西洋医学だけじゃないぜ  中国 台湾・韓国も! 「伝統の知恵」の成果

そうですよ

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【中国のコロナ戦争 漢方作戦とその実態】中国ばかりではない台湾・韓国も! 武漢封鎖の裏で知られざる「伝統の知恵」の成果

 新型コロナウイルスの第3波が猛威を振っている。政府は2度目の緊急事態宣言を発したが、感染の勢いは止まらない。

 ところが、世界が恐怖に陥っている中、発症国である中国はWHOがパンデミックを宣言した昨3月14日からほぼ1カ月後の4月8日の時点で、武漢の野戦病院の封鎖を解除して事実上のコロナ終息宣言をしている。

 日本では、感染の急拡大にPCR検査も思うように受けられない上、感染しても症状が初期であることを理由に入院待機者が1月初めで3万8000人を超えていた。いら立ちまぎれに、「あの一党独裁国家に学べ」という声まであるが、果たして真相はどうなのか。探っていきたい。

 世界の有識者の一部は中国が日米欧に先駆け新型コロナの制圧に成功した理由を、感染との格闘を「戦争」と認識し、「党の存続」を賭けて国家権力を振るったことにあるとみている。

 確かに、人口1100万の大都市を完全に封鎖した上で、「早期診断」「早期発見」「早期隔離」「早期治療」の「4早」政策を掲げ、1000床規模の火神山、雷神山病院を10日で武漢に建て、全市民にPCR検査をしたことは強権を発揮できたからだ。

 だが、これがすべてではない。強権を発動した裏で中国政府は大まじめに、対処していたことがある。

 治療法のない新型コロナに対し、効能がわからなかったエボラ出血熱のためのレムデシビルや抗インフルエンザのために開発されたアビガン、さらに感染した回復期患者の血漿(けっしょう)を使うなど様々な薬品を試す一方で、伝統の「漢方薬」や「針」さらに「お灸」を含めた伝統の知恵を総動員して治療に当たり、成果を出していたのだ。

 漢方を重んじたのは中国ばかりではない。中国と違って権力でなく、人権をベースに置いてITを駆使することで新型コロナに勝った台湾はもとより、漢方と呼ばず“韓方”と名乗るほど独自の発展を遂げた韓国も朝鮮ニンジンに代表される韓方を用いて戦った。

 ところが、日本は昨年の第1波が押し寄せた際と同じように、関係者が「3密(密閉、密集、密接)を避けて…」とオウム返しに言うばかりか、このまま感染者が激増すれば「医療崩壊が始まる」と医師の団体などが国民を脅しさえする。

 しかも、確たる治療法がない中で、漢方医が、「漢方治療の考え方」と提言を繰り返しても関心を示さない

 ワクチンに時間がかかり、新型コロナの治療薬がない中で、初期症状に効果があるとされている漢方を無視することは、日本にとって損である、と中国取材を続けてきた筆者はみている。

 今のところ、日本で使っている治療薬は重症患者に対するレムデシビルとテキサメタゾンだけである。しかも、確実に効くというものではない。

 だからこそ、感染初期に効果を発揮する漢方の特性を生かし、西洋医学と役割分担して治療のできる態勢を整えるべきだと考える。次回から具体的な「漢方」の現状を見ていく。

 松山徳之(まつやま・とくゆき) 長野県生まれ。明治大学卒、証券会社、専門紙記者を経て『週刊エコノミスト』で別冊『中国エコノミスト』を創刊。2007年、仕事場を上海に移し、庶民の住む古いアパートに住み、様々な階層の中国人と付き合う。著書に『AIIBは崖っぷち中国の延命トリックだ』(河出書房新社)など。

 

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