涼風やさしく

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芽吹き

2018年02月20日 | 日記
いつも通る道がある。

道に沿って小川が優しく、そして緩やかに流れている。

その川沿いには沢山の桜の木が並んでいる。

私は何の変哲もない、この田舎道が好きだ。

時折大勢の人を見掛けることがあるが、それらが見つめる先は電車。

一心不乱に、心を踊らせ、間もなく通過する電車を待っている。

でも私が興味を示すのは桜。

まだ辺りは薄氷が張る寒さ、それでも芽吹きだし、春の訪れを待っている。

毎日見ているのに突然芽吹き出す彼女たち。

季節になれば色艶やかに咲き誇り、桃色の衣を纏うかの如く乱舞して、人の心を和ませる。

私も幻想の世界に誘われる、そのひとり。

時々思うのは、この厳しい寒さを知ったから芽吹けるのだろうかということ。

誰から教わることもなく、時が来るまで繰り返し、誉め称えられることもなく、それでも人の心を和ませる彼女たち。

私も時々そうありたいと考えながら、桜の芽吹く小路を歩く。

何の変哲もない、この普通の桜小路を。


4月から社会に船出する友に涼風からのメッセージです...。




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