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産業構造ビジョン2010が6月経産省から発表された。そのレポートを参考に中小製造業の進路について概説する。
従来、自動車などの輸送機械、電気機械、一般産業機械、鉄鋼などが輸出品として日本の産業を牽引してきたが、国内・先進国をターゲットとするのでなく、当ビジョンでは、成長する新興国に対し、戦略5分野を定めている。中小企業に期待できるのは、部品受注の可能性から、原子力、水、鉄道関係、次世代自動車関係、ロボット・宇宙など先端分野と思われる。
これらの対象に対し、政策的には、OB人材を活用し、研究開発に補助金を使い、国内ニーズを発掘し新製品開発で売上を伸ばすこと。もう一つは、中小企業の海外市場開拓支援にのって、新興国からの受注を確保することである。
いずれにしても、需要が少なくなっている大手企業からの発注には期待が持てない。また、戦略5分野を観てみると、量的な期待はあまり持てない。中小企業に発注されたとしても、従来の輸出品のように量は期待できない。
基本的には、国の施策をうまく使いつつ不足する経営資源は外部に期待し、自助努力していただくことになる。国内ニーズの収集と開発、商品化、これも時間がかかりまた、海外展開も人材、資金などの制約からリスクが高い。
しかし、今のままでは、少ない需要を奪い合い体力を使い果たし消滅しかねない。生き残る方策は、事業を思い切って縮小すること、国の施策を活用し新製品に挑戦すること、海外展開を計画すること、このくらいであろう。外部専門家の活用を期待する。
ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com