こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

久々にブレンデルのシューベルを聴きました。

2021年03月21日 23時47分08秒 | シューベルト
3月9日にジェームス・レヴァインさんが逝去されました。晩年は健康問題やセクハラ問題もあったりでしたが、1980,90年代の活躍は目を見張るものがありましたね。特にメットを40年以上も率いたり、MPOやボストン響の音楽監督などを歴任されました。メットとのワーグナーの指環、VPOとのモーツァルト交響曲全集などがまず思い出されます。モーツァルトのピアノと管楽器の五重奏曲でのピアノもよかったです。ご冥福をお祈りいたします。

ということで、今回はシューベルト。前々回に続いてピアノ・ソナタであります。私はシューベルトの音楽で最もよく聴くのは、ピアノソナタですねえ。というより最も好きであります。最晩年の三曲、そしてD.800番台の16-18番の三曲。これらが聴く機会が多いですが、それ以前の13番、14番もいいですよね。今回は、第14番イ短調D.784であります。1823年に作曲されましたが、生前には出版されず、死後11年がたった1839年にディアベリ社から出版されました。三楽章からなり、約20分くらいの彼にしては短めの曲であります。

そんな曲を取り上げたのは、久々にアルフレッド・ブレンデルの演奏を聴いたからであります。ブレンデルは、ご存知のとおり1970年代と80年代に主要なピアノ曲の録音をされていますが、それとは別のライブ音源を集めた二枚組をもう20年近く前に買いました。このCDは、14,15,18,20,21番が収められており、ザルツブルク音楽祭やフランクフルト、ロンドンでのライブが音源となっています。14番については、1984年8月のザルツブルク音楽祭のライブであります。

ブレンデルは2008年に引退され、もうあまり話題になることもなくなった感がありますね。1931年のお生まれなので、もう90才を越えてらっしゃる。この人、よくよく考えてみると、それほどレパートリーが広いわけではないですね。モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンあたり。ショパンやバッハはCDがあまりないし、他も同様ですねえ。つまり独墺系が中心。中でも、ベートーヴェンやシューベルトは、3回も録音されているようです。

以前にもブレンデルのシューベルトは二度ほど取り上げました。このライブ盤は、長いこと聴いていなかったのですが、久々の聴くとブレンデルのよさはセッション録音の演奏と同じ印象を持ちました。そして、これまで以上にブレンデルのシューベルト、好きになりました。というのも、この演奏は、シューベルトのよさを決して声高にならず、しっとり、またそれでいて最大限に伝えていると思うからです。他の演奏で聴くと、なんだか食傷気味のシューベルトが消え去り、実に新鮮に、また独特の旋律が素直に心に染み込んでくるのでありました。何がよいのか。以前にも言及したのですが、他のいろんな演奏に比べると、際だった個性というより、実に淡々と語りかける。そして、ピアノの音色も澄んでたいそうきれいで、それがシューベルトのよさや旋律の美しさなどを際立たせているのであります。物足りないなどの意見もあるかも知れませんが、私にとっては、そんなことは全く思わないのでありました。

この曲は、短調の曲なんですが、ブレンデルはそれをひたすら強調することなく、淡々進めて行きます。第1楽章も短調とは思えないよな演奏。でもそれが気にならず自然に曲の良さを実感させてくれますね。テンポも多少ゆったりめ。第2楽章、この楽章好きです。ゆったりと美しい旋律が歌い上げられていますねえ。本当に美しい。そして第3楽章、非常にきれいなピアノでの展開。感情に起伏もそれほどなく、ある意味穏やかに進み、それがまたよさを引き立てているように感じます。最後に、ピアノの演奏が完全に終わっていないのに、拍手が起こっていました。

昨日は春分の日。暖かくなりましたね。桜もちらほら咲きかけています。緊急事態宣言も終わり、いよいよ春本番!となればいいのですがねえ。なかなかそうはならないですねえ。ほんとに心配であります。
(Philips 475 7191 2005年 輸入盤)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« CPE.バッハの四重奏曲 | トップ | CPE バッハの協奏曲 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (クレモナ)
2021-03-27 22:17:54
ブレンデルのシューベルトは、良いですね。自分も結構、持っていたのですが、気がつけば、手元に殆どありません。あまり、聴かないのです。13番が好きなのですが、後期の曲は、長すぎます。ベートーヴェンも、30番以降は短くなったのに、シューベルトは違いますね。メロディメーカーの面目躍如といったところでしょうか。
さて、プロ野球が始まりました。他のスポーツも色々やっていますが、コロナの拡大が収まりません。各県の知事が、外出の自粛だ、3密回避だ、大人数で飲食はするなといっても、桜は咲き誇り、陽気な気候に、人流は減る気配がない。4月に入ると、恐ろしい感染者数が出るのでは、ないでしょうか。
ところで、今年も、巨人とSBが、力強くスタートを切りましたね。ロッテもSBを開幕で、ガツンと叩くと面白いのですが、今年はダメかな?
返信する
コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2021-03-29 14:02:07
クレモナ 様、コメント感謝です。ブレンデルのシューベルト、いつも80年代のPhilips盤を聴いていたのですが、今回ライブ盤の存在を思い出して聴きました。こっちもなかなかいい演奏ですね。端正なところが好きです。
コロナも、今週中に500人、来週には1000人と増えないように願っていますが、どうでしょうね。減る要素はないですからねえ。
マリーンズ、ホークスに三連敗。まだ始まったばかりですが、今年は去年のようにはいかないみたいであります。とほほ。
また、ご教示ください。
返信する

コメントを投稿

シューベルト」カテゴリの最新記事