経営革新を応援します

中小製造業に対し、利益率向上、生産性向上、コスト改善、不良の再発防止、短納期実現、ISO、特許の有効活用など支援します。

PDCAを回せ

2015年03月19日 07時24分28秒 | 経営戦略

 先日の参議院予算委員会において、地方創生担当大臣の石破さんが、盛んに「PDCA」と答弁の中で言われていた。また、「KPI」という用語も表現されていた。

 多くの方がご承知のように、「PDCA]は、計画、実行、チェック、改定の管理のサイクルを回すことである。「KPI]は、キーパフォーマンスインディケーターの略で、重要業績評価指標である。

 国の重要政策実行において、KPIを設定し、定期的にチェックを行い、その過程で軌道修正し、目標を達成させる行為に大いに賛成する。

 さて、今回PDCAを石破さんの答弁を例に挙げて説明したが、実は、我々は日常無意識に行っている行為である。例えば好きなこと、夢中になっていることを思い出してほしい。目標を立て、その実現に向けて計画し、実行し、チェックし、改定を行っている。結果をすぐチェックできるようにしておくことも、PDCAを回す重要な要因である。

 好きなこと、例えばゴルフの好きな人は、このサイクルを無意識に行っている。経営状態の良い企業経営者もKPIを設定し、その実現に向けてPDCAを回している。

 部下の動機づけにも、PDCAが回るよう、KPI設定の段階から支援、助言が必要な場合が多い。どうぞ、日常の活動に是非、意識的にPDCAを回す習慣をつけていただきたい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士/特級機械技能士
田中 義二 電話045-365-3020 tanakamgn@gmail.com

 


国の支援策活用

2015年01月27日 11時44分07秒 | 経営戦略
 既に、認識されている経営者もおられることと思いますが、26年度の補正予算で、前回実施された以下の支援施策が行われる予定です。
 
「小規模事業者持続化補助金」
補助内容は販路開拓(創意工夫による売り方やデザイン改変等)に伴う費用が対象で、2/3補助。最大100万円です。ご参考に前回の中小企業庁の案内が示されているURLを以下に紹介します。前回は、100件程申請書を某機関の評価者の一員として、採点評価させていただきまいた。
 
 設備投資に関しては、本件、補助率2/3であるので、自己負担1/3になります。だからと言って軽はずみに決定せず、少なくとも3年先くらいを考えて、貴社の経営戦略にあった設備投資の判断をすることを期待します。
 
 内部留保、自己資金があれば、資金繰り面では問題ありませんが、購入にあたっては前払いのため、2/3の分、他者から借りられるかも検討しておく必要があります。
 
募集が開示されると、意外に締め切りまでの期限が短くしっかりした申請書ができない場合が出てきます。事前準備の時間をしっかり取りましょう。
 
本年度、前年度実施された「ものづくり補助金」も26年度補正予算で同様に実施される模様です。こちらの施策活用もご検討ください。
 
ムゲン経営研究所 中小企業診断士・特級機械技能士 田中 義二
 
 

その目的は何か、真の目的を狙え

2015年01月21日 15時32分43秒 | 経営戦略

 2015年1月18日、朝日新聞に、「安全のボルボ」正念場 「頑丈な車体→ぶつからない技術向上へ」という記事があった。ボルボの車といえば、頑丈な車、四角いライトバンというイメージが思い出される。以前は、結構町を走っているのが見られた。今は、デザインも変わっているがボルボの車はほとんど見られない。輸入車でのシェアは4%という。

 さて、この記事を取り上げたのは、経営戦略上重要なヒントが提供されているからである。VE(価値工学)では、常にその目的は何か、目的と手段を意識し、現在の手段の上流の目的の実現を図る開発行為が行われている。

 ボルボは、今まで衝突時の車内にいる人間の安全性を独自のブランド戦略としてきた。その戦略が消費者に支持されてきた。頑丈な車体は、社内の人間の安全を確保する目的である。

 頑丈な車体の目的は、安全を確保。安全の確保を完全にするには、他の車、人を含め、物体に衝突しないようにすればよい。そこで、近年各社が積極的に開発競争を行っている手段が、「自動ブレーキ」、「自動運転」技術である。


 いつまでも過去の戦略を維持するためにその実現手段ばかり追求していると、その手段の目的を実現する手段の開発により、太刀打ちできない置いてけぼりを食われされる。

 大事なことは、今やっていることの目的は何か。時々立ち止まって確認すること。学習も、研修も、今時間を消費している行為の目的が真の目的の実現に貢献しているか、確認することが求められる。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 
田中 義二 tanakamgn@gmail.com


生き残りには時間をかけて差別化を図れ

2014年09月12日 13時21分07秒 | 経営戦略

 昨日、9月11日、有限会社中里スプリング製作所の中沢社長のお話を拝聴した。タイトルは、「下請けからの脱却!その戦略と事業展開成功の秘訣」と題して行われた。

当社の事業戦略は、以下の3つを掲げている。

・遊び心を持ったオリジナル商品
・機能性に優れた新素材、形状の製品創り
・質の高い技術・精度・納期の 追及

 全社の意識は、人の心や気持ちをウキウキ、ワクワク、お客に夢や感動を与えるとなっている。
これらを実現させるため、社内にいろいろな施策を展開されているが、常に他社と差別化を意識されていることを強調していた。
例えば、他社にない設備の導入、特殊材料加工へのチャレンジなど。

 今、多くの中小製造業が困っている。発注企業の海外移転、現地ローカル企業等からの調達などで、国内生産が減少傾向にある。国内同業他社、あるいは異業種からの参入企業との生き残りをかけた厳しい経営を毎日続けている。特に受注企業(下請企業)は、高度成長時代の1980年代から待ちの経営を行ってきた。前向きな格好いい表現をすれば、「お客の求めがあれば何でも受ける、来るものは何でも拒まず受ける」という姿勢。 

 その結果、多くの企業が自社で他社と差別化できるものを持っていない。何でもやる、こなすは強い他社に勝てる戦略にはなりえない。差別化は、特定されたものに対し人と資金と時間をかけて実現するものである。それだけに、攻めの経営、営業活動を取ろうとしても短期間に成功しない難しい問題である。

 国は、昨年度、本年度と2年間続けて挑戦する中小企業に対し、ものづくり補助金などを提供している。国、都道府県の支援施策をうまく使って差別化を進めていただきたい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士/特級機械技能士 田中 義二 
℡045-365-3020 tanakamgn@gmail.com
 





ものづくり補助金2次募集

2014年07月02日 11時10分54秒 | 経営戦略

 去る6月27日(金)、新ものづくり補助金1次公募の2次締め切りの採択結果が中小企業団体中央会から公開されました。何件応募したか開示はありませんが、採択件数は約6700件。

 引き続き2次公募が全国中小企業団体中央会から7月1日開示されました。ご承知のように前年度に対し今回は、小規模事業者に配慮され、また、設備投資だけにも採択の幅が広げられました。
今回、2時締め切り分に対し1社申請書作成の支援をさせていただきましたが、当該企業は複合NC旋盤導入で採択されました。今回、設備投資に対し国の政策が積極的に導入を図ることが見えますが、導入後の課題は、導入設備の稼働率です。

 国内の生産高は、大手企業の海外移転、現地調達で減少傾向にあり、国内の生産量が減少傾向にあります。したがって、同業者に対しいかに差別化を活かし、受注するかにかかっています。
当然、採択にあたっては、導入した設備が活かされなければならず、審査はこの面にも立ち入ります。

 ここで、重要な存在になってくるのが、計画を評価する認定支援機関です。
認定支援機関を大きく分類すると、金融機関、税理士事務所、公的支援機関、コンサルタント、その他となります。これらの支援機関は得意とする分野があり、逆に弱いところも存在します。
したがって、申請の内容によって、支援機関を選別できればベターです。

 例えば、借入金の協力を願うならば金融機関、コンサルタントには、自社の強みを顕在化し、狙う市場などを明確にしてもらう。などが考えられます。

 2次公募受付期間は、7月1日から8月11日までです。詳細は、下記URL参照ください。
http://www.chuokai.or.jp/josei/25mh/h25koubo_second.html

ムゲン経営研究所 中小企業診断士/特級機械技能士 田中 義二 
tanaka@mgein.com

 


新ものづくり補助金1次採択結果

2014年05月05日 12時44分47秒 | 経営戦略

 ものづくり補助金が本年度も新ものづくり補助金として、対象範囲を広くして公募された。すでに1次募集の採択結果が公表され、2次募集の締め切りを5月14日に控えている。

 昨年の1次募集には1万社を超える企業が応募したが、今回は、7396件、採択率39.4%となった(全国中小企業団体中央会HP)1時の採択率は、昨年度とほぼ同じくらいの結果となっている。

 昨年度の募集でも設備投資を歓迎する募集案内であったが、結果は、試作開発を伴わない設備投資申請には厳しかった。さて、本年度はいかがか。募集要項を見る限りでは、昨年より設備投資は採択されやすいように推察される。昨年度と比較すれば、導入した設備の稼働率の向上が期待される背景がある。

 補助金をいただき設備を導入しても、設備の稼働率が低くては導入目的が果たせない。新聞記事からマクロの判断に裏付けられるように、今回、2次募集に応募する企業の経営者の話では、大田区において募集しても社員が応募してこないという。1時間、1020円のパート募集でも応募者がいないという。受注は上向いているようである。

 中小企業におかれては、是非本制度を活用し設備導入を図り、精度向上、短納期実現、さらにコストダウンを図り、顧客のニーズに応えていただきたい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 
tanaka@mgein.com 090-4200-4454

 

 


少量、高精度、難削材を受注せよ

2013年12月12日 09時20分33秒 | 経営戦略

 事業承継の助言依頼で大田区のH社を訪問した。
社長78才、現役でまだ元気に機械加工を行っている。後継予定者48才息子さん。その他、後継者の奥様が事務担当、地方工場に親戚の方1名、計4名の部品加工企業であった。
 財産承継、節税対策は専門家に依頼することとして、主に経営面の承継に対し助言を行った。

 当社を訪問して、改めて感じたことをご紹介する。
今期予想として、売上高5千万円、営業利益及び経常利益10%、自己資本比率30%。立派な経営内容に感心した。

 景気が回復してきたと言っても、受注は思わしくなく、赤字。その結果、債務超過に陥っている企業が多い。このような状況の中で、当社は毎年黒字になっている背景を紹介する。

 売上高に占める材料比率は10%程度と一般機械加工企業に比較して低い。これは、価格が高く設定できる、付加価値の高い製品の受注を行っていると言うことである。顧客の調達部門から値切られにくいものを受注している。具体的にはレーシングカーの足まわりの部品を多く受注している。

 難削材、高精度、これらの製品を少量生産性を上げて造るノウハウが勝負所である。技術、熟練技能者、高精度機械を持っている企業でも、国内の需要が加工側の供給を下回る現状では、同業者との戦いで負ける企業が出るのはやむを得ない。いかにに生き残る企業側に回るか、厳しい時代が続く。

 当社の経営課題は、加工者が休めないこと、地方工場の非効率、受注変動、整理整頓が指摘できる。頑張りましょう中小企業。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士/特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com 電話 045-365-3020


韓国メーカーとの商談会

2013年10月18日 18時03分24秒 | 経営戦略

 10月16日、韓国産業通商資源部主催で、「2013日・韓技術マーケティング商談会」が、東京の機械振興会館内で行われた。私は、共催した韓国技術ベンチャー財団のコーディネーターである。

 今まで、韓国企業の製品を担当したものとして、精密鋳造品のロストワックス(ヒョンウ精密)、配電用変圧器(双竜電気)。今回参加された、工作機械の自動工具交換装置(ATC)その他周辺装置の設計・製造企業(大映TECH)、エンジニアリングプラスチック開発・製造企業(デスコ)。

 これらの企業は、主催者が推薦している企業であり、財務的にも技術的にもまた価格面でも魅力を感じていただける企業と自負している。

 日頃支援している日本の中小企業者にとっては、価格面で脅威となろうが、自社の受注品の負荷調整としての位置付けもできるのではないか。価格面のメリットからは、外注あるいはOEM発注先としても可能性があるのではないか。現に、ATC企業に対し、日本の同業者が商談に訪れ、自社の協力企業となりうるか、意見交換されていた。

 当日は、台風16号の直撃を受けたこともあり、参加者は期待したほど参加いただけなかったが、単独での商談会の参加者を集める難しさも感じられた。

 私が担当した上記企業、製品にご関心あればご一報下さい。詳細のご案内を差し上げます。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com 電話 045-365-3020


ものづくり補助金申請

2013年05月30日 09時39分57秒 | 経営戦略

 中小企業団体中央会が事務局になっている「ものづくり補助金」制度の2次募集の採択結果がそろそろ発表される時期になっている。1次募集の採択結果は40%くらい。約700社が補助金をもらえることになった。費用の2/3,最高1000万円まで補助される。2次募集では、1万社を越える申請がなされたという。その中の2社は、私が申請書作成を支援したプラスチック金型企業が含まれている。

 2回目の募集が6月に入って始まると示されている。多分締め切りは準備期間として半月程度しかいただけないこととなろう。今から応募を予定している企業は準備をお奨めする。

 さて、概略この制度の内容を紹介しよう。詳細は全国中小企業団体中央会のホームページを参照下さい。
 正式名称は、「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」である。事業の目的は、顧客ニーズに対応し、競争力強化を図るために試作品の開発や設備投資等を支援するものである。特長とするところは、金融機関、税理士事務所などがなっている認定支援機関の事業計画の認定書を添付して事務局に提出する点であり。
 理想的には、確認書をいただく認定支援機関に融資を受けている金融機関になってもらうこと。1/3の費用自社負担金、補助金が出るまでの費用の借り入れの事前承認などに有利となろう。

 採択されるためには、公開されている審査項目と内容を満足する必要がある。
1.技術面では、社内体制、技術的能力の裏付けがあること。補助金が有効に活用できることを示すこと。
2.事業化面では、事業実施面での人材や最近の財務状況から適切に遂行できること。債務超過はマイナス要素。社長の会社への貸付は、資本に換えるとか、特別利益に入れるなどのバランスシートの改善を検討することをお奨めする。
顧客満足の実現を審査員に判りやすく訴えること。
3.政策面では、雇用の確保など地域経済に貢献できること。外部資金の調達が可能なことを示す。

 採択の確率は前回の結果40%と補助金制度では高い確率を示した。しかし60%の企業は残念な思いをしている。審査項目に適合し、審査員に理解してもらい採択されるには記述ポイントを外さずに論理的に判りやすく説明する必要がある。
 自社で採択される申請書を書くのがベストであるが、経営者は多忙である。採択される文書を作るテクニックに弱い。金融機関の認定支援機関では、製造業の現場を良く理解できず、経営者にとって不安はないか。

 今回の制度は、中小企業に対する成長戦略の一つと位置づけられる。40%という高い採択率を是非御社も活用していただきたい。補助金申請書作成の支援をさせていただきます。報酬は、手付け金、成功報酬。金額の相談に応じます。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com 電話 045-365-3020

 

 

 


強みを発信し同業者に勝つ

2011年12月28日 09時55分57秒 | 経営戦略

 12月24日、朝日新聞に元ホンダ副社長の入交昭一郎さんのインタビュー記事が掲載された。問題提起として、利益の上がらぬ国内、追い上げる新興国、先進国共通の苦境、をあげている。

製造業への提言として、以下の4つに整理される。
・ある分野に特化し今の顧客を逃がさない
・狭い分野に特化し、技術力でグローバルな競争力をもつ
・国内に製造拠点は残しながら培った技術を持って海外にビジネス展開
・国内はマーケティングや開発に特化し、生産は全て海外でやる

 さて、人、資金の乏しい中小製造業を意識し上記4つの戦略を考えてみると、国内での生き残りを当面考えざるを得ない。そのためには、特定分野に事業あるいは技術を絞り込み、その分野で差別化を図ることが必要である。「何でもできます」は専門業者と勝負すれば負けてしまう。ターゲットを絞ることが経営資源を有効に使うことにつながる。

 当然、特定分野を絞れば、顧客の市場を広いところを対象にしなければ受注につながらない。幸い、インターネットが強力なツールとなる。自社の特定分野の差別化できる強み(魅力)を、そのためには顕在化し、外部に発信しなければならない。

 需要、供給のバランスが国内では崩れている今、今後は、強みを外部に発信し同業者に勝つこと。魅力発信レポート(知的資産経営報告書)作成をお奨めする。
 デジタル化できる加工は、今や複合機、5軸マシニングセンターにより段取り換えも不要になり、精度的に差別化は難しい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com