経営革新を応援します

中小製造業に対し、利益率向上、生産性向上、コスト改善、不良の再発防止、短納期実現、ISO、特許の有効活用など支援します。

やはり今は縮み思考

2008年12月30日 07時08分13秒 | 経営戦略

 親しくさせていただいている身近の人が年末肺炎になったり、ノートパソコンの入った忘れ物の鞄が戻らなかったり、嬉しいことが無く本年が終わります。

 

 中小企業製造業の支援をしている私にとっては、具体的支援策を打てず新年を迎えることになりました。

 利益を出す。そのためにはなんとしても受注を増やさなければなりませんが、全ての業種で発注企業が在庫整理している現在、発注に当面期待は持てません。驚いたことにジャストインタイムの納入を下請企業に要求している自動車産業でさえ、3ヶ月分の在庫が在ると言うことです。受注にはしばらく厳しいことが続きます。

 

 そのためには、コストを下げることだけでしょう。コストは、変動費である材料費と、固定費である人件費に大別されますが、材料の仕入れが減っていることから、最後の砦である人件費に手を着けざるを得ません。

 経営者は率先して報酬を削減し、社員にも協力してもらう必要がありましょう。その場合、具体的な売上、利益の数値などの推移を示すことが協力してもらいやすいと考えます。

 

 この具体的数値を示すことで過去に失敗したことがあります。コンサルティングを始めた頃、経営者の了解の元、社員全員に経営が悪化している現状を数値で示したことで、大きな不安を社員に与えてしまったことです。

 このような機会をつくり社員に具体的なデータを示す場合は、十分前置きをして社員に一致団結心がでるように配慮が必要です。

 

 言うまでもなく、経営者の目的は、個人的な人情感情に流されず事業を続けることを再認識され、厳しい現状を乗り切っていただきたいと祈念申し上げます。

 

1年間のおつきあい有り難うございました。来年もよろしくお願いします。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


営業データの有効活用

2008年12月27日 13時07分24秒 | 営業

 電材卸売業の営業の生産性を支援しています。生産性とは一言で申せば営業マンの時間当たり売上高あるいは付加価値高、あるいは粗利高を上げることです。

 少し会社規模が多く営業マンが多くいる企業では、PCによるデータを取られていることでしょう。そのデータを分析し改善に役立てていますか。

 

 当社では、各人の顧客別売上高と粗利率を採っております。半年あるいは一年くらいまとまったデータを売上高と粗利率で散布図を書いてみて下さい。Excelで簡単に図が作れます。一般的には売上の低い企業には粗利率が高く、売上の高い企業は、薄利多売ではありませんが、粗利率は低いことと思います。

 

 この散布図を観察するといろいろ発見できます。大きくこれらの集団からはずれている企業があれば何か理由があるはずです。良い結果がでている企業には何らかの考慮がされていて成果に結びついているとか、悪い企業に対しては、対応方法を再検討する必要があります。

 

 営業マン相互の比較でも、参考にするところが見えてきます。平均的に粗利率が高い営業マンの顧客に対する対応を参考にして下さい。

 当社の優れた営業マンは、何事においてもスピードを最重要視することが挙げられました。なぜよいか、優秀な営業マンをデータで確認し、その行為、顧客に対する価値観を見つけだし、日常の活動に反映することを期待します。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


継続させる仕掛け

2008年12月17日 10時57分14秒 | 人材育成

 個人においても企業の組織においても、一度決めたら継続することがその実現の重要な要素である。

 早稲田大学の遠藤功先生は、「ねばちっこい経営」(東洋経済新報社)と題して、組織における継続の重要性を協調されている。

 

 さて、ねばちっこい経営即ち物事を継続させるにはどうしたらよいか。この図書では、納豆はなぜ粘るのか、にヒントを得ている。また、なぜマラソンランナーは42.195キロを走り切れるのか、とこの場面にも継続のヒントを提供してくれている。

 

 マラソンの継続では、個人の「意思」と「基礎体力」という内的要件に加え、外的要件として以下の4件を無視できないとしている。

1.ゴールという目標がはっきりしている
2.コーチや仲間の存在がある
3.沿道の(他人の目)応援がある
4.補給というメリハリがある

これらの外的要件は第三者が提供できる。

 

 以前、私はアイデア発想にNM法を紹介した。NM法は、解決したいテーマに対し、「例えば**のように」と、自然界、他社、生き物などにその類似例を見つけ、そのメカニズム、背景、動勢、仕組みなどを観察し、それをテーマ解決に水平展開する方法である。

 

この図書の中で、ねばちっこい例として、納豆、マラソンランナーを引用したが、著者の頭の中ではNM法を展開している。再度NM法を研究し活用いただきたい。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com 電話045-365-3020 携帯090-4200-4454

 

 


ダイレクトに聴く魅力

2008年12月11日 18時57分01秒 | コミュニケーション

 12月10日、横浜みなとみらい大ホールで、チェコ・フィル合奏団のコンサートを楽しんだ。バイオリン4名、コントラバス1名、チェロ1名、ビオラ2名、それにバイオリンのソリスト、イージー・ホスピーハル、ソプラノ歌手で構成されていた。

 

 開演の初めの頃は耳が慣れず小さい音が聞き取りにくかったが、耳をそばだてて聴く感じで、少しして弦の繊細な音、ハーモニー、高音、低音が伝わってきた。

 早速彼らの演奏したCDを買ってきて再現を期待したが、CDからの音は私の期待を裏切った。音のイメージが違う。このCDと脳裏に焼きつている生の音の違いがはっきり認識できた。改めて生演奏の魅力を感じた次第である。

 

 ホールはなぜマイクを使い、スピーカーから聞き易く音を大きく再現しないのか。その答えは明快である。恥ずかしながらCDと比較して気が付いた。

 

生の音を拡大する、再生する過程でいくつもの機器が介在する。これらの機器は生を忠実に再現して欲しいが、性能によりそれは現実的には難しい。従って、わざわざ時間と安くない費用をかけてまで生演奏を聴く価値が出てくるのである。

 

 さて、最後に仕事に関連して触れたい。企業の中では、経営者が思いを社員に伝え、その思いを共感し協力し合うことが求められる。中小企業場合、社員が少ないから社長が一同を前にして肉声で思いを述べることは可能である。

 視線を合わせながら、肉声で思いを是非伝えて欲しい。この厳しい経営環境では、社長のこれからの前向きな姿勢が社員を安心させる。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


愛は辛抱、耐え忍ぶ

2008年12月07日 11時21分34秒 | コミュニケーション

 12月6日、仲人をした両親の次女、裕美さんの結婚式に参加した。

 教会での結婚式に牧師は新郎新婦に言った。「愛は辛抱と耐え忍ぶこと」。結婚して42年になる私もその言葉を実感した。

 

 さて、経営者も社員に日常的に特に中小企業は家族と見なし愛を捧げているが、この辛抱と耐え忍ぶだけでは、愛を持続することは不可能である。愛を大きくするには変革が必要である。

 

 そのためには、特に経営環境が厳しい今日、経営者は将来の志、即ち経営理念を示し、社員に良く伝達し理解してもらい、継続した改善をしてもらわなければならない。早稲田大学の遠藤功先生の言葉を借りれば、改善を継続するねばちっこい経営をしなければならない。それには、社長の志を社員と共有し、共にこの厳しい環境を打破する危機感を持ってもらうことが必要である。

今は、変革し愛を大きく強化するベストな時期である。経営者の積極的は行動を期待する。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


開業医の作業にムダはないか

2008年12月05日 14時18分54秒 | 能率、生産性

11月19日箱根強羅公園にて撮影 

 

近くの眼科医で目の治療を受けた。当院は電話予約が出来、待ち時間が電話により進行状況が把握できるため推察できる。ずっと待合室で待つ必要はない。

 しかし、現実には当日随分長い時間待たされた。一人当たり平均何分治療にかかるかが推察できなかったために、早めに受付してしまった。受付のところには、1人4,5分と示していたが実際には1人7分くらいかかっており、しっかり辛抱させていただいた。

 

 当院は、1人の医師が午前40名、午後も多分そのくらい治療するのであろう。医師はトイレに行く時間もない状況と思う。受付から会計を済ます、薬をもらう過程でネックとなるのは医師の診察、治療である。

 この医師の時間を短くする以外、医師の負担も、利用者の待ち時間も、解決されない。医師が使っている付加価値の時間は、診断、治療であるが、その他付加価値を与えていない作業はないか。手待ち、付随するムダな作業、分業できないか。

 

 製造業では、一般的にネック工程に対しての改善に動作分析の手法を使っている。製造業に限らず、サービス業に対してもネック工程には、動作分析等によりムダを省いていただきたい。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


投資にはバランスが大切

2008年12月03日 07時58分09秒 | 経営戦略

 11月26日から28日まで東京ビッグサイトにて中小企業総合展2008in Tokyoが行われた。その会場にて「日本を支える中小企業のものづくり」のパネルディスカッションを聴講した。本日は、日頃思っていることとパネラーの紹介から一致したことを紹介する。

 

 1社は東京大田区の(株)金森製作所。試作、多品種少量を積極的に受注する薄板板金加工メーカ。もう1社は京都の山本精工(株)。アルミ材料を使った試作品に対し、5軸NC機械等を使い夜間無人運転によりスピードを追求している。

 

 この2社の特徴は、生産機械のほかに生産を管理するIT化が進んでいることが挙げられる。短納期、在庫最小、多品種少量となるとITを使わないと顧客満足を実現できない。ともすると、生産機械に重点投資で、生産管理がしっかりしていないと、受注は増えても現場が混乱し、利益率の減少となってします。

 

 もう一点は、社員の福利厚生に投資している。食堂施設、地域社会にも開放されている文化・娯楽設備など。

 

 常に経営者は、小さければ小さいなりにバランスのとれた投資を意識し、社員、顧客に受け入れられる経営が求められる。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com