経営革新を応援します

中小製造業に対し、利益率向上、生産性向上、コスト改善、不良の再発防止、短納期実現、ISO、特許の有効活用など支援します。

資金繰りを見える化

2009年03月30日 12時39分00秒 | 経営

 28日、約3ヶ月かけた経営診断が終わった。3名の診断士が2回のヒアリング、財務諸表、各種情報より分析し提案を行った。3名は、IT専門家をリーダに、銀行マン、ベテランの診断士で行われた。私は相談役という位置づけで参画させていただいた。

 喫緊の課題は、昨年来の半導体企業からの設備関連受注の激減などにより、毎月赤字の決算と資金繰りの悪化。今回の提案では、売上半減状況での赤字解消のための社長の報酬半減を含め経費の圧縮、設備売却による現金化、新規顧客開拓の方法等について提案を行った。

 幸い、社長の積極的な営業活動で受注が何件かとれたという。ネックとなっている設計者のパワーが不足するという。受注ができてもこなしきれないかも知れない。

 当社の現状の問題点は、依然として資金繰り計画表を使用していないこと、受注による負荷状況が社長の頭の中にあり、関係者が観ることができないこと。社長が営業に回っていて、社内で受注のフォローができないこと。など多くの課題を内蔵している。

 受注状況、設計など各機能の負荷状況、対応する人の問題、受注すれば設計後すぐ発生する材料、購入品の調達コスト、外注コストが人件費に上乗せとして運転資金が必要となる。改めてこの先半年間くらいの資金繰りは大丈夫なのだろうか。

 この当たりの改善提案を行った。何事にも「見える化」、大事なことである。元気を出して、提案内容を実行されることを期待する。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


緊急事態を予測し準備が大切

2009年03月25日 17時57分32秒 | 品質保証

 3月23日(月)、成田空港4000メートルの滑走路脇で貨物機が突風の影響で着陸時に事故を起こした。不幸中の幸いは、犠牲者が少なかったことである。

 しかし、そのとばっちりを受けたのは、航空機の利用者、航空会社である。航空会社は損害保険をかけているから影響は少ないであろうが、多くの利用者にとっては被害甚大である。私も実は、家族サービスで当日夜ハワイに出発すべく成田空港に行き、欠航の影響で、旅行をキャンセルした被害者の1人である。

 当日の欠航により利用客は別の日も考えられるが、翌日も予約で一杯であった。増便は、過密状況で期待するほどは無理であったのではないか。結局私のように取りやめた客が多く出たのであろう。

 さて、航空機の事故の件はこのくらいにして、工場の加工現場を考えてみたい。いくつかの工程を加工物が流れるとしたとき、人、設備の関係で生産力が一番低いところがネック工程となる。
 ここのトラブルに対しては、人の面では、交代要員がいるように多能工化しておく。また設備故障の場合は、完成品を予測回復時間分製品を在庫しておく。
 また、ネック工程の前でトラブルが起き、生産すべきものがない場合を予測して、ネック工程前には、計画的に在庫を置かなければならない。

大きな事故が起こる確率は一般的には低いが、その影響度に応じて、日頃から対応策を考えておくことは有効なことである。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com

 

 


経営診断協力企業に感謝

2009年03月22日 07時57分07秒 | 経営診断

 中小企業診断士登録の最後の資格要件である企業診断の実務補習を終えた。私は指導員として3社の診断に携わった。診断の場をご提供いただいたクリーニング企業1社、製缶・板金企業1社、大田区優工場の認定を受けた機械加工業1社の3社にお礼申し上げる。

 これらの企業には、中小企業診断士に診断の実務を経験してもらうために診断の場をご提供いただく企業である。無料で診断させていただいているが、企業には最終日診断報告書を提出し、約2~3時間の診断報告と意見交換をさせていたただいており、感謝されている。

 5名で指導員のもと班を編制し、事前の経営環境分析、当該企業のホームページなどによる情報収集を基に半日から1日のヒアリング、述べ約400時間程度かけての分析、課題確認、その課題に対する改善策提言作り、最後に報告となる。

 私にとっては、この診断報告がトリガーとなり、改善提案した実行面でコンサルティングに結びついた企業があり業績に貢献した事例がある。

 今回の班のメンバーは、32歳から61歳まで、IT関係の企業に勤務しているメンバーが大半を占めていた。

 私は中小企業診断協会神奈川県支部に所属しているが、中小企業診断士の経験を積み重ね、適切なコンサルティングができるよう、日常的にプロコンサルタント養成塾を運営Iしている。


 ご協力いただける企業は、定期的に人間ドックを経験されているように、企業ドックをお勧めする。ご関心ありましたら御連絡お待ちしております。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com 電話 045-365-3020

 


技術専門家求む

2009年03月21日 18時05分13秒 | 経営

 財団法人韓日産業・技術協力財団が日本の技術者の支援を求めている。当財団は92年、日韓との貿易不均衡是正を目的に設立された。韓国は日本から主要部品を輸入し、製品として完成し輸出しているが、日韓との貿易赤字が拡大している。

 このような背景から、韓国政府は、韓国の中小企業を日本の技術者の支援を得て、輸入を抑制し、日本への輸出ができるよう支援しようとしている。

 以前、私は日韓産業技術協力財団および韓日財団の技術専門家、研修講師として携わっていたことから、今回協力いただける技術者の紹介を韓日財団から依頼された。

 5月には、日本において韓国の支援を希望する企業とマッチング商談会が行われる予定である。企業のニーズとマッチした技術者は、韓国企業に一定期間滞在し、技術指導をしていただくこととなる。

 支援を希望している業種は、ボルトナットなどの鍛造メーカ、チタン材料の加工、成型業、シートスイッチメーカ、電気・電子部品メーカ、レンズ成型メーカ、プレス金型メーカなどである。

 1次募集締め切りは4月5日である。関心のある方は、専門家登録フォームを用意しているので問い合わせ下さい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com

 

 

 


9ヶ月分の現金確保を

2009年03月13日 08時26分16秒 | 経営

 私の主たる顧客の業種は製造業である。それも現在大きく受注を減らしている中小下請企業。大企業の減産をもろに受けている。改めて選択と集中の怖さを認識している。即ち、これらの多くの企業は、社員の給料の支払いにも苦労されている。

 そのような環境下で、私の契約の更新ができなくなったり、新規受注は困難を極めているのが実態である。
 顧客は、特定の企業に依存することはリスクを伴うことから、多くの企業と取り引きすることは、各企業意識している。しかし、製造業を超えて顧客の業種まで広げることは、今までの蓄積された経営資源の相乗効果の点からも、奨められない。

 やはり、現実的な解決策は、自社が力を付けユニークさを出し、景気に振られない良い企業と日頃取引をしていくことである。

 それともう一つ、景気が今回のように全体的に落ち込んだ場合は、新規顧客獲得は至難の業である。社員の給料、銀行への毎月の支払利息分9ヶ月分くらいは、現金を確保しておくことが、有事の際に必要となる。

 お恥ずかしい事であるが、独立して開業後15年間で一番収入の少ない月が続いている。卸売業、公的機関の仕事が製造業支援を少しばかりカバーしてくれている。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


顧客の要求事項

2009年03月11日 08時00分20秒 | 品質保証

 ISO9001を取りたいという企業への支援、2回目。

 前回は、まず職場の改善から初めましょうという提案を行った。しかし現実はそうのんびりしていられない状況にあった。前回顧客が当社を訪問したとき、次回チェックする内容を書いた監査用紙をおいて帰られた。次回、いつ監査を実施するかは知らされず。

 当社にとっては、次回来社前に監査を受けて良い評価が得られるようにできるだけ準備をしておきたい。

 品質方針、品質保証、文書管理、工程管理、在庫管理など大項目として9,合計チェック項目は約50件にのぼる。主な点は、製品の実現に対するチェックとなっている。これらの項目に、経営者に求められる、企業経営としてのPDCAが入れば、9001の要求事項がほぼ網羅される。

 この顧客が求めているチェック項目約50件、ともすると、受注企業は、発注企業の要件にたいし、全て対応しなければならないと誤解しやすい。
このチェック表は、当社に限定したものでなく、規模の大小、診断企業の特性に合わせたチェック項目となっていないと感じられる。

 ここに支援者の助言が有効に活かされる。当社に取って、不要なものには対応しない理由を明確に示し、納得してもらうことの重要性を助言しなければならない。不要なものを、顧客要求だからと言って無理にルールを決め文書化することで、経営と遊離してしまいお荷物になる原因がある。

 まずは自社で、要求されている事項にたいし、重要度から優先順位をつけられ、次回顧客が監査に入られる前に、ルール化し、そのルールに従って運用されることを期待する。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 審査員補 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com

 


難しい受注を取ろう

2009年03月09日 08時22分41秒 | 受注

 私は大手企業に在職中、入社して間もない頃、3年くらい機械加工の現場の経験がある。その経験を形のあるものにしようと、機械技能士の資格を取り、最高位の特級機械技能士(フライス盤)を取得した。

 勉強は何事も好きな方で、新しいことを学ぶとことに魅力を感じたものだ。
現在、中小企業診断士の資格を取るための最後の診断実務補習の指導員をさせていただいてるが、その診断企業では技能士を奨励し、教科書、受験料なども負担しているという。好ましいことであるが、学科試験が受からないと言う。

 難しい内容とは思えないが、勉強をあまりせずに受験しているのではないか。その背景には、本人の問題意識の不足、毎日同じ仕事の繰り返し、仕事に興味を覚えない、職場の新しいことの挑戦する文化の不足など考えられる。

 新しいことを吸収して、試してみる、挑戦すると言うことは人間本来持っている欲求である。当社の企業文化として、失敗を許さない、頑張っても処遇されない、ローテーションが考えられないと言う背景も考えられる。

 営業は、この打開策として、難しい受注から逃げない、積極的に難しい仕事を取ってくるという、現場の彼らが悩む仕事を受注することをお勧めする。企業自体が目標を持ち、レベルの高い仕事に挑戦させたり、個人に目標を持たせることが期待される。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


診断士の独り言

2009年03月02日 09時24分45秒 | 営業

 4月から予定していた県の補助金を利用する経営アドバイザー制度の利用を延期したいという、企業の申し出を承知した。

 この制度は、企業が支援者に支払う料金の1/3を負担いただき、半日8千円の負担という制度である。
多いときは、年間3社ほど利用いただいて支援した制度である。

 ご承知のように、中小製造業は発注企業の在庫調整の影響を受け、昨年10月以降急激に売上が減っている。半分以下、昨年に比べると70~80%減とい言う企業が多い。ここ当分半年くらいは受注減少が続き、その後徐々に回復してくると中小製造業の環境を予測する。

 さて、この厳しい状況に企業はどう対応すべきか。4月から、この企業には、強みを行かす「知的資産経営報告書」の作成を計画していた。この状況下でも経営者が前向きな企業、体力に少し余裕のある企業は、人材育成、技能承継・伝承など、景気回復に向けた準備をしている。

 事例企業にもこの趣旨に添って提案し、一旦了解さえたが、延期という連絡を受けた次第である。先が少し見えるまで、出費を抑えることを最優先にして延期の連絡を受けた。

 残念ながら、今回、経営者の意思を思い留めるだけの説得力が私になかった。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com