山の頂上にある、「生け贄」の場所と、ペトラ最大の神殿、通称「修道院」へ向けて延々と続く「古代の階段」を登っていきます。40度以上の気温の中、約二時間の登山です。
絶景ですが、谷底が丸見えで、少し怖いです。高所恐怖症の方にはかなりきつそう。
約300円くらい払ってロバに乗ってこの山を登ることが出来ますが、その方が、かえって怖い。ロバは必死になって、重い人間を乗せて歩きますが、左右にかなりグラグラと揺れるのです。
こういう所を、眼下の絶壁と谷底を見ながら、ロバでグラグラは、ちょと、何ですか、生きた心地がしないと思うのですが。
ここを登りつめれば「修道院」です。あー、しんど。しかし、「コバヤシ・グループ」の高齢者は、本当に元気です。この山を登らなかったのは、数名の「若い」参加者で、78歳の方を筆頭に、高齢者は皆、この山を登りました。
この巨大な神殿が、「修道院」です。ナバテア人のキリスト教時代に、実際に修道院として使われたそうです。
ここからさらに進み、頂上の「生け贄の場所」を目指します。
途中、振り返れば後ろにあの修道院が見えます。まさしく、絶景。
「世の果て」へ向かいます。とうとうここまで来たか。
では、頂上からのすごい眺めをご覧下さい。ここは火山の火口です。
この一番最後の写真が、「生け贄の場所」です。溝が掘ってあり、生け贄にされた動物の血が流れ、そして下の方に溜まるように作られています。古代人は、動物の血を見ると、「脱魂状態」となり、肉体から魂が離れ、一種の「覚醒状態」で、霊的な世界を体験したそうです。そのように、ルドルフ・シュタイナーは、申しております。エルサレムの神殿でも同じ事が行われていました。
そして、キリストの出現によって、この動物の血による「犠牲」は、その意味を失い、動物に代わって、「パンとワイン」の犠牲行為が新しい「儀式」として導入されたのです。その際、犠牲となったのはキリストで、その肉がパンであり、血がワインなのであります。
さて、頂上で二時間ほど過ごし、いよいよ下山です。たくさんの山羊がいます。この山羊は、これまたたくさんいるロバの糞を食べ、山道を綺麗に掃除してくれます。これぞ、リサイクリング。
下山途中、いたる所に崩落した岩が横たわっています。この辺一帯は、地震のある所ですので、今度大きな地震があると、まだまだほとんど発掘の済んでいないペトラが、岩で埋もれてしまう危険性が高いと、ガイドのヨナスが言っていました。
やっと、下山。もう17時頃でした。
これは、ナバテア人の神殿跡です。ここから、再び、「シク」へ30分以上歩きます。
ローマ人の造った大通りをえんえんと歩いて行きます。
もう歩くのはしんどい参加者がラクダで移動です。ひとり、約1500円だったとか。私は、もう意地で、歩きます。もうフラフラ。でも、まだまだ体力が充分あることが証明され、嬉しくもありました。
ようやく「シク」に到着です。夕方の光に照らされた、「エル・カズネ」が見えます。
ペトラよさらば!また、いつか訪れたいものです。
いつもこの青空。こうして、6月28日(日)は過ぎていきました。
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