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仲道郁代さんのベートーヴェン 2

2023年12月03日 23時58分00秒 | ベートーヴェン
米国のキッシンジャーさんがお亡くなりになりました。この人の業績はさておき、朝日新聞の記事には、その最後に「1923年ドイツで生まれたユダヤ人。ナチス迫害を逃れるため、38年に家族と渡米した」と。ユダヤ人であることを明記することって多いよな、と思ったのですね。白人の他の民族については触れられるとはないのに、なぜなんでしょうねえ。迫害を受けたため渡米したことが述べたかったからでしょうが、ふとそんなことを思いました。

まあ、そんなことで今回は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第4番変ホ長調作品7であります。演奏は、仲道郁代さんであります。仲道さんのベートーヴェンについては、以前にも触れたことがあります。ピアノ・ソナタは全曲録音されており、その中からの1枚であります。2003年6月3~7日彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールでの録音です。仲道さんの全集、全部で11枚からなりますが、その中での2枚目の発売のCDです。早い時期の録音になりますね。

このCDは、先日たまたま立ち寄ったブックオフで見つけました。仲道さんのCDはいくつか出てて、その中からこのCDを一枚買いました。792円でした。二枚組で第4番、第11番、第15番『田園』と、ボーナストラックとして「ピアノ・ソナタ『田園』を巡る対話~諸井誠&仲道郁代レクチャー・コンサート(第4回」より」が収められています。約21分。この対話については、まだ聴いたことがありません。

昨年の5月に仲道さんの『知の泉』と題されたピアノ・リサイタルを西宮芸文センターで聴きました。ベートーヴェン『テンペスト』、ショパンのバラード第1番、ムソルグスキーの『展覧会の絵』などのプログラムだったんですが、そのときも演奏の前に仲道さんのお話がありました。なかなか興味深いお話だったんですね。いろいろと考えられているなあと思いました。

それで、このピアノ・ソナタ第4番ですが、1797年10月にウィーンのアルタリアから出版され、ケグレヴィチ伯爵令嬢バルバラへと献呈されました。ベートーヴェンのピアノ・ソナタの中でも、『ハンマークラヴィーア』につぐ長さですねえ。私的にも、好きな曲ですねえ。と言っても、ベートーヴェンの32曲にソナタ、すべていい曲ですがねえ。仲道さんの演奏は、取り上げるのは2度目ですが、いい演奏なんで、このソナタシリーズは他の曲も聴きたいと思いました。

仲道さんのピアノ。まず音色がきれいですねえ。弱音から強音まで実に滑らかでしなやかなピアノ。そして、聴いていて非常に演奏に引き込まれていきます。曲がたいそう素直に心に入って来るのは、平常心のまま聴き続ける事が出来る演奏であり、それは自分が思い描いていることと合致していることによるものと思う。仲道さんの描くベートーヴェンは、端正であり、優しく、そして時には鮮烈でもありますが、全体的には、とてもまっとうな美しさにもあふれています。そして、曲によさが非常によくわかる。この曲のよさが引き立っている演奏であります。

第1楽章、まず大胆な強打が鳴り響く。爽快でもあり、それでいて落ち着いたところは、滑らかであり、鮮明でもある。始まりから堂々としたピアノであります。第2楽章、一転して穏やかでゆったりしたピアノの世界。弱音が美しい。一音一音が光り輝くようです。ベートーヴェンの美の世界がとても魅力的であります。第3楽章正にスケルツォ。聴きやすい旋律が、滑らかなピアノで歌われる。中間部では轟くような音符が明快です。第4楽章。ここでも滑らかさが美しい。そして、ベートーヴェンらしい旋律が明快に提示され、鳴り響く。最後まで、整然とした演奏であります。ほんとうにベートーヴェンのピアノ・ソナタはいいなあと思わせてくれるのでした。

いよいよ師走であります。年末ですねえ。年末にはなんと言っても忘年会!。先週末はその第
1回目がありました。まあそんなことでしか会えない、または会わない人もいるので、それはそれで楽しいですねえ。飲み過ぎないようにしないと、であります。
(RCA BVCC-34112/3 2004年)

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