バド・パウエルは頭からほとばしる音が口から漏れている感じ。
　ところがキース・ジャレットの唸りは喉につかえた音を吐き出すような唸りなのです。『ケルン・コンサート』でも唸っていますが許容範囲内。しかし！『スタンダーズ　Vol.1』の唸りは私図書館屋には耐えられない。『スタンダーズ　Vol.2』はパッケージすら開けておりません。
　あるレビューに「唸りが気になる方もいるかもしれない。」なんて、気になりすぎ!!!!!でも評価は高いんですね、これが。唸りも含めての評価なんでしょうか？それともジャズの場合唸りは音楽性や評価とは関係ないのでしょうか？う～ん、気になるのですね。

スタンダーズ Vol.1
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　それで口直しにオスカー・ピーターソンを聴いています。「オスカー・ピーターソンは物足りない」というレビューもあるようですが、歌心に溢れ楽しげに奏でられるピアノの音は私図書館屋にとっては慈雨のようなもの。そういえば、ルイ・アームストロングも本当に楽しそうに奏で歌っています。　キース・ジャレットは感情よりも思いの強すぎるアーティストかも知れません。

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