親しくさせていただいている身近の人が年末肺炎になったり、ノートパソコンの入った忘れ物の鞄が戻らなかったり、嬉しいことが無く本年が終わります。
中小企業製造業の支援をしている私にとっては、具体的支援策を打てず新年を迎えることになりました。
利益を出す。そのためにはなんとしても受注を増やさなければなりませんが、全ての業種で発注企業が在庫整理している現在、発注に当面期待は持てません。驚いたことにジャストインタイムの納入を下請企業に要求している自動車産業でさえ、3ヶ月分の在庫が在ると言うことです。受注にはしばらく厳しいことが続きます。
そのためには、コストを下げることだけでしょう。コストは、変動費である材料費と、固定費である人件費に大別されますが、材料の仕入れが減っていることから、最後の砦である人件費に手を着けざるを得ません。
経営者は率先して報酬を削減し、社員にも協力してもらう必要がありましょう。その場合、具体的な売上、利益の数値などの推移を示すことが協力してもらいやすいと考えます。
この具体的数値を示すことで過去に失敗したことがあります。コンサルティングを始めた頃、経営者の了解の元、社員全員に経営が悪化している現状を数値で示したことで、大きな不安を社員に与えてしまったことです。
このような機会をつくり社員に具体的なデータを示す場合は、十分前置きをして社員に一致団結心がでるように配慮が必要です。
言うまでもなく、経営者の目的は、個人的な人情感情に流されず事業を続けることを再認識され、厳しい現状を乗り切っていただきたいと祈念申し上げます。
1年間のおつきあい有り難うございました。来年もよろしくお願いします。
ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com