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こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

『悲愴』ソナタは、グルダで。

2018年12月09日 15時58分43秒 | ベートーヴェン
以前にも申しましたが、9月から毎日5㎞前後走っています。帰宅後、夕食までの間に約30分ほど頑張っています。先週には5.3㎞を29分。調子よく走っています。ただ、仕事や飲み会などで走れない日があると、翌日はしんどいので、毎日走りたいのですが、なかなかそうもいきません。お陰で、体はなかなか調子がいいです。でも、体重はそれほど変わりませんね。これから寒くなるので、つらいですが、来年の神戸マラソン出場を目指し、頑張ります(笑)。

ということで、今回もベートーヴェンのピアノ・ソナタであります。『告別』『熱情』と続きまして『悲愴』であります。32曲中標題つきの曲は多いのですが、ベートーヴェン自身が付けたのは、この『悲愴』と『告別』の二曲だそうです。1797年から98年ごろに完成され、ウィーンで「Grande Sonate Pathetique」のタイトルで1799年に出版されました。初期のソナタの中では、頂点となるもので、旧作とは一線を画すことがこのタイトルからも知られます。そんなピアノ・ソナタ第8番ハ短調作品13『悲愴』であります。

この曲は、前後のピアノ・ソナタに比べても、抜群に有名です。特に第2楽章は、何度聴いてもいいなあ、と思う名曲ですね。こんな曲を自分でも弾けたらいいなあ、と思いますねえ。全3楽章でみても三大ソナタと言われるのも頷ける名曲であります。当然、たくさんの演奏がありますが、私が好きなのは、ケンプとグルダの演奏であります。今回もどっちかな、と思ったのですが、フリードリヒ・グルダの1967年録音のAmadeo盤ということで。

グルダのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲は、このAmedeo盤の他に、Deccaの1954~8年のノラル・セッション録音と、近年Orfeoから復刻された1953年10月~54年1月にウィーンでの録音があります。後者はともにモノラルなので、このAmadeo盤が重要というより、名盤として知られているものです。グルダは、なかなか変わった人と言われていますが、バッハの平均律や、モーツァルトの演奏、そしてこの全集、至極まっとうで、ピアノ演奏の規範とも言えるものと思います。

まず、聴いて心に実にすっと入って来る。なんのためらいも違和感もなく、素直に聴けます。しかし、演奏は、実にいろな仕掛けがある。心憎い演出も多くあります。ここでこうくるか、とか、お驚き、意表を突かれることもあるが、この直感的なグルダの演奏は、実に素晴らしい。技術的にも圧倒されるし、ピアノもベーゼンドルファーの美音に終始しています。そして全体的には、個々のグルダの仕掛けもほどんど意図的とは思わず、真っ直ぐな演奏となっているが、凄いのです。これに比べると、バックハウスやケンプやホロヴィッツなど、クセのある演奏に聞こえますねえ。

全曲、素晴らしいのですが、まず第1楽章、冒頭の和音から圧倒されます。躍動感・生気にあふれ、一気に駆け抜ける爽快感もあります。ここまで弾ききっている演奏は他ではなかなか聴けません。ところどころでゆったりとしたテンポで消え入るような表情たっぷりの箇所もあり、そこでグッときますが、それも効果的で、合わせての快演であります。第2楽章、やはりこの主題は聴かせますね。どんな味付けをしてくれるか。ここでグルダは、物静かに自然に語りかけるようなピアノで、それほど情感を込めてとは感じませんが、やはりいいすねえ、。中間部からは、次第に音が大きくなって、再現部に入り、次第に小さくなっていくようなところもなかなかであります。いろんな仕掛けがまっすぐに聞こえる凄味がある。そして、第3楽章。緩から急へのロンド。ここでも一気に駆け抜ける爽快感ですが、前楽章の憂いを引き離すようなと思えば、綿密に展開されるところを散りばめながら、それがアクセントのようになっていますね。全体的には、劇的に展開していくところが何ともすごいのでありました。

ところで、練習を一日休むと、取り戻すのに三日かかるとよく言われましたが、一日走るのを休むと、そんなイメージになります。毎日走りたいのですが、なかなかそうもいきませんね。
(eloquence 476 8761 2005年 輸入盤)

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Unknown (クレモナ)
2018-12-15 20:09:26
寒くなってきましたが、如何ですか?
さて、このグルダのBOX、私も同じものを持っています。まだ、全てを聴いてはいませんが、大切にしています。先日、悲愴を聴きました。このセットとは別のCDですが、やはり、ベーゼンドルファーの心に沁みる音質が感じられる、良い演奏ですね。昔、LPで持っていた時は、録音がイマイチだと思い、あまり好きな盤ではありませんでした。やはり、アシュケナージなどが弾く、スタインウエィの音色に、魅力を感じていました。CDになっても、LPの時の感じは残っており、目の覚めるような音ではありませんが、ベートーヴェンは、これで良いのではと、思うようになりました。歳の所為でしょうか?バックハウスのベートーヴェンも、ベーゼンドルファーだと聞いていますが、さすがデッカの録音なので、アマデオのような音色には、なっていません。ハスキルも同じピアノで、木質の響きが感じられます。フォルテピアノの音には違和感がありますが、ベーゼンドルファーくらいの音が、ベートーヴェンには合っていると、思いませんか?
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コメント、感謝です。 (mikotomochi58)
2018-12-16 22:45:04
クレモナ 様。コメントありがとうございます。やはり12月になると、それなりに寒くなりますね。呉々もご自愛ください。グルダのソナタ、この曲のスタンダードとも言えるものかなあ、といつも思っています。私は、実はそれほどピアノの種類については、意識しなかったんです。ベーゼンドルファーやベヒシュタインの方が、スタインウェイよりは、やはりいいよ、という程度です。ただ、最近はFAZIOLIに注目しています。お恥ずかしい。ですので、またご教示いただければ、幸いです。
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