北山・京の鄙の里・田舎暮らし

北山、京の北に拡がる山々、その山里での生活を楽しんでいます。

小浜の常高寺にお初の墓を訪ねた

2011-11-18 21:30:07 | 歴史・社寺・史跡など

先日職場の友の会で奈良の五條と當麻寺を訪ねた。車中でA氏と話していると、野々村仁清について話をする予定だが、今の大河ドラマで登場する三姉妹のお初を絡ませると興味をもって貰えるかも、ということだった。お初が嫁いだ京極家は仁清の作品を多く所蔵していたという。ならば小浜に彼女の墓所があるので取材に行かないと、ととんとん拍子に話がまとまった。遙か千葉から参加してくれていた我が同級生のKちゃんに声を掛けると二つ返事で行く、との返事。

という訳で我が休日16日に三人で小浜へと車を走らせた。162で小浜に入り途中から南川の左岸のルートをとり谷田部から小浜の西に入った。昔の鯖街道、小浜を出た鯖はまずこの谷田部坂を越え、名田庄の堂本~知井坂~と運ばれていった。鯖街道の殆どの道や峠は歩いたが、この谷田部坂はまだ歩いていないので近くを通っておきたかった。

最近重伝建に選定された小浜西の街に到着。案内図を頼りにどうにか常高寺に到着。

山門


山門には常設寺宝展の案内がある。逆光の為正面からの全体像撮影は叶わず。

門を潜ると目に入るのが次の建物だ。最初はこれが本堂とは気付かなかった。

本堂


受付を済ませて案内板に従って展示室へ進む。最初は浅井三姉妹を中心とした家系図で、戦国時代の名だたる武将もいっぱい出てくる。嫁ぎ先の京極家の関係する城や彼女の遺品などが展示されている。

次の部屋は、京極高次・常高院本人・それに浅井長政とお市の方の位牌もちゃんとあった。

位牌


戒名


浅井はもとは京極家の配下であったはず、それを凌いだ浅井、そして京極家に嫁ぐお初さん、天下人秀吉と徳川家に嫁いだ姉と妹。何れにしても時代の流れの真ん中を歩いて来たが、お初さんは子宝にも恵まれず他の二人に比べて表に登場する機会も少なかかったが、二人の姉妹の間に入っての苦労もあったことだろう。

ふと後ろに目をやると、後瀬山城趾の模型があった。全山要塞の雰囲気だ。今回は駄目だがこれは機会があれば上ってみたい気持ちにさせられた。

後瀬山城趾模型


次に訪れた書院には、江戸時代中期狩野美信筆障壁画が。後ろの庭も美しい。狩野派といえば金箔に描かれた絵を想像していたが、ここは臨済宗妙心寺派のお寺、竹林の七賢など禅の絵だ。ここは撮影禁止だ。

展示は以上で、さて第一の展示場に戻り右に大きな広間がありそうなので入ってみるとこれが本堂だった。う~ん、正面は仏壇があり和尚がお経をあげる姿ではあり、立派な法要も営めるスペースではある。しかしその雰囲気は、、その外観といいなんと書いたらいいのか。

その後、本堂の左から入り国道27号線を跨ぐ道を通って墓所へ。立派な宝篋印塔が中央に、周囲には多くの石塔があるが、一つ一つ読む気もなくまた読めなかった。今は木が邪魔をしているがそのすき間からは小浜の海が望める。小浜の街を見下ろし海も見える墓所としては最高の立地だ。ただ今はそのすぐ前を国道27号線が走っていてお初さんもさぞ煩い思いをされているのではと同情する。

現代的な建物でミニ博物館といおうか、山門が無ければお寺とは見えない常高寺を後にした。これも一つのお寺の姿なのかな。小浜に入って案内板を見た時、お寺が多い、という印象。檀家さんは何軒あるのだろう、ってついつい思ってしまう。皆さん大河ドラマの旅をしてここにも訪れて拝観料を落として下さいね。でも他人の朱印帳までもって帰らないでね。

空印寺へと移動。ここは以前八百比丘尼のことを書いた時に訪れたのだが、同行のKちゃんを案内した。

市の中心部で昼食の後、さてどこへ行くべえ。Kちゃん中山寺の馬頭観音は?というのは彼女は千葉在住だが別荘を持つ京北に月に一度位は訪れ、そこを拠点にあちこち訪れているので既に拝観したかと確認した。未だだというから今秘仏公開中だ、これはお薦めだと提案して、今年開通した小浜ICからの高速道を初めて利用して高浜へと向かった。

中山寺の馬頭観音は来年の5月20日迄公開されている。その日は他の二人と我々3人で観音様を拝ませて頂いた。私自身はこれで三回目だが、直ぐ間近でみることが出来、さすが湛慶さんと感心した。また傍の年輪を感じさせる佛さんも見て回った。ここの菱形欄間を見ると大福光寺のそれを思い出した。

高浜の明鏡洞でも見ていくか、と高浜の城山あたりへ移動、すると西の鯖街道協議会のメンバーTさんが自分のブログに載せる写真を撮影に来ておらればったり。ここの波は東映のオープン画面のあの波が押し寄せる画面だとかいろいろ教えて頂いた。椿油で頑張ってね。

時間に追われることなく、気儘な徘徊は良いものだわいと、歴史探訪で皆さんをリードして訪れるのとは違った優雅さがあった。

あちこち心移るままに徘徊したいものだ。ただテーマをもってそのテーマに沿った所を訪れるのも楽しかろうとも思う。







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4 コメント

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見知らぬ土地が身近に。 (道草)
2011-11-19 12:30:44
夜半の雨が降り続いていて、肌寒い一日となりそうです。遅れている紅葉もやっと進み始めたのに、この週末は出足を削がれることでしょう。
小浜への旅の日は、秋晴れに歓迎なされました様で何よりでした。やはり日頃のオコナイの賜物でしょう。
常高寺と呼ぶのですか。由緒ある古刹の感がありますのに、本堂は全てを相殺して仕舞っているみたいですが・・・。昨今の歴史ブームで、余程儲かるのかも知れません。当日は、他の歴女に遭遇されなかったのでしょうか。
それにしても、この戒名群は難読過ぎるのではないですか。これで当たり前なのか知りませんが、私など来世に仏になる自信はありませんので、高額の手数料を払うのは遠慮して、生前に自分で作って置こうか、と不謹慎なことを考えさせられました。

歴史や考古に関心のある方は、訪問し得る場所が幾らでもあって、人生を退屈するなど皆無では、と今更の様に痛感します。門外漢はそれなりに、別の趣向で愉しむしかありません。それもまた好しでしょう。
今回も、居ながらにして、遠い土地のいにしえを味合わせて戴きました。何よりも、鯖街道で鯖を運んだ、との説明がありましたので安心しました。Kちゃんとは、柏原にロッジのある御方ですか。
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後瀬山城 (徘徊堂)
2011-11-19 14:28:01
 常高寺、一度何もかも無くなってしまって、再建したら、こういうふうに為らざるを得ないのかな等とも思いますが、是非とも行かねばならないという感じではないですね。
 話は変わりますが、ブータン国王の国会での演説は素晴らしかったと思います。もう、支那・韓国等とは一切手を切って、こういう国とだけ付き合えばよいと思いました。のに、誰だ!金閣のような不浄の地に国王を案内する計画を立てたヤツは(笑)。常照皇寺に来られるべきですよね。
 後瀬山城は、初めて教えていただきましたが、若狭を支配した城なのですね。模型を見ても凄さが分かります。これは次の小浜行きのメインになりそうです。ありがとうございます。
 以前は小浜といえば、フィッシャマンズワーフと蘇洞門めぐりしか意識していませんでした。このブログに色々と教えていただいて、昨年は空印寺などに行くことが出来ました。中山寺、明年5月まで開帳中とのことですから、これは訪ねなくてはならないと思います。
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人それぞれの楽しみ (mfujino)
2011-11-19 21:48:45
道草さま、はい、雲一つ無い快晴でした。海も見、紅葉の色づきが深くなった山も見、道中も楽しめました。

その日はかなりご年配の歴女グループ団体には遭遇しました。バス旅行であります。

お寺や神社を訪ねていにしえのことを想像するのは楽しいですね。鯖街道の件ですが、小浜は鯖街道やら、オバマ大統領などなんでも商売に結びつけてしまわれます。逞しいと言えば逞しいですし、大河ドラマを利用しての動きなどどこでもやっていること、別に非難することでもありません。でも歴史的遺産は豪華絢爛たるものがあり、それをもっともっと発信すべきではとも思っています。小浜の仏像巡りなどすれば病みつきになってしまいそうですし、ここの昔物語などを読んだらこれまた引き込まれるのではないかと思います。しかしこれは人それぞれの楽しみなのは仰るとおりでございます。

Kちゃんはご推察の通りです。誤字のご指摘ありがとうございました。
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若狭の歴史遺産はすごい (mfujino)
2011-11-19 21:49:27
徘徊堂さま、私はビルの中にお寺があってもいいと思っている人間ですが、ただそこには本来の宗教活動がないと、どうもいけません。このお寺の和尚は毎日座禅を組んでいるのかしらと思いましたがどうなのでしょう。この文章が小浜の人の目に止まり、ちゃんとお勤めされてますよ、と教えて貰えたら、ここで土下座して誤りますし、そのお言葉を待つ気持ちたるや切なるものがあります。

ブータン国王の演説は聴いていませんし読んでもいないので今探しているのですが、回線が混雑しているのか亀状態で、忍耐力を試されているようです。ただ人間には竜が住んでいるんだよと子供達に話されているテレビ画面は見て好印象を抱きました。

道草さまへの返事に書きましたが、小浜の歴史遺産の凄さは眩いばかりです。京北からなら1時間ちょっとで行けますのでこれからも訪れる機会は増えることでしょう。徘徊堂さまもフィールドに加えて頂き徘徊ブログでその成果を読みたいと期待しています。一番問題は徘徊後の一杯かなとも睨んでいますが(^_・)

後瀬山城は初めて知りました。立派な山城だった様ですね。国吉城ってのにも行ってみたいなあとも思っています。こんな事してたら、鯖街道の峠探訪が疎かになってしまいそう。我がダボハゼ根性丸出しの生き方でして反省しないととも思いますが、これも又楽しからずや(^_・)

中山寺の馬頭観音はお薦めします。これまた秘仏ですが馬居寺の馬頭観音は何時公開されるのでしょう。私は秘仏という思想はどうも理解できないのですが、、、

全くの余談で申し訳ないのですが、今日地元の郷土史家と話をしていまして、城壁に使われなかった「残念石」に話を持って行ったのですが、おれはその現代版を実見した。戦時中あちこちの寺社から徴集された鐘など実際には使わなくても地金は入ってきていて空き地に積まれていた。終戦と共に軍はそれを非難されるのを恐れてただ同然で払い下げたんとちゃうか、と言っておられたことです。鋳られずどこかに残っているのがせめてもの救いですが。

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