何か行動を起こすとき組織は上に計画の承認を受け、実行しまた実施結果を報告するというプロセスを取ることが多い。マネジメントのサイクルは、Plan(計画)、Do(実施)、Check(確認)、Action(改訂か標準化)を取るが、計画で承認を受け、実施結果でまた承認を受けることは、組織構成員の自由な行為が奪われるようになりやすい。
自由、すなわち自分に意思決定の機能を持たせてもらえると業務は面白くなる。許される範囲の責任と権限を与えられることにより、やる気が自然と起きてくるものだ。自分の好きなことをするときのように。
計画の承認、実施結果の承認を行う担当者は、組織的には有能な人材が当たることになると思われるが、極力実行者に任すべきである。失敗がないように修正させて、実行したのでは、業務の面白さをつぶすことになる。
例えば就業規則で、行為を縛ることも当てはまる。経営環境の悪い中でも常に継続して利益を出している米国のサウスウェスト航空は、就業規則も業務規定も作らないと言う。顧客に接する現場の担当者の判断に任せるという。
以下は、同社のことが書かれている「破天荒:日経BP社発行」よりポイントを紹介する。
乗客にとって必要と判断した場合は、規則でなく常識に従って、対処する。
基本方針がしっかりしていれば、従業員は自信を持って、経営者の立場で職務を遂行しやすくなる。はっきりしていない場合は、従業員は規則にこだわり、意図的に無責任な安全地帯に逃げ込む。
ムゲン(MGEIN)経営研究所 田中 義二