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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

秋のはじめにシューマン

2023年10月01日 23時55分00秒 | シューマン
前回、ムラヴィンスキーによるチャイコフスキーの悲愴を取り上げましたが、取り上げた翌日の訪問者数と閲覧数が、2204人と3386件を記録しました。平常の数値は、だいたい300~400人と500~600件くらいなんですね。過去にもこんなことがありました。まあ、こんな数値はどうでもいいのですが、なぜこれだけの数になったか。ムラヴィンスキーの力か、タワーさんからのSACD発売があったからか、詳細はわかりませんが、まあ少しびっくりしました。

ということで、もう一度ムラヴィンスキーのチャイコフスキーとしてみようか、とも思ったのですが、まあ、それもなあ、ということで、今回はシューマンであります。シューマンって以前にも申しましたが、まあ聴きませんねえ。このあたりの作曲家で、メンデルスゾーン、リスト、それにシューマンと、ロマン派作曲家聴かない三巨頭かもしれません。事実、シューマンを以前に取り上げたのは、2017年11月ですから、まあずいぶん前ですよねえ。取り上げた曲は、弦楽四重奏曲でした。

それで今回は、交響曲第1番変ロ長調作品38『春』であります。ヨーゼフ・クリップス指揮ロンドン響による演奏です。1957年5月ロンドンでの録音。このCDは、ブラームスの交響曲第1番と一緒に収められています。クリップスの演奏は、あまり聴かないですねえ。1902年ウィーン生まれで1974年没。オーストリアなどの歌劇場で活躍し、戦後はロンドン響などの首席指揮者も歴任しました。オペラ、とくにモーツァルトとRシュトラウスが得意だったようです。

一方、シューマンですが、これまた多くの名演奏がありますが、近年では古楽器系がモダン・オケストラを押しやっている現状。後者では、スウィートナー、バーンスタイン、サヴァリッシュ、クレンペラー、コンヴィチュニーなどの演奏が有名でしたかねえ。このクリップスの演奏は、残念ながら、このCDを聴くまでは、まったく知りませんでした。このCDもユニバーサルの「20世紀の巨匠シリーズの「ヨーゼフ・クリップスの芸術」(10CD)の一枚で、1200円(中古で買ったので、もっと安かった)であります。

ということで、このクリップスの演奏ですが、まあ一言で言うなら、優美で角張ったところがない。全曲を通じて、たいそう穏やかで声高になることもなく、強奏やスケールの大きさなどとは無縁。ロンドン響の響きも優雅であり、実にまろやかで優しいのでありました。シューマンってこんなに優しいのうーん、なんだかやっぱりクリップスの演奏やなあ、と思うことしきりであります。私にとってシューマンの音楽は、それほどいいな、と思うことが少ないのですが、このクリップスの演奏は、自然に心に染み込んできます。すべての楽章において、その旋律がとてもいいのです。ロンドン響の音色も実に美しい。このような演奏がシューマンに合っているのかどうかは、いろんな意見があると思いますが、ガチガチのガンガン響く劇的な演奏もいいのですが、案外、シューマンにはこんな演奏もいいな、と思うのでありました。

第1楽章、冒頭から非常に柔らかく、まろやかな音色。特に、弦楽器が非常に優しい。そして、オケは室内楽的に、おそらくは規模もそれほど大きくない、と思えるような演奏になっていますねえ。第2楽章、弦による優しい主題が、夢見るように歌われます。弦に続き、木管も滑らかに歌いあげる。この楽章はいいですねえ。心が和んでいきますね。第3楽章スケルツォ。端正なスケルツォですね。クリップスの演奏はここでも優美で、そして安定感すら感じるのが、とても心地よいです。そして、終楽章、落ち着いて決して平常心を乱さない。これまでのオケの美音と精密な演奏に最後まで終始するところは、安心して聴いていけますね。そして、聴き終わっても、さわやかな気持ちになるところもいいですねえ。

冒頭で、閲覧数などのことを触れましたが、もしかすると、ムラヴィンスキー関連ではなく、水田さんのことに言及したので、それもあるのかもしれませんねえ。まあ、いろんなことがありますねえ。そんなこんなでもう10月になりました。
(DECCA UCCD-3822 2007年)

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2 コメント

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Unknown (popotoku)
2023-10-02 18:39:11
クリップスはモーツァルトの交響曲やオペラを好んで聴くのですが、シューマンのこの録音もよいですね。春という名称にふさわしい演奏です。ところで、この演奏では珍しく冒頭のファンファーレが通常より3度低いB♭の音で始まりますが初稿版でしょうか?
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2023-10-08 18:26:35
popotoku 様、コメント感謝です。クリップスは、モーツァルト以外はあまり聴いたことなく、カンカンに入ったベートーヴェン交響曲も聴きたかったのですが…。シューマンも初めてでした。冒頭のことは、他の演奏と比べてみるとわかるかも知れませんね。私はおそらくあまりわからないと思いますが(笑)。またご教示ください。
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