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航空機タイヤ寿命延長策

2011年05月08日 08時29分09秒 | アイデア発想

 先日、JALの羽田にある航空機整備工場を見学する機会に恵まれた。親切に説明と案内をしていただけた。その説明の中で参加者からタイヤの寿命の質問がされた。説明員の回答の記憶はないが、資料を調べると300回くらいでタイヤゴムを4回ほど更正して寿命になると言う。

 確かに着陸地点のコンクリート表面には、摩擦で解けたと思われる黒いタイヤのあとがある。多分時速200~300kmで着陸するとき、回転していないタイヤと地面が接触し摩擦熱でタイヤが摩耗するのであろう。

ここで、素人の提案だ。着陸の際に機体からタイヤを出し地面に接触するまで少し時間がある。この時間を利用して、タイヤのホイールなどに突起を付け、空気抵抗を利用しタイヤを回転させてはいかがであろうか。タイヤの回転による周速を地面に接触する際の機体のスピードに合わせれば摩擦がゼロとなり、タイヤの摩耗は軽減される。

離陸時は、ゼロから回転し始めるから問題はない。さて、このアイデアをどこの企業が実用化するであろうか。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com


メカ式ペダルを変える

2010年02月02日 09時14分41秒 | アイデア発想

 今、トヨタ自動車のペダルが復帰しない問題に直面している。部品の共通化で、その影響が台数的にも地域的にも影響度は大きい。トヨタでは、原因を追及しリコールを行っている。

 トヨタの特長は、なぜなぜを5回繰り返し真の原因に手を打ち再発防止を図っている。一般の中小企業には、真似のできないことである。

 さて、この話題に関連していつも主張している三現主義をこの時期お預けしましょうと訴える。今のやり方に固執して、むり・むら・むだを追究することなく、本質の追究をお願いしたい。
 車のペダルで言えば、踏み込み式のメカ方式を根本的に変えようと言う発想である。ペダルの機能は、「加速させる」である。これを実現する全く新しい方式を考えましょうと言うことである。この働きは何か、目的は、といって目的、機能の本質を見極め、その目的達成の全く新しい方式を考えるのである。既知の手法で言えば、VE/VA、ブレークスルー手法、ビジネスプロセス・リ・エンジニアリング。
 最近著者の長谷部光雄氏にいただいた「技術にも品質がある」(日本規格協会)によれば、この発想は品質工学でも同じという。

 当著書に、品質工学の三原則のその1に、「根本的解決をしたかったら、原因を追及するな」と示している。原因の影響を受けにくい性質を追究すること。事例として、野球の松井選手が、ニューヨークヤンキースに移籍するとき、手元で変化するボールに対応するため、バットの振り出しタイミングを遅らせるスウィングにチャレンジしたという。その分、球筋を見る時間が得られヒットにつながる。

なぜなぜ分析のセミナーはちまたでは盛況のようである。この厳しい時期、現場は残念ながら時間的に余裕がある。今を利用して、抜本的問題解決を図ってはいかがか。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com

 


コンビニ店革新

2009年05月25日 07時18分20秒 | アイデア発想

中央高速道路、小黒川パーキングエリアより

 5月25日(月)7時のNHKで、コンビニ店の建物を1日で完成させる紹介があった。タネを証せば、工場でほとんど組み立ててしまい、大型トラックでその組立品を店の土地においておしまいというものである。

 感心したことは、売上がよろしくないときは、解体するのではなく、すぐさまそのまま設置とは反対に、分解せずに持ち帰ると言うことである。再使用(リ・ユース)するという。
 水平展開し、このアイデアを逆戻ししてみると、家電品でも、事務機でも既に設備、機器の再利用は行われている。今回のコンビニ店の場合は、過去の事例では創造が難しい大型設備に展開したことである。

 このように新しいことを取り入れ、抜本的な改革、革新を行う場合は、ただ、アイデアを出しなさいと言っていては、新しいアイデアは生まれにくい。このような場合、改善テーマに対し、「例えば**のように」と類似するもの・ことを過去の経験から思い出し、対象に水平展開し、実用化させる方法がよい。
 アイデア発想の一つとしてNM法を紹介する。このNM法は、過去何回か紹介している。参考にして下さい。

 コンビニ店は、誕生した頃は、便利を提供していただいた。競争が激しい業界で生き残るには、更によいものを低価格で提供することが消費者から期待されている。
 そのためには、総合的に新しいことに挑戦して行かなければ生き残れない。製造業にとってもいろいろ参考にさせていただくことが多いはずだ。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com

 


理想の追求を

2007年12月13日 14時33分42秒 | アイデア発想

 東京都大田区のトキワ精機株式会社(http://www.tokiwa-seiki.com/)を訪問しお話を聞かせていただく機会を得た。

 当社は、オイルを通すエルボと言う圧肉の鉄パイプを曲げて、従来無垢の鍛造品に対し機械加工して穴を空けていたものを、パイプを利用し穴加工を廃止した加工法を構築した。発明の名称「圧肉曲管の製造装置及び製造方法」として、権利化された(特許番号3544183 http://www1.ipdl.inpit.go.jp/FP1/cgi-bin/FP1DETAIL) 。

 この発明は、2004年、中小企業庁長官賞を受賞され、また国内初の知的財産権信託契約をUFJ信託銀行と締結されている。

 当日面会いただいた方の話しでは、切削をなくしパイプ材を使った発想は社長ご自身と言うことであるが、海外の安い製品に対抗することから新しい加工法に挑戦されたという。実用化までの開発期間は、3~4年かかったと言うことである。

 

 開発にはいろいろご苦労があったと推察できるが、素材の穴をそのまま利用すると言うところに着目したところにポイントがある。できてしまったものを見れば誰でも気付くと思われようが、なぜ削るのか、穴を造るのかという発想がすばらしい。

 

 液体、気体の円滑な流れ、廃棄物の削減、コストダウン全てにおいて素晴らしい。我々は、今の仕事の目的、本質を再確認して、難しさに挑戦し、真の目的の実現に向けて新しい発想をする必要がある。改めて当社の発明から感じた。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


NM法事例(10)

2007年06月11日 09時39分31秒 | アイデア発想

  このシリーズ今回で終了します。CKGオープンセミナーで「コスト低減革新」と題し行ったセミナーの内容をまとめました。

 

 NM法は、形のあるもの例えば製品のコストダウンや形のないソフトの、例えば新しい製造法、サービス提供の方法、社員の動機付け、用途開発などのアイデア出しに使えます。今回は、経営者の関心の高い「社員のやる気を起こす」方法について事例を紹介します。

 

 キーワードとして、「おもしろい、楽しい、夢中、時間を忘れる」などのキーワードでよろしいでしょう。この場合の例えばは、自分の趣味、遊び、ボランティア活動などが浮かびます。これらの対象にたいし、その背景、メカニズム、中身はどうなっているか思い浮かべて下さい。

 

 これらの対象と同じように、職場でやる気を起こしてもらうには、自発的に行動してもらうには、すなわち動機付けにはこれらと同じような職場環境を作っていけば多分成功するでしょう。

 

 NM法を使ったがうまくいかなかった、だめだ。NM法が悪いのではなく、いくつか経験しポイントをつかんで下さい。先にそのポイントは例えばに挙げた対象によると申し上げました。どうぞ、少し勉強しトライしてみて下さい。

 アイデア発想に対するセミナーと実際の対象に対する改善活動の支援をお受けします。下記ホームページへ飛んで確認して下さい。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 田中 義二
tanaka@mgein.com


NM法とは(9)

2007年06月10日 08時40分12秒 | アイデア発想

   前回6月5日のNM法とは(8)に続き説明します。

 

手順1キー・ワード(KW)を決める

        テーマの解決に当たってどういうデータが欲しいのかという方向付けのためのキー・ワード(KW)を設定する。問題を解く鍵となる言葉を決める。一般的には、動詞または形容詞で表す。

手順2アナロジーを探す(QA)

        KWに対し、「例えば何々のように」と言う「問いかけ」をしてみる。過去の経験からアナロジー(類比)を直感的に引き出す。

手順3アナロジーの背景を「思う」(QB)

        「思う」というのはイメージで考えることである。そのQAまたはその周辺に対し「そこでは(それは)どうなっているか」または「どんなことが起こっているか」と言うことを考える。

手順4ヒントをつかむ(QC)

        「そのことは今の問題に役立たないか」と考える。

手順5アイデアにまとめる

 

     この手順に従って、5,6名程度のグループ活動をしてアイデアを出していきます。良いアイデアが出るポイントは、手順2の「例えば」という対象を見つけるところにあります。手順3のデータを展開し、課題に使えるアイデアに完成させていく過程で、これはおもしろい、使えそうだというものがないという結果があります。これは、例えばと挙げた対象が当たり前すぎてその結果期待したアイデアが出なかったということになります。 

    遊び気分で、奇抜なアイデアが出るようトライしてみて下さい。 

 次回、NM法の事例をノウハウの少し手前までの紹介になりますが、紹介します。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 田中 義二
tanaka@mgein.com

 


NM法とは(8)

2007年06月05日 09時27分55秒 | アイデア発想

 今までこのシリーズで「NM法」という言葉がでてきました。アイデア発想法の一つですが、あまり知られていない手法かも知れません。以外に知らずの内にこの手法のポイントを利用しているかも知れません。

 

 NM法は、開発者の中山正和氏の名前をとったものです。KJ法もそうですね。アイデアを出そうとするテーマにたいし、「例えば**のように」と類似するものを異業種、自然界、童謡などに求め、その状況、メカニズム、方法などを思い出し、テーマに水平展開しアイデアを発想する手法です。初版が1977年、今から30年も前に出版されています。今も「NM法のすべて」((産能大学出版部)として本屋にあります。

 

次回、NM法の5つのステップをご紹介します。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 田中 義二
tanaka@mgein.com

 


ブレーンストーミング4つのポイント(7)

2007年06月04日 07時09分32秒 | アイデア発想

 昨日の「機能に注目したアイデア発想」は多くの方に見ていただきました。ありがとうございます。

 

 本日は、効率的なアイデア発想法の一つ、ポピュラーなブレーンストーミングについて紹介します。ポイントは、①批判厳禁、②自由奔放、③便乗歓迎、④量を求むです。

 

 この4つの中で特に大事なことが①の批判厳禁です。とかく人は、自分の意見を言いたいものです。相手が話し終わらない内に、自分の意見を言ってしまいます。すぐ批判あるいは評価し、その時点で結論づけてしまいがちです。人の意見は尊重し、大事に扱う精神が必要です。特に進行役は、メンバーに注意をして下さい。当然、本人も自分のアイデアを頭の中で批判せずに声に出す必要があります。

 

 ブレーンストーミングでは、評価は、アイデア出しと工程を分け、最後に評価して下さい。このように進めることによって、③の便乗歓迎、すなわち相手の意見に触発され良いアイデアを思い浮かべます。

 出されたアイデアを尊重し、うまくつなげるには、そのまま例えば模造紙に書き、参加者全員が共有し認識でくるようにすることです。模造紙はその場所に何枚も張って残せる点で今も有効な方法です。

 

どうぞ、機能本意でアイデアを出して下さい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 田中 義二
tanaka@mgein.com


機能に注目したアイデア発想(6)

2007年06月03日 12時12分43秒 | アイデア発想

 集団でアイデア発想する場合にはまず何についてアイデアを出すかを決める必要があります。具体的にその対象に対し、名詞と動詞で表現します。NM法(後日改めて紹介します)でアイデアを出す場合は形容詞とか動詞だけを対象にアイデアを出します。この方が名詞がない分アイデアはいろいろでてきます。

 

 形のあるもののアイデア出しに、そのものを見ながらでは、奇抜な良いアイデアはでません。むしろそのものがじゃまになり、奇抜なアイデアは生まれません。

  まず、そのものを機能に置き換えて下さい。例えば差し棒であるならば、「ポイントを(客に)示す」となりましょう。棒を見ていては、最近流行の遠いところから示すレーザーポインターは生まれなかったかも知れません。そのうちに指したところに注目してもらうため、指すと同時に音を出すものがでてくるかも知れません。

 ものを機能に置き換えて、機能に注目し、アイデアを出すことを習慣として下さい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 田中 義二
tanaka@mgein.com


アイデアの元(5)

2007年05月22日 11時37分45秒 | アイデア発想

  仕事の目的を遡り大きな効果が期待できる改善対象を決めたら次は、今の仕事の仕方と変わった方法を探すことになります。アイデア発想です。

 

 今のやり方を変えるヒントは、同業者を見学させていただいたり、聞いたり本を読んだりして見つけることは一番実用上簡単です。人のやっていることをまねる行為です。しかし、今より良くはなりますが、他社を越え競争力の向上には期待できません。

 

 次は、異業種のやっていることを水平展開し、自社に取りれることです。これには応用力が必要になりますが、効果は期待できます。

 例えば、サウスウェスト航空は地上整備にインディー500の整備を応用し、整備時間を1/3程に短縮しました。異業種のさらに上の効果が期待できるものの応用に、自然界、生物が参考になります。ヤモリを応用し、ガラス面を這い上がる装置の開発や、コオロギからハイテク機器への応用、痛くない注射針への蚊の針の応用などが考えられます。

 

異業種、自然界あるいは生物を応用する場合にNM法のアイデア発想法が使えるわけです。近々NM法を簡単にご紹介します。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 田中 義二
tanaka@mgein.com