こんなCDを買った!聴いた!

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「オーパス蔵」のフルトヴェングラー

2013年08月03日 23時01分41秒 | ブラームス
先日、昨年に引き続き、職場の同僚がタイに行くので、そのお見送りに関空に行ってきました。今年はお前が行け、というお話もあったのですが、10日間の日程ですし、出不精な私に取ってはどうも重荷でありますし、外国の食事や飛行機もどうも苦手なので、遠慮させていただきました。うーん、行ってみたい気持ちもあるんですがねえ…。それで、その帰りに三宮のタワーさんに寄ってみました。

三宮のミント神戸にあるタワーさんですが、少々売場が狭くなりましたね。売れないんですかね。そんで、ワゴンセールの中に、オーパス蔵のCDが一枚1050円で安売りしていました。このレーベル、昔のSPなどからのリマスタリングをして発売しているものですが、なかなかいい音で聴かせてくれるのです。私はけっこう気に入っております。ですので、たまに安売りをしていると、思わず買ってしまうのでありました。特に、フルトヴェングラーなどの戦中のライブなどは、非常にいい音になっているんですねえ。

というわけで、今回はオーパス蔵からフルトヴェングラーの1943年12月12日から15日にかけて4日連続で行われたベルリン・フィルハーモニーザールでの定期演奏会のライブ録音。ブラームスの交響曲第4番ホ短調作品98であります。フルトヴェングラーのこの曲の演奏としては、他に三種類ありますが、最も有名なのは、1948年10月のライブではないかと思います。しかし、この1943年は、ナチスドイツの敗色が濃厚となった時期のもので、11月23日にはベルリン・ドイツ・オペラ歌劇場が破壊されました。ナチス憲法は制定されてなかったですがね(笑)

まず、このオーパス盤、なんと言っても音が良いです。最初聴いた時は、まずノイズが耳に付きましたが、聴き進むにつれて、それが気にならなくなる。なぜかというと、リマスターされた、このSPに録音されていた音が非常にいい音なんです。気がつけば、ああこれはモノラルでSPの音源よなあ、って改めて思い出さないといけない、それくらい音がいいんです。楽器から奏でられる音色が実に素晴らしい。一言で言うなら,生々しい音といえるでしょうかねえ。フルトヴェングラーのシングルレイヤーのSACDもいい音で聴けますが、ことらの方がより感動の度合いが上、と思っています。それほど魂に訴えかける音になっているように思います。

さて、フルトヴェングラーの演奏ですが、テンポは少し早めですが、やはり一つ一つのフレーズが実にいい。明快で骨太で力強い。それに迫力満点で、テンポの自由な設定も、うねるようなメロディも効果的です。やはり、ブラームスもフルトヴェングラーで聴きたいなあと思わせてくれるのでありました。第1楽章は、出だしか沈痛な様子ですが、弦の美しい音色が印象的ですねえ。そして、ゆったりと曲が流れていきます。これに加わるのがBPO。なかなか暗めのながらも、鮮烈な音であります。また重く引きずっていくようなところも随所に聴かれ、フルトヴェングラーがいい意味での堂々したブラームスを展開しています。そして、第2楽章ですが、うねるような主題が縦横に繰り広げられる。なにげないメロディだけれども、心に染み込むます。強弱のバランスもほんとに上手い。フルトヴェングラーはこんな演奏も実に巧で、琴線に触れるような音楽を醸し出してくれます。そして、緊張感も尋常ではありません。そして、一転して第3楽章スケルツオ。堂々とした奥行きの深い音楽が展開。オケも見事な音が展開され、終楽章向かって、緊張感が嫌が上でも高まります。そして第四楽章。ここまでくると1943年のライブとは思えなくなる。音に生命力が加わって、音楽に魂を感じる。次の音が待ち焦がれるような緊張感と一音でも疎かにしないぞと言う緊迫館にあふれて、曲が進んでいきます。そして次第に高揚感がたかまっていくあたりは、やはりフルトヴェングラーですねえ。ほんとに満足であります。

オーパス蔵は、ほんとにいい音で聴かせてくれます。まさに入魂のリマスターですねえ。でも、これでSACDにすれば、もっといい音になるんでしょうかねえ。
(オーパス蔵 OPA7012 2005年)

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