猫絵日記

絵を描きながら、猫と私のささやかな日常を綴っています。

ルドルフ 突然の「さよなら」

2015-05-13 06:00:00 | 日記


私は、なぜ、あの日、あの時間、あの道を通ったのだろう。
仕事へ行く方向とは全く反対だった。何の用があったのだろう。全く思い出せない。

9月1日。子供たちの、2学期の始まりの日、…それは夕方だった。

(でももし、あの時「ルドルフ」に会わなかったら、いつまでも「ルド」はどこかで生きていると信じていたかもしれない。あきらめきれなかった…。)


自転車で5,6分のところに、その場所はあった。
家の近くの広い国道。 車が激しく行き交う。
まだ、夏の日差しが夕方になっても残っていた。

その歩道の街路樹の陰に、黒い猫は横たわっていた。
通りがかって、一瞬、思わず目をそむけた。
「かわいそうに…。国道でひかれたんだ…。」

次の瞬間、ハッ…とした。
「ルドルフ?」
似ているけど… まさか…
「まさか…!! まさかだよね…  ルドルフ!!」

急いで、自転車をとび降りて駆け寄った。
黒い猫は、すでに死んでいた。

もうだいぶ時間がたっていたのだろう。
固く、つめたかった。
黒い体が砂と血で汚れていた。

おそるおそる、砂を払って黒猫のおなかを見た。
「違うよね… 絶対違うよね。」

半月前、あのネズミ取りで毛が抜けたところが…
少しうぶ毛が生えかかっていた。

信じたくなかった。…でも…
それは紛れもなく、「ルドルフ」だった。



あわてて、子供たちに知らせ、ルドを運ぶ段ボールの箱を持って戻ると、……「ルドルフ」はそこにはもういなかった。

たぶん、昨夜、車にひかれたのだろう。
時間がたって、近所の人が、見かねて、引き取りを清掃局に依頼したのだろう。

「ルド」は私たちの元には、戻らなかった。そのまま消えていなくなった。
会ったのは、30分前だったのに…。



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