
衆議院が解散されました。安倍さんがテレビにいろいろと出て頑張っていましたが、なんだか一生懸命弁明しているようでした。話せば話すほどどうなんかなあ、と思ってしまうようでした。加えて、民進党の解党、思い切ったことをしますね。もう破れかぶれみたいです。前原さんって徳川慶喜みたいですねえ。でも、137名の代議士が所属する政党が、旗揚げしたばかりで、政策も打ち出していない団体に合流するとは、なんと奇妙であり、いったいどうなるんでしょうかねえ。政界って何が起こるかわかりませんねえ。
ということで、今回はティーレマンのベートーヴェンであります。 ティーレマンのベートーヴェンは、VPOとの全集がありますが、その約10年前の1996年7月にロンドンで録音されたベートーヴェンの交響曲第5番と第7番があります。このCDは、ティーレマンのデビュー盤であったように思います。オケはPO。ティーレマンは、まだ30才代の後半でありました。ジャケットの写真を見ても、現在よりも細目で若々しい雰囲気がありますね。
最近、このティーレマンの演奏をよく聴くんです。特に、ブルックナーなどを聴きましたが、ベートーヴェンは初めて聴きます。実は、VPOの全集も発売と同時に買ったのですが、ほとんどなぜか聴いていないのです。なぜか聴く気にならないのです。もったいないですね。だからこのベートーヴェン、ちょうど中古やさんで見つけたので、買いました。600円でした(安かった)。でも、ベートーヴェンの交響曲って、新しい録音はあまり聴きませんね。このティーレマンのは新しいわけではもうないのですが、新しいな、って思ってしまうのですねえ。ということで、ベートーヴェン交響曲第5番ハ短調作品67『運命』であります。
ティーレマンの演奏、モダン楽器を駆使してこれまでの伝統の上に立脚したもので、どこか懐かしい響きや音色を感じさせます。やはり、オーケストラのよさや美しさを存分に引き出し、ベートーヴェンの音楽ってこんなのだったよなあ、と思わせてくれるのであります。オケはPOですが、実にいい音を響かせています。特に、低弦の響きが実にまろやかで、コクがありますね。そして、木管が艶のある明快な、実に悩ましい音色であります。そして、ティーレマンの指揮は、最初から威勢がよく、実に気持ちいい。オケに美音を引き出すこともいいし、テンポの自由な揺れは、曲の説得力を増しているようです。ただ、全体的に明るいのでしょうか。威勢の良い音楽で、そちらに耳が奪われていますが、この曲の持つ苦悩や深さはそれほど感じないのは、そんなもんなんでしょうか。それ以上に、曲の細部までの見通しが非常によいことが、この演奏を極上のものにしているのであります。
第1楽章、冒頭から威勢の良い響きに耳が奪われます。ここでも低弦の充実振りが音楽をしっかり支えています。そして、曲が進むにつれて意気高揚していき、心が動かされる。ある意味、血湧き肉躍る展開に大いに耳が釘付けになります。ただ、壮絶さが今少し欲しいですかねえ。第2楽章。出だしは少々押さえ気味で、物足りなさを少し感じる。しかし、それぞれの楽器の美音が静けさの中で響くのはいいでえすね。次第に声が大きくなっていき、明快な響きに圧倒されるようなところが、これまた気になるが、ただ曲が次第に熱を帯びていくところは、実に気持ちが良いです。第3楽章スケルツォ。颯爽と曲が進んでいくところは鮮やかであります。ホルンによる主題も鮮明であり、第4楽章へむかっていくところでも、わくわくする快感がある。そして、第4楽章の圧倒的な高揚。曲のよさを十二分に活かしながらも、終楽章に相応しい盛り上げを聴かせてくれる。それは鮮やかであり、耳は釘付けになり、大いに心が揺さぶられるのでありました。さすがにベートーヴェンと確信をもって曲が終わります。コーダも立派であります。伝統的なものの上に立脚した現代の運命であります。
しかし、このティーレマンさん、できればBPOの音楽監督になってもらいたかったように思います。こんなことを思うのは私だけでしょうか。とはいえSKDで頑張ってもらいたいですね。
(DG POCG-10020 19976年)
ということで、今回はティーレマンのベートーヴェンであります。 ティーレマンのベートーヴェンは、VPOとの全集がありますが、その約10年前の1996年7月にロンドンで録音されたベートーヴェンの交響曲第5番と第7番があります。このCDは、ティーレマンのデビュー盤であったように思います。オケはPO。ティーレマンは、まだ30才代の後半でありました。ジャケットの写真を見ても、現在よりも細目で若々しい雰囲気がありますね。
最近、このティーレマンの演奏をよく聴くんです。特に、ブルックナーなどを聴きましたが、ベートーヴェンは初めて聴きます。実は、VPOの全集も発売と同時に買ったのですが、ほとんどなぜか聴いていないのです。なぜか聴く気にならないのです。もったいないですね。だからこのベートーヴェン、ちょうど中古やさんで見つけたので、買いました。600円でした(安かった)。でも、ベートーヴェンの交響曲って、新しい録音はあまり聴きませんね。このティーレマンのは新しいわけではもうないのですが、新しいな、って思ってしまうのですねえ。ということで、ベートーヴェン交響曲第5番ハ短調作品67『運命』であります。
ティーレマンの演奏、モダン楽器を駆使してこれまでの伝統の上に立脚したもので、どこか懐かしい響きや音色を感じさせます。やはり、オーケストラのよさや美しさを存分に引き出し、ベートーヴェンの音楽ってこんなのだったよなあ、と思わせてくれるのであります。オケはPOですが、実にいい音を響かせています。特に、低弦の響きが実にまろやかで、コクがありますね。そして、木管が艶のある明快な、実に悩ましい音色であります。そして、ティーレマンの指揮は、最初から威勢がよく、実に気持ちいい。オケに美音を引き出すこともいいし、テンポの自由な揺れは、曲の説得力を増しているようです。ただ、全体的に明るいのでしょうか。威勢の良い音楽で、そちらに耳が奪われていますが、この曲の持つ苦悩や深さはそれほど感じないのは、そんなもんなんでしょうか。それ以上に、曲の細部までの見通しが非常によいことが、この演奏を極上のものにしているのであります。
第1楽章、冒頭から威勢の良い響きに耳が奪われます。ここでも低弦の充実振りが音楽をしっかり支えています。そして、曲が進むにつれて意気高揚していき、心が動かされる。ある意味、血湧き肉躍る展開に大いに耳が釘付けになります。ただ、壮絶さが今少し欲しいですかねえ。第2楽章。出だしは少々押さえ気味で、物足りなさを少し感じる。しかし、それぞれの楽器の美音が静けさの中で響くのはいいでえすね。次第に声が大きくなっていき、明快な響きに圧倒されるようなところが、これまた気になるが、ただ曲が次第に熱を帯びていくところは、実に気持ちが良いです。第3楽章スケルツォ。颯爽と曲が進んでいくところは鮮やかであります。ホルンによる主題も鮮明であり、第4楽章へむかっていくところでも、わくわくする快感がある。そして、第4楽章の圧倒的な高揚。曲のよさを十二分に活かしながらも、終楽章に相応しい盛り上げを聴かせてくれる。それは鮮やかであり、耳は釘付けになり、大いに心が揺さぶられるのでありました。さすがにベートーヴェンと確信をもって曲が終わります。コーダも立派であります。伝統的なものの上に立脚した現代の運命であります。
しかし、このティーレマンさん、できればBPOの音楽監督になってもらいたかったように思います。こんなことを思うのは私だけでしょうか。とはいえSKDで頑張ってもらいたいですね。
(DG POCG-10020 19976年)
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