訳・務台夏子
創元推理文庫
2018年 2月 初版
2018年12月 7版
解説・三橋暁
ロンドン、ヒースロー空港のビジネスクラス専用のラウンジで、ボストン行きの直行便を待つ実業家のテッド・セヴァーソンは見知らぬ美女リリー・キントナーに話しかけられます
マティーニのグラスを傾ける二人はたちまち打ち解け、テッドは酔った勢いで妻・ミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまいます
リリーはミランダは殺されて当然だと断言し協力を申し出ます
ところが、驚くことにミランダ側もテッド殺しを計画していたのです
リリーvsミランダ、女の戦いはどちらが勝つのでしょう
妻を亡き者にせんと夢想する男と、彼の背中をそっと押す見知らぬ他人
そんな運命の悪戯から始まる物語です
徐々に明らかにされるリリーの秘められた素顔に驚愕
テッドの妻殺しに協力することでさらに上塗りされていく彼女の異常さには寒気を覚えるほどでしたが、最後にはキャラの魅力でしょうか彼女を擁護したくなりました
犯罪小説であると同時にマイノリティの反社会性とどう向き合っていくべきかという難問を問いかける作品でもあります
あ、ボストン市警の刑事が冴えているようで抜けているのもよい隠し味になっていたかと^^
映画化の話があり脚本は完成しているとか
制作、公開されたら是非とも観てみたいものです
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