「鈴木家の嘘」
2018年
【Amazon Prime Video】
長男の死によって巻き起こる家族の混乱と再生をユーモアを交えて温かく描くドラマ
鈴木家の長男で引き籠りだった浩一(加瀬亮)が自室で自殺してしまいます
第一発見者の母・悠子(原日出子)はショックのあまりその場で倒れてしまい、病院で目覚めた時には記憶を失っていました
浩一のことを気に掛ける悠子のため、父・幸男(岸辺一徳)と長女で高校生の富美(木竜麻生)は、浩一は部屋を飛び出して今は遠くアルゼンチンにいる叔父(大森南朋)の元で元気に働いていると嘘をつきます
嘘を通すためにアルゼンチンの知り合いにメールを出してもらうなど、あれこれ画策するシーンはコメディの様相を呈していますが、合間に挟まれる、父や富美と浩一との過去の軋轢、苦悩から、本作がそんなお気楽な内容ではないことが見えてきます
終盤になって長女の富美の心情が吐露されると「あ、そうだったのか」と同時に「何故、そこに気づかなかったのか」と自分の思慮の浅さ、観察力の無さに動揺してしまいました
木竜麻生さんの演技が素晴らしかったです
残された家族は、その後の人生を後悔と無念の思いを抱えながら生きていかなければなりません
その辺りをごまかさず、逃げず、きちんと描いた作品でした
素晴らしいといえば
親戚の伯母さん役の岸本加代子さんの名古屋弁がネイティブ過ぎて感動的でした
調べたら方言指導は名古屋出身の海本きくえさん
三谷幸喜監督の「清須会議」でも指導されたようです
そういえば、大泉洋さんや鈴木京香さんの名古屋弁、お上手でした^^
「君が君で君だ」
2018年
【Amazon Prime Video】
愛する女性ソン(キム・コッピ)の好きな人物、尾崎豊、ブラッド・ピット、坂本龍馬になりきって自分の名前を捨て、10年間彼女を見つめ続けてきた男3人(池松壮亮、満島真之助、大倉孝二)
彼らは彼女の暮らすアパートの向かいに潜伏し、彼女を尾行して、写真を撮り、彼女と同じ時間に同じものを食べ、気づかれないようその動向を見守ってきました
ある日、彼女の部屋に借金取りが現れたことから彼ら3人の存在が露わになってしまいます
常軌を逸したストーカー行為に唖然
しかし彼ら3人には当たり前のことなのです
このような愛もありなのでしょう
ストーリーより池松さん、満島さん、大倉さんの演技を観る、そんな感じでした
この3人を前にしたら、常識人のように見える借金取りのYouと向井理コンビがウケました
姉御にたてつく向井理さんに対しYouの「何?反抗期?」の件に笑えました
もしかしたらアドリブだったのかしら(*´▽`*)
向井さんは、いくら頑張っても本物の悪人には見えません
ここまでやってくれるのならOK、かえって爽快さが残る作品でした
「花のあと」
2010年
【BSプレミアム】
原作 藤沢周平
東北の、とある小藩
幼いころから組頭を務める父(國村隼)に剣術の手ほどきを受けてきた寺井以登(北川景子)は女性でありながら剣豪としてその名を知られ羽賀道場の二番手、三番手を破るほどの腕前になっていました
婢と花見に出かけた折、羽賀道場の高弟、江口孫四郎(宮尾俊太郎)に声をかけられ手合わせの約束をします
父に願ってそれが実現しますが、剣を交えるうち自分が孫四郎に思いを寄せていることを自覚するも、孫四郎にも自分にも許嫁がいることからきっぱりと諦めます
その後、奏者番の娘・加世(伊藤歩)に壻入りした孫四郎が加世の不倫相手で用人の藤井勘解由(市川亀治郎、現・市川猿之助)の策略により切腹
江戸表から帰国した許嫁・才助(甲本雅裕)の手を借りて真相を知った以登は勘解由を呼び出します
50年前の18歳の時の思い出を孫たちに聞かせる形で物語は展開していきます(語り手・藤村志保)
北川景子さんの硬さが気になりましたが、軽々しい性格という設定の才助を演じる甲本雅裕さんのメリハリのある演技が素晴らしく、藤沢周平のユーモアと温かさ、優しさを十分に描き出していたと思います
婆はこの人と一緒になって幸せだった、とは言わなかったけれど、善き伴侶、7人の子、孫たちに囲まれた人生は悪いものではなかったのではないかしら
「いま、会いにゆきます」
2004年
【Netflix】
原作 市川拓司
夫(中村獅童)と息子(武井証)と、彼らの元に戻ってきた一年前に死んだはずの妻(竹内結子)が織りなす愛の奇跡を描いたドラマ
韓国版を鑑賞し、次はオリジナルを、と思っていたところに竹内結子さんの訃報が飛び込んできて暫く観られませんでしたが、ようやく気持ちが落ち着いてきたので腰を据えて鑑賞しました
この世にだた一人だけ、心から愛せる人の手を離してはいけない
切ないけれど優しい心持になれる作品でした
韓国版も良かったけれど、やはり日本版のほうがタイトルの意味がストレートに伝わってきてしっくりきます
竹内さん、本当に惜しい方を失くしました…
「記憶にございません!」
2019年
【日本映画専門チャンネル】
演説中に一般市民の投石が頭にあたり一切の記憶を失くした総理大臣・黒田啓介(中井貴一)
史上最悪のダメ総理と呼ばれていた黒田は金と権力に目が眩んだ悪徳政治家から善良な普通のおじさんに変貌してしまいます
国政の混乱を避けるため黒田が記憶を失ったことは国民に隠され、秘書官たち(ディーン・フジオカ、小池栄子)のサポートにより何とか日々の公務をこなしていきます
結果的にあらゆる柵から解放され真摯に政治と向き合うことになった啓介は本気でこの国を変えたいと思うようになります
現実の政治世界で、記憶を失った黒田のように真面目に政治の勉強をやり直す人がいれば、もう少しマシな国政になるのかも、と思いました
ラストは期待していたのより“普通”でしたが、今は“普通”が“普通”でなくなってしまった複雑な社会なのかもしれませんねぇ
三谷幸喜監督の世界でした
豪華出演役者さんたち、佐藤浩市、石田ゆり子、草刈正雄、吉田羊、斉藤由貴etc皆さん弾け飛んでいて楽しかったです♪
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致しますm(__)m
昨年はコロナ禍のせいで映画鑑賞本数は激減してしまいましたが、
今年は色んな意味で自由時間が増える年です。
コロナに負けず、リスクを避けつつ、
自分らしい時間の使い方を探っていこうと思っています。
よろしくお付き合い下さいね^^
この中では「花のあと」だけ、観ました。ロケ地となった山形県の先行上映でしたが、あれからもう10年にもなるのですね。なんともはや!
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/8d3201f73a243f87dd9e21415a225885
年末年始、PCに向かう時間が少なく投稿記事は拝読したものの挨拶にお邪魔もせず大変失礼しました。
今年も宜しくお願い致します。
自由時間が増えますか?
ますます奥さまとのお出かけが増えるのかな?
記事、楽しみにしていますね♪
>コロナに負けず、リスクを避けつつ、
自分らしい時間の使い方を探っていこうと思っています
私も同じく、縮こまってばかりはいられませんよね!
今年も宜しくお願い致します。
やっぱり!
ご覧になっていたのですね。
藤沢作品の映画、まだ観ていないのがあったのが嬉しかったです。
でも、こにさんの記事見て、またリスト入りさせて見てみようかなって思いました。
結果ダメでも一応、という程度で。
「いま、会いにゆきます」
私も同じく一度は消したのですが韓国版が良くて、レビューに日本版の方が良いという意見が多かったので観てみました。確かに、日本人には日本版のほうが心情的にあっていると思いました。
「鈴木家の嘘」
加瀬亮さんが観たかったので^^
想像以上にキビシイ内容でしたが観て良かったです。
ドタバタでコメディっぽいのかと思っていたら、
冒頭からショックなシーンでした。
予想とに反して重い映画でしたね。
でも、見て良かったです。
「いま、会いにゆきます」はまだリストの中です・・・。いつか見ますね。
コメディっぽく見せながら重かったですよね。
引っ越した後、それなり落ち着いた暮らしが出来ていれば良いな^^
いま、会いにゆきます
いつかそのうちに(*^^)v